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たまにはレコメンドされる楽曲から逃げてみる

音楽ディストリビューションサービス TuneCore Japanでプロダクトマネージャーをやっている @SataKentaro です。

プロダクトの次を作るうえで、日常に感じたことは大事だな〜ということで日常に感じたプチ課題について書こうと思います。
自分の感じたことを書くので、読んでいただけた方にとって何かの参考か気晴らしくらいになれば幸いです。

最近の日常で感じること

普段、古家具や古着などを好んで買ったり使ったり見に行ったりするんですが、これは自分にとって一点物の「偶然」がある感じがワクワクするというか喜びを感じるんだな〜などと感じることがあります。

そんな中でこと音楽や映像を見るときには最近「レコメンドサービス」がかなり自分の日常に入り込んできているな〜とふと思いました。
入り込んできているからには自分にとって何かが楽しくて、「入り込んできている」と表現するからには自分にとって何か違和感があります。

レコメンドサービスの楽しさと違和感

レコメンドサービスを使い始めた最初のころは、自分の趣向にバッチリ合った知らなかった曲や映像作品をどんどん教えてくれることに「自分の世界を広げてくれている!」とかなりポジティブに捉えていました。
さらには、まだレコメンドサービスが自分のことを知り尽くしていないので微妙に違うなと思う曲もおすすめしてくるので学びもありました。
微妙に趣向外の曲も、普段聴くようにはならないがそれはそれで面白さがありました。

ただ、徐々に使い続けていくとレコメンドの安定感が極限になり、知らない曲ではあるがなんか知ってる感じの曲というものがほとんどになりました。
結果として「偶然」の出会いによる斜め後ろからの衝撃と幸福みたいな感覚が完全になくなる感じになってきました。

レコメンドサービスから一度離れてみる

こういった状況から昔みたいに「偶然」の出会いを音楽でもしようかな〜と思いいくつか試して見ました。

古着屋的にレコードと出会う

最近、自分の家でDJやアーティストを招いて遊べるように音響やターンテーブルを揃えたのでレコードを探しに行ってみました。
行ったのは鰻とコーヒーやお菓子を出しながら店主が趣味で集めたという大量のレコードを売っているBlowin' in the Wind
ここではブルース、ビートルズ、シティーポップ、ロックバンド系など色々と店主の趣味のレコードが置いてました。

自分が手に取ったのは

ほぼジャケ買いで、+なんとなく好きそうな人の名前が見えたものくらいの選び方で手にとっていきました。
割と適当故に偶然の連発で、それぞれ選ぶ瞬間は次のようなものでした。

ティン・パン・アレー → 細野晴臣の名前が見えた時に手に取ってみたら店主から「お、ティン・パン・アレー好きですか?」と言われ、「いや、全然知らないんですけどなんとなくジャケがいいな〜と思って取ったら細野晴臣の名前が見えたので好きかもです」という会話からそのまま購入

銀杏BOYZ →「夢で逢えたら」の文字が一瞬見えて大滝詠一か吉田美奈子だと思って手に取ったら銀杏BOYZの方でまあこれも縁だと思いそのまま購入

謎のブルース詰め合わせ → Eric Claptonの名前が見えてそのまま購入

Miles Davis → なんとなく一つJazzが欲しかった

(D'Angeloとの出会いもHMVで漁ってる時のそんなノリだったな〜など思い出しました)

家に帰ってそれぞれ流すまでのワクワク感だったり、流した後の良くも悪くも少し違ったという感覚だったり、思った以上だったりのブレ感による偶然体験はやはり最高でした。
(くずきりとコーヒーも最高でした。)

自分が働くTuneCore Japan のアーティスト一覧を漁ってみる

TuneCore Japan アーティスト一覧


自分が働くTuneCore Japanには自分が入る前からあるが実はあまり知られていないページが存在します。
その名も「アーティスト一覧ページ」
最新リリースの日付順にアーティストの写真が並んでいます。
あまり認知されているページではないのですが、昔からいるスタッフなどに聞くとユーザーというよりは業界の人たちがこっそりうちから出る新譜をチェックするのに利用されていたりするのだとか。

ここには誰にも精査されることのないインディペンデントなアーティストたちが山のように並んでいます。
しかも、オンラインなのでストリーミング配信時代前夜のタワレコやHMVやディスクユニオンに足を運んでというほどの手間もかかりません。
(それはそれで違う喜びがあると思いますが)

一つ一つ見ていくもよし、ジャンルやキーワードで絞るもよしですが
今回は偶然力を上げるために一つ一つ見ていきました。

新しい発見をしたアーティスト

今回の中でも一番の発見感のあるアンビエント感のある釈迦さんの楽曲

ボカロPのaunさん
普段あまりボカロを聴く方ではないが、アーティスト一覧を漁ってると目につくのでよく聴いてみることで発見がある


知名度のあるアーティスト名などのリリースもちらほら

etc.

あげればキリがないですがたくさんの掘り出しリリースが見つけられました。

最後に

取り留めのない流れで、なんとなく閉塞感のあるレコメンドが収束した日常から少し離れてみた話をしてきました。
レコメンドには自分の好みを手軽に安定して深ぼってくれる良さがありますが、偶然の出会いによる裾野を広げる楽しみ方もたまにはいいよねという話でした。

日々リリースされるインディペンデントアーティストたちの楽曲が思わぬ人に偶然届いたり、届くべき人に届いたりをサポートできるようにプロダクト作りの方も精進したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事が誰かの気晴らしや参考になれば幸いです。

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