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なぜ林健太郎から教わったコーチたちのコーチングはめちゃくちゃ上手いのか(コーチングにおける変容のメカニズム)

皆さん、こんにちは。
リーダー育成家&著者の林健太郎です。

この記事では、コーチングという手法による人の変容に関するメカニズムを考えてみたいと思います。
と堅苦しく書くと、ここから先読んでもらえないと思うので、もうちょっと簡単な言葉で書くとすると、なぜ林健太郎から教わったコーチたちのコーチングはめちゃくちゃ上手いのか、ということについて紐解く記事になります。
ご興味をそそられた方、どうぞ最後までお付き合いくださいね。

C-1グランプリを見て思っていたこと

私が主宰し、コーチングのエンタメ性(つまり面白さ)を競う「C-1グランプリ」という大会があります。
今年1月に第4回目が開催され、これまでの累計で20名近いコーチが挑戦者と
して参加してくださった人気コンテンツです。(情報はこちらから↓)

このC-1の過去4回の優勝者が5名いるのですが、実はその中の4名が私が運営する「コーチング忍者PRO」の受講者及び過去受講されたことのある方だったという。。
(手前味噌なお話に聞こえると思いますが、審査員は私以外に3〜4名いますので、比較的客観性の高い評価がなされていると思います)

実際、審査をする中でも私の教えた方々の安定感というのがピカイチで(すみません、他の参加者の皆さんをディスることを目的として書いていませんので、どうぞどうぞご了承ください)、安心してセッションの展開を見ていられる、ということを感じているのが正直なところ。

で、それをただ書けば、内輪の自画自賛な話なんですが、それで終わってしまっては発展性がないので、真剣にその理由というか要因を考えてみることにしました。

そもそもコーチングってなんなのか

概念が間違っている可能性

実は私も信頼できるコーチからコーチングを定期的に受けていて、今日はコーチングセッションの日でした。
そして、今日コーチと話している中で分かったことが1つありました。
それは言葉でいうと「Singularity」という言葉で、日本語でいうと特異点という言葉になるそうです。
私のコーチングはこのSingularityをコンセプトにしているということに気が付いたのです。

Singularityの定義をネットで検索してみると、こんな文章が出てきます。(難しい概念はいらない!という方は先に読み飛ばしてくださってOKです)

情報技術および人工知能は、恐らくたった数十年のうちに、人間の脳が持つ能力を超え、それがカバーする範囲は知覚・認識や、問題解決能力、感情・道徳・知能といった全ての分野に及び、それらを凌駕(りょうが)していくことになる。人間よりもわずかに賢い知性が生まれ、それが指数関数的に成長を続け、最後に人間を超越する時点、つまり技術的な特異点こそが、シンギュラリティSingularity)なのである。

https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/1904/15/news036.html

どうやら人工知能に関する研究から生まれた言葉のようですね。
これを私なりの解釈で言葉にしつつ、AIではなく人間の変容に向けて変換するとこうなります。

人間は変容に向けて、日々様々な経験を積み、そのいくつかは成功し、そのいくつかは失敗するといった、ある種平凡な営みを繰り返し繰り返し行うことから学びと洞察を得て、その知見が蓄積されていく。
その過程において大きな変化が日々体験できなかったとしても、それらの知見は積み重ねられていく。
そしてある時飽和点が生まれ、新しいアイデア(イノベーション)や必要な変容(ブレイクスルー)が生まれるのである。

若干難しい方向に話が向かい始めてますが、ここで簡単な方に戻していくとすると。。。

つまりは、何か大きな変容を起こすためには、日々の行動の積み重ねが必要。

というのが、大雑把なまとめになるわけです。
ですが、これだけでは終わりません。もう1つ私なりの言葉を付け足させてください。

何か大きな変容を起こすためには、日々の行動の積み重ねが必要で、それに対するショートカットはない

ここ、大きなポイントです。
必要な経験をせずに、目的地にたどり着くことは現実社会では不可能であるということ。

もっと簡単にいうと、ゴルフ初心者の私がいきなり明日からプロ並みにうまくプレイするということは、おそらく世の中のどんな技術や知恵やツールを使っても難しいということ。
ある意味、書くに値しないほど当たり前な話です。

しか〜し、多くのプロコーチやコーチングの学び手、そしてコーチングを教える学校の先生たちが異なった解釈をしているのが実はここなんです。
これは私の推測も混じった見解ではありますが、多くのコーチングに関する概念がこれ↓だと思っています。

何か大きな変容を起こすためには、日々の行動の積み重ねが必要で、コーチングはそれに対するショートカットを提供するものである

そう、近道を提供するのがコーチングであり、コーチの仕事であると思っている人が多いのではないか。そんなことを思いました。

これは、実はコーチングのそもそもの方針に反するものだったりします。
コーチはショートカットを提供する人ではなく、クライアント(会話の主人)の可能性を信じ、自力で目的地に向い到達することができる存在であると信じて関わるパートナーである、というのがコーチングのそもそもの考え方です。

だけど、多くのコーチが会話の主人の許可もなく、ショートカットの手法を提供(押しつけ?)しようとする傾向があるように感じています。
時に、ワークブックやらどこかで学んだツールやら、方法論やら不要なアドバイスやらを押し付けようとすることもあるように感じます。
これは暗に「あなたの方法は間違っていますよ〜、こっちに近道があるのでどうぞこちらをお通りなさい」と言っているのに近しいと私は思います。
これ、コーチングなのか??

つまり、多くのコーチが「ショートカットを提供する」ことがコーチングの価値だと思っているという現実があるように思います。

私の元で学ぶ弟子の一人であるあいちゃんもそんなことをnoteの記事として書いていますので、ご興味あればお読みいただきたいのですが、会話の主人が求めていない方向にコーチが引っ張ってしまう、ということが世の中では頻繁に起きていて、これがコーチングの現在の評判につながっているようにも思っているのです。
(記事に書いてあるコーチの手法を直接否定することは目的ではございませんので、そのことくれぐれもご承知おきくださいね)

方法論にはもはや価値がない

最近の世の中には、方法論は掃いて捨てるほど(すみません、乱暴な表現で・・・)存在していて、それらの情報の多くは無償あるいは、安価に手に入れることができます。

つまり、方法論はひとりの人間が一生かかっても試し切れないほど情報として溢れている、ということ。
その一つをコーチが持ってきて「はい、どうぞ」と渡しても、目新しさに欠けるし、方法論が増えることで会話の主人を余計に混乱させたりしてしまうのではないかと私は思います。

そんなこともあり、私が関わる皆さんにお伝えするのが「静かな時間を提供する」という概念なんです。会話の主人は日常生活であらゆる情報を入手できる状態にあるわけで、コーチからの新しい「インプット」はほとんど必要としていない場合が多い。逆に、会話の主人の頭の中で飽和している莫大な情報や思考、感情を一旦静かに整理して、方針を立てたり、戦略を立てたり、いらない情報を捨てたりする時間を持てると、その人はもう一歩先に進める。そんな方針で関わることでSingularityへの道のりを作っていく。
私がお伝えしているのは、コーチングに関するこんな方針なんです。

そして、ここが他のコーチングスクールと大きく違うところだと自負しています。

先のC-1グランプリの話で言うと、コーチング忍者PROの受講者さんたちは、この方針をしっかり理解して関わっている、ということが言えます。
そのため、会話の主人に不要な「ショートカット」を提供する代わりに、信じて静かに待つ、ということができている。

コーチがうるさすぎず、主人と同じ目線に立って静かに見守るからこそ形成される安心安全な場によって、主人は自由に会話を進めることができ、そこに最低限の働きかけでコーチが関わるからこそ、変容につながる道筋ができるのです。
そしてそこにショートカットなど存在しない。

馬を水飲み場に連れていくことができても、水を飲ませることはできない

私がたまに受講者の皆さんに伝えることの一つがこの言葉なのですが、コーチがショートカットを提供しようとしている瞬間って、馬の首を掴んで「さぁ、飲め!」と強引に飲ませようとしている状態なんじゃないかなと思うんです。
この光景を想像しただけで、私の「ショートカットを提供したい」というエゴは心の中だけにしまっておこうと思いとどまることができます。

そんなことより、馬が水を飲みたいと思う環境を丁寧に作っていくことに腐心するようなことがコーチの仕事だと思うんです。それは大きな質問をすることではなく、ニコッと微笑むことや、大きくうなづくこと、共感を示す関わりをすること、会話のペースを相手に合わせることなど、本当に細やかなことの積み重ね
会話をエンタメ性の高いものにする、つまり面白おかしくするのも、目的は同じです。

つまり、コーチがコーチングセッションの中で特異点を作っていくための地味な関わりが最終的に功を奏すということなんです。
ここがわかると、あなたのコーチングのクオリティーは劇的に変化するはずです。

せっかくここまでお読みいただいたので、もし良かったらこのことについて、皆さんの生活やお仕事の中でどう活用できるか、考えてみてくださいね。

長くなりましたが、今日はなぜ林健太郎から教わったコーチたちのコーチングはめちゃくちゃ上手いのかについてお話をしてきました。
少しでも、この記事が皆さんの生活に役立つといいなと思っています。

そして、私が教えているコーチングにご興味が湧いた方、ぜひこの辺りの情報をチェックしてみてください。

いつものことですが、文字数の多い記事を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
もし共感いただけましたら「スキ」を押してくださったり、フォローやサポート、SNSでのシェアをしてくださったら光栄です。

それではまた次の記事でお会いしましょう。

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