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そもそも、あなたはなぜコーチングを受けるのか?(コーチングを受けたくなった時に読む記事)

皆さま、こんにちは。
エグゼクティブ・コーチ&リーダー育成家の林健太郎です。

最近、こんな本が出版されました。

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昔だったら、カウンセリングの方が知名度が上だったので、タイトルもきっと「カウンセリングよりも大切なコーチングの技術」といった本が流行ったのではないかと思いますが、時代も変わったものです。

そういう意味では、コーチングという名前も手法もサービスも、認知度が大きく向上したと言えるのではないでしょうか。
今日はそんな今だからこそ考えて欲しい「なぜコーチングを受けるのか」という話題についてお話ししたいと思います。

これからコーチングを受けたいと考えている方にとって有用な情報になることはもちろん、提供する側のコーチにとっても考えてみるべきテーマなのではないかなと思っておりますので、ぜひお読みください。

あなたはなぜコーチングを受けるのですか?

例えば、私が皆さんにこんな↑質問をしたとしますよね。
皆さんだったら、どう答えますか?

これは私の推測ですが、皆さんの頭の中にはこんなことが浮かんだのでは?というのを幾つか書いてみます。

友達に勧められたから
コーチングってなんか周りで流行っていて
悩み事があって解決をしたいから
ずっと抱き続けてきた夢を叶えるのは今だ!と思ったから
転職しようかどうか、自分一人では決めかねている
思い悩んでいること、誰にも相談できない!
上司から受けて来いと言われて・・・
会社の福利厚生で受ける権利があったからとりあえず・・・

あるいは、友達がコーチングの勉強をしていて、どうしても受けて欲しいと言われ、断れなかったから。。
なんて方も意外と多くいらしたりして。。

コーチングセッションの前に考えて欲しいこと

私のことで言うと、コーチングセッションでお客様にまず初めに聞くことはこれに統一しています。

「今日はどんなお話をしましょうか?」

そして、この問いかけを受けて戸惑われるお客様、意外に多いんです。
普段の会話では、こんな質問されないですものね。

ですので、これを最初に問われる!と思っていただいて、どんな話をしたいかなと思い描いてほしいのです。

コーチングで話してはいけない事柄は特にありません。
(犯罪性の高い話題はお断りすると思いますが。。)

上司とウマが合わないといった日常の具体的な悩みを話していただいても、誰にも言ってないけど叶えたい壮大な夢のお話をしていただいても結構です。あるいは、いま困っている人間関係のお話をしてもらってもOK。
つまり、壮大な話から、些細な話まで、どんなことでも取り扱います、というのがコーチングの大前提となります。

だとしたら、あなたはどんな話をコーチとしてみたいですか?

そして、その話題をあなたは「どうしたい」と考えていますか?
という意思もお聞きしますので、未来に向けて少し思いを馳せてみてください。

基本的に準備はそれだけです!
シンプルですよね?

コーチは何をしてくれる人なの?

驚くことにこれをわからずにコーチングを受けに来る方が多いんですよね。
(私たちプロのコーチがもっともっと啓発活動をしなくてはいけない分野だと思っていますので、これは猛反省すべきところです。。)

ここはまず逆説的に「やらないこと」をお伝えしますね。

医療行為や処方
問題解決の代行業務
無許可の助言や洗脳
占い
宗教への勧誘や思想の押し付け
水晶や数珠の販売や営業行為

リストにすると、な〜んだ、そんなの当たり前じゃん!的なお話ではあります。
・・・ですが、実際の現場では、わかりにくくその境界線を跨ぐコーチがいたり、その境界線を超えて欲しいという要求をわかりにくくコーチに出すお客様もいらっしゃいます。

このリストに共通点があるとしたら「コーチは勝手に解決しようとしない」ということだと思っています。

解決するのはあくまでお客様の仕事それを補佐するのがコーチの仕事、というのが適切な棲み分けです。

むかし、クイズミリオネアというクイズ番組がありましたよね。
あの番組では、ライフラインとして50:50(フィフティ・フィフティ)、オーディエンス、テレフォンの3つが使えましたが、これ、回答者のタイミングで申請して使うというシステムでしたよね。(ご存知ではない方すみません。。)

司会者さんが勝手に「ライフラインを使います!」と宣言して勝手に進行する、なんていう場面は一度もなかったはずです。あくまで、回答者が自力で答えを出すことが優先される。
そして、何らかのヒントが欲しいときは、回答者側から主体的に「ヒントが欲しい」というリクエストがあり、それを司会者が了承してヒントを出す。そんな流れがありました。

コーチングもそんなイメージで、基本的にはお客様が自分で考えて思考を整理したり、答えを出していくということが常に優先される手法です。

お客様に寄り添い、信じて待つことが私たちの一番大きな仕事です。

待つこと。

それは能動的な仕事だったりします。

ですので、皆さんがコーチングを受ける時には、まず「自分で考えて進めてみる」ための時間をもらった、というイメージで関わってみてください。

そして、思考が行き詰まった時は「一緒に考えて欲しい」とか「ちょっとヒントが欲しい」とか、「新しいアイデアちょうだい!」とか、そんなリクエストをコーチにしてみてください。そこで初めて、コーチは必要な策を講じることができる。
そんな協力関係を作ることで進んでいくプロセスだと思ってもらえるといいかなと思います。

そんな時、コーチが提供できるサービス、こんなものがあります。

ブレストパートナー(一緒にアイデアを考える人)
選択肢を増やすために助言をする役割
あなたがどんなふうに見えているかフィードバックをする役割
異なる視点から物事を俯瞰して伝える役割
ロープレのパートナー
あなたにとって耳の痛い不都合な事実をぶつける役割
もっともっとと焚きつける役割

他にもたくさんあるかもしれませんので、ぜひコーチにリクエストをしてみてください。
コーチにも拒否権はありますので、相談しながら、お互いに承諾できる道を探していくのもコーチングの醍醐味の一つです。

こんな人はコーチングを受けないでください

サービスを提供する私たちがこんなことをお伝えするのもナンセンスかなと思いつつ、コーチングが必要ない方や、機能しにくい方も実際問題いるのではないかと思っています。
例えば、こんな方はコーチングには不向きです。

今最高に幸せで、これ以上のことは望まない方
今特に悩みのない方
自分の悩みが分からない方
向上したいという意欲のない方
精神状態が極めて悪い方
人に勧められてとりあえず受けようと思った方
プロのコーチ・・・

コーチングって最終的に行動変容に至るプロセスだと私は思っています。
ですので、行動変容を求めていないお客様にはあまり効果を体感してもらいにくい手法であると思っています。

ごく稀にこんなお客様もいます。。
林さん、私あまり悩み事ってないんですけど、何か悩みを見つけた方がいいですか?
というようなことをおっしゃるお客様。

これ、本末転倒ではないかと思うのです。
私のことで考えれば、悩みのない状態って最高の状態じゃないかなと思うのです。それをわざわざ「悩みを見つける活動」に加担する意味はどこにあるのかな?と考えると、

「いやいや、今日はやめておきましょう。悩みを無理に作り出すのは健全ではありませんよ」

とお伝えして、セッションはせずに帰っていただくこともあります。
コーチングが必要な時がまた人生のどこかで訪れますので、その時にまた手法として検討してもらえれば良いですよね

また、精神状態が芳しくない方はまず医療機関にご相談なさるのが適切かなと思います。私たちは精神疾患の専門知識がなく、診察や処方ができない職業を営んでおりますので、適切な関わりができない可能性が高く、とても残念ですが、コーチングではお手伝いできない可能性が高いのです。
ここ、職業倫理としてお断りすべきである、と私は強く考えています。

そして、最後に書いたプロのコーチ。
これ、本当に悩ましい。
プロのコーチがコーチングを受けに来なくなったら、この業界に回っているお金の半分は無くなってしまうようにも思うのですが。。
それだけ、プロのコーチが他のプロのコーチのコーチングを受けているという事情があったりします。

プロのコーチは、コーチングの知識やご自身の経験を持ったままコーチングを受けに来ないで欲しいところ。なんとなく、コーチ同士だとプロのサービス提供という厳しい評価の目がなくなり、お互い同業だから、ま、それなりでいいよね、みたいなことになり、業界全体のサービス品質が落ちる原因になると思っています?
プロのコーチにコーチングを受けるなということではなくて、プロのコーチという肩書や看板を一回下ろして、一人の人間として真剣にコーチングを受けに来る、いわゆる「お客様」として関わって欲しいというメッセージとして受け取ってもらえると嬉しく思います。

「オレの成功はオレのもの、オレの失敗もオレのもの」

どこかで聞いたことがあるような、ないようなセリフですが。。。
私がコーチングという仕事を営む上で、誇らしくもあり、寂しくもあるという瞬間がたまに訪れます。

それは例えば、私のお客様がメディアに登場されて、これまでの活躍を振り返り、その秘訣を語る、みたいな場面があったとします。
そこで語られることの中で、明らかに私と一緒に考えたことが語られるのですが、そこに私の名前やコーチの存在が語られることはない
そんなシーンを想像してみてください。

これ、私にとっては「私の名前や功績も語って欲しいな」という寂しさはあるものの、「よしっ!」とガッツポーズをする瞬間でもあります。

コーチという仕事は裏方の仕事であり、表にその存在が知られないことが成功だと私は思っているのです。

お客様自身が考え、行動した結果の成功であり、私たちはそれを後ろから少し支えただけ。
ですので、お客様が「私の成功は私のもの」として捉えてくださることで、私たちの仕事が成功したと評価できるという考え方をしています。

その逆も然り。
失敗をコーチのせいにするお客様がいたとしたら、これもコーチのアプローチが間違っている可能性が高いです。これは、コーチが過剰に助言をしたり、洗脳しているという可能性を示唆しています。
コーチに言われたことをやったのに、上手くいかなかった。
そんな他責な状態を許容せず、自らの行動の結果生まれた果実を味わうことも、その結果の責任を取ることも自律的にできるお客様として成長していただくことが私たちの喜びだったりします。

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長くなりましたが、今回の記事では、コーチングを受けたいと思ったお客様に向けて、少し考えてみて欲しいことを書いてみました。
せっかくコーチングという優れた手法を選ぶのですから、最高の結果を手にして欲しいなと強く願います。
そして、そのためにはサービスの特徴を知ることや、事前に少し準備することも大切かなと思っています。
コーチングはパートナーシップ。つまり協同関係の上に成り立つ手法ですので、受け手のお客様も能動的に関わってくださると成果が出るのではないかと思っています。

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私のコーチングが気になった方、オンランでも受けられます。
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そして、今日も最後までお読みいただきどうもありがとうございました。
有用だと思った皆さま、よろしければいいね!やサポートをどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、また次の記事でお会いしましょう。

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