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My Favorite Emerging Galleries in New York(1)

ニューヨーク(マンハッタン)の新進ギャラリーを紹介したい。
2020年最初のニューヨークは、私がお勧めする若手ギャラリーの情報から。
その基準は、毎年6月にスイスのバーゼルで開かれるListeなど、先進的な若手ギャラリーのためのアートフェアに出展していること。
Listeに出展しているニューヨークのギャラリーは意外に少なく、2019年は6軒(冒頭の写真は、後でスペースを訪ねるLower East Sideの1軒。ちなみに日本からは2軒)。これは、Listeがヨーロッパ(バーゼル)で開催されているからだが、現代アートにおけるニューヨークの地盤沈下も理由の一つではないか。
沈下? モダンから現代までアートを牽引してきたニューヨークが、なぜ?と思われるかもしれない。ニューヨークが、アメリカのみならず世界のアートの創造の中心として長きに渡ってアートを主導してきたことは確かだ。
だが、それはモダンの時代の話で、ポストモダンに入りそれが本格化するころには、アメリカは大きな潮流について行けなくなっていたのである。アメリカはモダンの大国であり、いまだにグローバルの盟主を自認しているが、はっきり言えば、文明史的には過去に属する。
ニューヨークの凋落は、20世紀末には始まっていた。21世紀に入ると、ニューヨークは低迷期を迎える。そして、リーマンショックによって決定的な打撃を被った・・・。
ニューヨークのアートフェア(写真は、2019年のThe Armory Show)が売れないという噂は、よく耳にする。それは本当である(そのせいか直前の情報では、2020年のArmoryの日本の出展ギャラリーはゼロ)。

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それでも世界的な現代アートのブームで、2010年代後半に盛り返してきたが、外国のギャラリーのニューヨークへの進出に因るところが大だろう。
ニューヨークはモダンアートの栄光の消えゆく余韻のなかで、依然として世界の現代アートのリーディング・ラッシャーではある。それは間違いないが、モダンの重く錆びた鎧を脱ぎ捨てられないでいることも否めない。
ニューヨークはモダンの重荷を背負ったシーシュポス(下の写真の建築は、そのシーシュポスが負った傷の証)なのだ。では、若手の革新的なギャラリーは、いかにその軛から逃れようとしているのか? その格闘の様子を、2020年のはじめの現代に追跡していこう。

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