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林健太郎はなぜコーチングスクール事業を始めたのだろうか?

皆さま、こんにちは。
エグゼクティブ・コーチ&リーダー育成家の林健太郎です。

この記事では、なぜ私が「コーチングスクール」を作ろうと思ったかについてお話したいと思います。
普段は「運営していくこと」に思考を集中させているので、なかなか、こうやって振り返って整理し、記事にすることが少ないのですが、ちょうど今日、数時間フリーな時間ができましたので、こんな時に振り返っておきたいと思いました。

なんとなく、私の振り返り作業に皆さまをお連れする感じになると思いますが、もし良かったら箸休め的に読み進めてくださると嬉しく思います。

エグゼクティブ・コーチとして確立するまで

2010年の初秋、私はプロのコーチとして独立し、エグゼクティブ・コーチを名乗り、企業の経営者やトップタレント、次世代リーダーといった、企業の中でも責任範囲が大きく広く、活躍を期待されている方々との仕事を中心に活動しはじめました。

そこからの10年間、私はコーチングという対面で1対1の面談型のサービス提供をメイン事業として仕事を続けてきました。
また、それに付随して、企業でのリーダーシップ研修や営業研修、チームビルディング、コーチングスキル研修など、いわゆる「研修事業」との合わせ技で生計を立ててきました。

多くの場合、企業研修の講師として企業さまに発掘していただき、何度か登壇の機会をいただく中で信頼を得ていくこと、そして私自身もその企業の文化や働く環境を学んでいくことでマッチングが良くなり、その先に重役へのコーチングを任されるということが多かったように記憶しています。

そんなこともあり、私は多くの企業。。あまり企業名を書くのはよろしくないかなと思いますが、なんとなく。。。

イタリアの高級スポーツカーメーカーや、イギリス→アジアに足掛かりのある世界的に有名な銀行や、世界中の人々が食べているあの食品のメーカーさんや、知る人ぞ知るキノコ生産メーカー、デパートにテナントで入っている誰もが知っている洋服屋さん、無名だけど一生懸命経営している花農家、最近出資を受けて急成長中のベンチャー企業など

本当に業種や規模感を問わず、多くの企業において、リーダーの仕事内容と苦悩の姿を見続けてきました。

見続けただけではなく、当然支援もし続けたのですが、なかなか一筋縄ではいかない環境に置かれているリーダーの皆さんを後方支援するのは大変なことで、私自身もリーダーになったつもりで試行錯誤する10年だったように思います。

私がエグゼクティブ・コーチングをしている姿はこちらの動画でご覧ください↓

これにより、私は他のコーチがなかなか経験しないような「痺れる」環境で研鑽を積む機会を得まして、コーチとして熟成していったように思います。
2020年には、コーチとしての仕事をある程度熟知し、求められる結果を出せるレベルに達していると自他共に認識するようになりました。

すべてはコロナから

さて、この先どの道を進もうか?
そんなことを考えていた矢先に発生したのがコロナウィルスの世界的な大流行でした。
企業における「研修」や「人材育成」の仕事は、あっけなく泡のように消えていき、私のGoogleカレンダーは真っ白になってしまいました。
まずい、失業する。。
そんな思考がよぎりつつも、なんとなく「もしかしてこれは舵を切るチャンス?」といったことを考えたのが正直なところでした。

私の営んでいるコーチングと企業研修の仕事はいわゆる「一馬力」な仕事です。世の中的にいう「労働集約型」の仕事であり、私が出ていかないとサービス提供ができないというタイプの仕事です。

そして、先にお話ししたように、私がコーチとして成熟したのは、お客様からたくさんの機会をいただき、その場で実地で汗をかきながら、転びながら自分なりのやり方を確立したからなんです。
つまり「私だからできるサービス提供」で「誰にも真似できない」から価値があるという戦略に基づいて仕事をしていたわけですね。

だけれども、それでは私が病気になったりしたらサービスは止まってしまうし、私のスケジュールが埋まってしまえば、それ以上に求められてもサービス提供できないという、いずれ限界が来るビジネスモデルであることも薄々気がついていつつ、見て見ぬふりをしていました。

そんな時にとある方から聞いたのが「宇宙飛行士を育てる話」でした。
ざっくり書くと「宇宙飛行士を育てるために候補者を宇宙に送り出して訓練させるわけにはいかない」ですよね。だからといって宇宙飛行の経験者だけを集めてくるとしたら、人選がものすごく限られる。
未経験の人材をなんとかして育てる必要があるから、そこに工夫が必要であるという話でした。
そんな事情がから、宇宙飛行士候補は、無重力空間を地球上で再現して、その仮想現実の中で、擬似体験を重ねることで熟練していくのだそうです。

これをエグゼクティブ・コーチングに当てはめられないだろうか?
私はそんなことを考えました。
とはいえ、実際に私がコーチングをしている現場に生徒さんを連れて行って、見せたり、コーチングさせたりできればいいのですが、なかなかそれに合意してくれるお客様がいないという現実があります。

だとしたら「リアルっぽい」コーチングを見て学ぶというやり方がいいのでは?という発想から生まれたのが「コーチングクリニックPRO」という学校です。(そんなこともあって、カエルに宇宙服着せたロゴにしたという経緯があります)

コーチングクリニックPRO_FBバナー

私が受講生の方にコーチングをしている姿を録画して、それを講義の中で視聴しながら解説をすることで、学び手は私の頭の中を知ることもできるし、コーチングの手順も知ることができる。
そんな擬似体験を積み重ねることで、私と同じレベルでコーチングができる人材を輩出することができるのではないかというのが、私のスクール事業の最初の一歩でした。

2020年7月の開校から、本当に本当に多くの方に学んでいただき、私と同じレベルでコーチングができる人材が登場するなど、大きな成果を上げていることを私としては大変喜んでおります。

もうすでに「一馬力」ではないし、これからもどんどん私レベルのコーチングができるプロが育っていくことと思います。
私にとっては、そういう意味で「仲間集め」の場所だったりもします。

講義の内容をチラ見したい人はこちらの動画をどうぞ↓

「コーチングの基本」は業界内で統一されていない

コーチングクリニックPROの開校から半年ほど経った頃、私の心の中には1つ大きくわだかまっていることがありました。

それは、「みんな、コーチングの基本に戻ろう」と講義の中で促した時に、それぞれの「基本」つまり「一丁目一番地」の認識が異なるということがわかってきたということです。

ある人にとって「基本」は傾聴スキルであったり、また別の人にとっては「あり方」であったり、さらには「共感」が基本であるという認識がある人もいれば、「未来志向」であるという方もいる。

これでは、コーチングという技法そのものの再現性が担保できない、ということに大きな危機感を抱きました。

これでは、いずれこの技法は廃れてしまう。
あるいは、様々なやり方をする人たちが自分のサービスを「コーチング」と主張する無法地帯になってしまう、ということを危惧しました。

新しいコーチングを定義するタイミングでは?

また、コーチングとは「考える」ことが中心にある技法だと捉える人も意外と多く存在することがわかってきました。

コーチングが生まれた1990年ごろであれば「考える」ことは重要なことだったと思います。
なぜなら、現代のように正確な情報や豊富な選択肢がスマホを通じて瞬時に得られるという環境がなかったから。
当時、リアルタイムではなく、限定的に得られる情報をかきあつめて、そこから「自分で考える」ことで行動を決めていくことは大きな意味があったのです。
コーチはそれを手伝う存在だった、とも言えるかもしれません。

それが30年も経つと生活環境も行動パターンも変わってきますから、コーチングの技法や考え方も変えていく必要があるのではないか
だけども、多くのコーチは何も考えずにお客様に向かって「じゃ、考えてみましょう」と促してしまう。
無意味に考えさせるよりも「検索してみらた?」と促す方が精度が高くてスピードが速い場合も多くあるにもかかわらず、手法として教わったものを無策に使い続けるプロが多いと思うのです。

そんな膠着状態にある業界の様子を私も他人事のように見ていたのですが、2020年の12月のとある日、いつまで私は傍観者としてこの状態を許容するのだろうか?と思い、そこから数週間で新しいコーチングの「基本」を教えるためのメソッドを整理し、学校をスタートさせるという決断をしました。

30年先まで使える、最先端であり、私の経験から紡いだ嘘のないプログラムを、なるべく簡単に教える、ということをモットーにして、2時間x8回(毎週1回学んで2ヶ月で卒業)のカリキュラムをオンラインで実施する新しいスタイルの学校を作ることにしました。

これが、コーチング忍者の2分コーチング入門講座というプログラムです。
私は数を数えるのがあまり得意ではないので、だいたいの勘定ですが、2021年1月にスタートしたプログラムは、これまで約70名の方にご受講いただき、この先2つの企業さまへの提供も決まっています。
何が言いたいかというと、この学校は順調に育っていますということですね。

(コーチング忍者のスローガンは「学べ・飛べ・転べ!」たくさん転んで身につけていこうねというメッセージです)

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コーチング忍者というふざけた名前(一見そう見える。。)ですが、これには思いがたくさん詰め込まれています。

ここでは多く語りませんが、コーチは忍者のように控え、主人(あるじ)の命を受け、必要な活動をし、表に出ない。
そんな存在であるということを示唆したくて、こんな名前をつけました。
コーチという名前がいずれ「コーチング忍者」に置き換わっていく。

そんな壮大な夢も、活動を続けていけばいずれ現実になる。
今は集客に苦しんだりもしてますけど、それでも続けていけば大きな力になる。
そう信じて進んでいます。

コーチング忍者の2分コーチングで教えているスキル(忍術)だけで私がコーチングをしている動画もどうぞご覧ください↓

面白くなければコーチングは流行らない

最後に私のこれからの行く先を書いておきたいかなと思います。

実は私たちプロのコーチは「営業」にものすごく困っています。
つまり自分のコーチングサービスを売ることに困っているということ。

無形のサービスを提供する本人が売ることは意外と難易度が高いものです。

そして、お客様も「私コーチング受けてるの〜」と友人や同僚に伝えることを控える傾向にあるサービスであることも最近わかってきています。

お客様の気持ちもわからないわけではありません。
例えば、私がコーチをつけていたとしても、それを「オレね、最近コーチング受けててね、これがすごくいいのよ」とは言いづらいなと思います。
なんとなく、弱っちい印象を相手に与えかねません。。

さらに「オレのコーチすごくいいから、お前も受けてみなよ」という紹介もなんとなく気が引ける。
同じ理由で、かなりハードルが高く感じます。

そんな事情があるから、なかなか紹介も出ないということで、営業活動は本当に苦しいものになりがちです。

じゃ、どうやったらお客様はコーチを知り合いに紹介しようと思うのだろうか?ということを真剣に考えた先にたどり着いた答えが「エンタメ性」というキーワードでした。

オレのコーチ、とにかく面白いからさ、このYouTube見てみてよ」みたいなことだったら、自分のコーチのことを人に伝えるんじゃないかなぁ、というのが私の着想でした。
だとしたら、コーチは面白くなくちゃいけないし、キャラ立ちしてた方がいい。メディアも活用できた方がいい。そんなことから、C-1グランプリや24時間コーチング(10/29放送予定)などのコンテンツが開発されました〜

24時間コーチングnoteトップ画像白バック

こういったコーチングのエンタメ化に取り組む秘密結社「コーチングのあたらしい窓」のツイッターはこちらからご覧くださいね↓

そんなことで、コーチングは面白いというイメージを消費者の方々に持ってもらうための活動を推し進めていきたい。
それがひいては、業界の繁栄に一役買うのではないか。
そんなことを考えて、おもしろおかしいことを真面目にやっていこう。

というようなことを考えています。

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ということで、今日の記事は長くなりましたが、どなたか最後までたどり着いてくださったでしょうか?
もし良かったら「読んだよ〜」というシンプルなメッセージでも、「いいね!」でも結構ですので、たどり着いたこと、教えてくださいね。

それでは、今日のお話はここまで。
今日も最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

それでは、また次の記事でお会いしましょう。


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