遊ぶ。
昨年、2022年のテーマは、「耕す」だった。
デザイン事務所Listenには昨年秋に新たにデザイナーが加入し、新しい土を混ぜることができた。
個人的には10代・20代の若者への講演を2度させていただいた。あらためて自分の仕事や考えについて客観視でき、若者からもエネルギーをもらえて大変意義深かった。
一方で、年始に一念発起して始めたnoteの記事が2022年の5月(いや、ちゃんと書いたのは3月まで)でピタリと止まっているのを見れば一目瞭然、早々に仕事と1歳の娘の育児が暮らしの全てになった2022年。
それはそれでシンプルで、何より仕事と家族の時間に集中できたのは心地よかった。現代人として、ビジネスマンとして、インスタ等のSNSに生活や仕事のトピックをいろいろアップしなきゃ、という勝手に感じていた無限地獄の呪縛からもいつの間にか離脱して解放された。
ともあれ、少しでも時間があれば何かを進めておきたくなるのは個人事業主・経営者の性かもしれない。週末も娘の昼寝中にPCに向かうワーカホリックな1年を過ごしたのは改善したい部分である。
ということで、今年のテーマは「遊ぶ」。
文字通り、もう少し生活の中に遊ぶ余裕を持ちたい、というのもあるけれど、それは単に享楽的に過ごしたいという願望ではなく、仕事にも育児にも余暇にも、常に遊び心を持って臨みたい、と言った方がしっくりくる。
昨年末、仕事や暮らしに関してとある取材を受けたのだけど、自分のことを語りながらあらためて自らのつまらなさを認識したことも、そんなテーマに関係している。
自分はこれと言った趣味はなく、子供や家族と過ごす時間と仕事が好きで、ルーティーンと言えるのは仕事前にコーヒーを淹れることと帰宅してハイボールを一杯飲むこと。あとは美味しいご飯とお酒、年に1〜2回の旅と温泉と音楽が好き。
ほら、普通である。
大変に、普通。
別に今更奇をてらった変わり者になりたいわけではないし、上に挙げたことが悪いとも思わない。ただ、そこにもう少し遊び心を注入して、楽しみを「拡張」できたら、生活にも仕事にもより濃度の高い良いめぐりが還元できるのではないかと思うのだ。
例えば、ハイボールのウイスキーをもっと探究するとか、香草を入れてみたり、アレンジを楽しんでみてもいいかもしれない。コーヒーの豆は今も美味しいお店のものをいろいろと買っているけれど、今年は自分で焙煎に挑戦してみてもいいかもしれない。
育児に関しても可能性は無限にある。おもちゃで遊ぶだけではなくおもちゃを一緒に手作りしてみるのもいいし、水族館や動物園で子どもに何かを「見せる」以上に、親も一緒になってみんなで感動できる体験を探したり。
あとは前々から作りたかったzineにも手をつけたい。
こうして整理してみると、昨年のテーマ「耕す」をより深めたい感じだろうか。
40代、あれこれと引き出しが溜まって、その引き出しの掛け合わせによりある程度のことは対処できてしまう。多少のピンチにも動じない図太さも出てきた。自分という枠の中で固まってしまわぬよう、今年は遊ぼう。拡げよう。
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