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【36冊目】恋愛論 上スタンダール著前川堅市訳

【諸々】

・1822年に書かれた、男主観で恋愛の心情を綴った書。

・一般的に考えられる「論」の形ではない。

・恋愛に係る論は、このように文章を綴ることで論じる、というのも一つ適した手段かもしれない。

・感情を記すということは、論理的に説明することと違い、感情で理解できるので、頭であちこちに思考を置かずに物事を理解しようと試みることができるのだと感じさせてくれた。

【気になったところ抜粋&感想("→"以降)】

①ザルツブルグの塩坑で、廃坑の奥深くへ冬枯れで葉の落ちた樹の枝を投げ込み、二、三か月して引き出してみると、それは輝かしい結晶におおわれている。山雀(やまがら)の足ほどの太さもない細い枝も、無数のきらめく輝かしいダイヤをつけていて、もうもとの枯れ枝を認めることはできない。

→スタンダールは、これを恋愛の結晶作用と呼んでいる。あばたもえくぼ、といったところか。しかし〇〇作用、とは他のフランス人が書いた経済学の書で読んだ気がする。フランス人はこのような表現は好きなのだろうか。

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