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コーチングはこの言葉から始めると上手くいく【2021年最新版コーチングマニュアル】

皆さま、こんにちは。
エグゼクティブ・コーチ&リーダー育成家の林健太郎です。

いきなりですが、最初に皆さんに一つお聞きしたいことが・・・
皆さんは、プロのコーチでしょうか?コーチングを学んでご自身の生活に取り入れようとされている学び手の方でしょうか?それとも、コーチングを受ける側のお客様でしょうか。
おそらく、この記事はたくさんの方にお読みいただくことになると思うのですが、読者の皆さんの共通点を一つ挙げるとしたら「コーチングに興味がある」ということではないでしょうか。

そんな前提で、今日の記事では、コーチングを提供する人も受ける人も必ず経験する、コーチングセッションの始め方、ということについてお話をしてみたいと思います。

提供するコーチとしても、コーチングの会話をどうやって始めるのかということ、とても難しいなと感じてらしたり、正解がわからないなと悩んでる方が多いのではないでしょうか。

そして、お客様側も、セッションの最初の数分間って、どんなふうに関わればいいんだろうか、と不安に思う時間帯だったりするのではないでしょうか。

さらに、私たち「教える側」としても、「この通りやればいいから!」といういわゆるマニュアル的なものが作りづらく、個々人のセンスに任せていたというのが実際のところだったりします。

一語一句、これを言ったら成立する!

そんなことで、セッション冒頭のいわゆる「話出し」の部分はみんなにとって難しい時間帯だったので、私と私の主宰するコーチングクリニックPROの受講生有志の皆さんとで、もっとわかりやすく体系化することはできないのだろうかという議論を数ヶ月に渡って繰り返してきました。

そして、ついにそれが完成したんです!

コーチは冒頭、これを一語一句、漏れなく、言葉を変えずに進行すれば、必ず上手くいく!という流れと言葉を私たちは開発することに成功しました。

いつものことですが、全く出し惜しみせず、権利も主張せず、ここに書いてみますので、ぜひ皆さんも使ってみてください。

コーチ:今日はどんなお話をしましょうか?
お客様:そうですね〜、「A」ですね〜
コーチ:「A」ですか〜。他にもありますか?
お客様:あ〜、「B」もですかね〜
コーチ:そうなんですね〜。「A」と「B」があるんですね?もしかして他にもありますか?
お客様:いや、このくらいですかね?
コーチ:わかりました!今話してくださった中で、どれを一番話したいですか?
お客様:「B」ですね〜
コーチ:じゃ、「B」の話をしていきましょうか?
お客様:はい

ここで、注釈を一つ入れるとしたら、上の流れの中で「コーチ」側の言葉遣いを一語一句同じにしてみてください。ということですね。
お客様はお好きに言葉を紡いでください。

そういう意味では、これをお客様側として読まれている場合、コーチはこんな風に問いかけてくるので、それに答えられるようにしておくと、よりスムーズな会話になりますので、事前にご準備される際に参考にしてくださいね。

そして、コーチの皆さん、この流れ、簡単そうに見えて、意外と複雑な意図を持って作っていますので、ぜひ一語一句同じでやってみてください。

マニアックな解説をすると・・・

まず、「今日はどんなお話をしましょうか?」というセリフ。
これは、ものすごく間口を広く取った問いかけです。背景にある意図としては、「どんなことを話してくれてもOK」という指示であり、「あなたが話題を決めるんだよ〜」という主体性に関する示唆でもあります。
これにより、お客様は「あ、そうか、自分で決めて話すんだった」と再認識することができる大切なプロセスです。

そして、次のセリフ
”「A」ですか〜。他にもありますか?”

について解説すると、「A」ですか〜、とまず復唱をしましょう、というのが大きなポイントです。
相手の言葉の最後の方の単語を1つ選んで復唱してみてください。
そうすると、相手に「受け取ったよ〜」という意思表示をすることができます。
さらに、お客様自身がその復唱を聞くことで、「そうそう、自分はAと言った」と再確認することができます
当たり前すぎて端折りたくなる部分ではあるのですが、ここを丁寧にやることで会話のテンポができますので、めんどくさがらずに運んでください。

そして「他にもありますか?」ですが、これ、必ず入れてみてください。
お客様も話出しのタイミングでは思考が完全に回っていない可能性がありまして、少しずつ考える準備が整っていきます。ですので、「A」と言ってみたものの、まだ他にもあるかもしれないなと潜在的に思っている可能性が高いのです。

ここで気をつけたいことは、お客様が「特にありません」という発言をされるというパターンもあるということ。

例えば、

コーチ:今日はどんなお話をしましょうか?
お客様:今日は特にないんですよね〜

ありますよね、こんな局面。
そういう場合も、同じ流れを作ってみてください。

コーチ:今日はどんなお話をしましょうか?
お客様:今日は特にないんですよね〜
コーチ:特にないんですか〜。他にもありますか?
お客様:特にないって言ってるんだけどな。。。ま、強いて言えば「A」とかですかね

一見ふざけた会話に見えますが、至って真面目にやっております(^^;;
このお客様の「特にない」という言葉も1つのデータですので、コーチの勝手な判断で見過ごさない、捨てない、ということが大切です。
特にない、ということを教えてくれた。
という事実情報だけを取って伝え返すということで、思考が回り始めます。

お客様の心境としては、「特にない、とは言ってみたものの、無いわけではないんだよね、コーチに問われているし、何か言わなきゃ」と絞り出す、という思考が回り始めます。

そう、思考が回り出すのです。
お客様がコーチングを受けることへの準備って、こういう会話から始まったりしますので、覚えておいてください。

「テーマの仮置き」という新しい考え方

コーチ:わかりました!今話してくださった中で、どれを一番話したいですか?
お客様:「B」ですね〜
コーチ:じゃ、「B」の話をしていきましょうか?
お客様:はい

冒頭でご紹介した会話の後半を再掲しています↑

コーチングを学んでいる方でも「テーマの仮置き」なんて聞いたことない、という方がほとんどだと思います。
いわゆる「テーマ設定」なのですが、会話を深めていく前に、なるべく早いタイミングで仮置きしちゃおう、という考え方です。

お客様としても、今日何を話題として深めていくのか、広めていくのかが早めに定まった方が、きっと安心して話や思考に専念できると思います。
逆に、それが定まっていないと「この話はどこにいくのだろうか?」とお客様にいらぬ心配をさせてしまいかねません

ですので、まずは「テーマの仮置き」をしましょう。という考え方。

「今話してくださった中で、どれを一番話したいですか?」
という問いかけをテクニカルに解説すると、優先順位を決めて欲しい、というリクエストをしています。
この場合、選択肢が明確ですので、お客様としても選びやすい流れになります。

そして、お客様が選んだ項目を復唱して、それで良いかを改めて問いかけるという、いわゆる「めんどくさい」流れを敢えて作ります。

コーチングにおける「テーマ設定」は契約行為とも言われていて、お客様とコーチとの間で、今日はこの話をするという合意形成を言葉でする、ということは極めて重要であるとされています。
ですので、お客様がかならず「YES」と言うことがわかりきっている問いかけを敢えて挟むことによって、契約行為として成立させているという意図もあります。

いわゆる「テーマ設定」はこうやる!

さて、最後にお伝えしたいのが、これで本題に入れる!と思わないでくださいというお話。
あと3ステップほど、手間をかけてください。
全体をおさらいしながら、最後の2つのステップを付け足していきますね。

コーチ:今日はどんなお話をしましょうか?
お客様:そうですね〜、「A」ですね〜
コーチ:「A」ですか〜。他にもありますか?
お客様:あ〜、「B」もですかね〜
コーチ:そうなんですね〜。「A」と「B」があるんですね?もしかして他にもありますか?
お客様:いや、このくらいですかね?
コーチ:わかりました!今話してくださった中で、どれを一番話したいですか?
お客様:「B」ですね〜
コーチ:じゃ、「B」の話をしていきましょうか?
お客様:はい
コーチ:この会話が終わる時にどんなふうになっていたらハッピーですか?
お客様:そうですね、ある程度方向性が定まって、最初になにをするかが見えてきたらいいですね
コーチ:わかりました!では、そのお話をしていきましょう!
お客様:はい!
コーチ:それでは、まず今頭の中にあること、まるまるお聞きしたいので、教えてもらってもいいですか?

この最後の3つのステップで、本質的なテーマ設定を完結させて、本題に入る流れを作っています。

この会話が終わるときにどんなふうになっていたらハッピーですか?
という問いかけ、コーチングにおける大切な方針の一つである「未来志向」を包含した問いかけです。
これがないと、コーチング にならないといっても過言ではありません。
コンサルティングやカウンセリング、ティーチングとの差別化ポイントもこの問いかけだったりします。

お客様に「未来に想いを馳せる」体験をしていただいてから先に進みましょう。

そして、その「欲しい未来」に向かった会話をするよね?という働きかけに対して合意形成をするのがテーマ設定です。
仮置きしていたテーマに「求める未来の状態」を加えたものがテーマとして掲げられると、あとの会話がスムーズに運びます。

そして最後。
テーマ設定が終わった瞬間に「はて、次はどこへ会話をもっていく?」と行く先を見失うコーチも多いのですが、ここから先は、お客様に喋ってもらうということだけに専念して欲しいと思います。
ですので、最後のセリフで「お客様、あなたがしゃべる番ですよ」という、いわゆる指示をして欲しいのです。
これで、コーチのあなたの序盤のお仕事は終了となります。
あとは、お客様が饒舌に話をしてくれれば、コーチはそれに対して相槌を打ちながら、にこやかに聞き役に徹することで話が進む時間帯に突入します。

ぜひ使ってみて欲しい!

いま執筆している私は・・・一気にこれを書き上げました〜

そして、noteの無料記事としてさらっと公開しようとしていますが・・・

実はこれ、画期的なことだと私自身は思っています。
私が10数年前にコーチングを学び、これまで実践し続けてくる中で、私は誰からも「セッションの始め方」を指南してもらったことがありません。
つまり、誰も体系化してこなかった可能性が高いということ。

それを、勝手に開発して、無償で公開しちゃうわけだから、本当に画期的。
私の場合、コーチングを社会インフラにする、って豪語しているわけで、このくらいやらなければ、本当にインフラ化しないと思ってます。

ですので、特に権利も主張せずに皆さんにお渡ししますので、どうぞいろんなところで活用してください。
そして、成功体験をどんどん積んでくださると、世の中にコーチングというものがどんどん浸透していく、素晴らしい社会が作れるのではないか、そんなことを真剣に考えています。

ということで、このメソッドは公に公開することができましたので、私はさらなる研究開発に勤しみたいと思います。

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

こんなマニアックな研究も含めてみんなで学びを深める一風変わった学校がコーチングクリニックPROです。
私たちと一緒に学びたい方、ぜひこちらから詳しい情報を見てみてください。


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