インドにチームを作った話
書いてあること
2022年6月にメルカリはインドに開発拠点を立ち上げました。それに合わせ私達のグループでも、インド拠点に開発チームを作ることになりました。その時の話をまとめます。
やってきたこと
祝・第一号社員
2022年6月30日に、インド拠点第一号のエンジニアが採用されました。それに合わせて、日本から彼のメンターを派遣し、約2週間ほどface to faceのオンボーディングを行いました。
第一号社員なので、入社日のインド拠点には、彼一人しかいません。彼には私のスクラムチームに所属してもらい、日本のチームの一員として、開発業務を行っていただきました。これは、独立したタスクを渡すのではなく、スクラムチームに入ることにより、メルカリで行っている標準的なスクラム開発や暗黙的な開発文化・習慣を見に付けてもらうという目的がありました。
インドと日本は時差が3.5時間です。もともとフルフレックス制を採用しているメルカリでは、午前中のミーティングがそれほど活発でなかったこともあり、スクラムへの参加はスムーズに行えました。日本の14時が、インドの朝10時半になるため、大体このあたりにDaily scrumミーティングを行い、スクラムプランニング、レトロスペクティブなどのセレモニーはすべて日本時間の午後に割り当てました。
2人目と3人目の入社
8/16に、二人目のEngineerが入社しました。第一号の社員と同様に、日本拠点チームのスクラムに参加してもらいオンボーディングを行います。
このタイミングでEMである私もインドに出張しました。入社した二人と初めて直に顔を合わせ、Knowledge Sharingを行い、Team buildingを加速させました。
9/28に、3人目のEngineerが入社しました。日本のスクラムチームに入ってもらうまでは同じ流れですが、、Sidhantのメンターはanandhaが務めてくれています。3ヶ月前に入社したエンジニアがメンターを務められ、良い連鎖が始まっているのを感じます。
日本側のTech Leadのリードのもと、日本・インドの混成チームとして開発を行っていきました。
この時期あたりで、チームメンバを短期間で増えたため、コーディングスタイルの標準化やレビューの基準の目線合わせが揃わず、開発効率が落ちてしまうという問題が生じました。これに関しては、コーディングのガイドラインを大幅に刷新したり、目線を合わせるためにコーディングガイドラインの基準について、ドキュメントを作成することによって明文化するなどして解決しました。
EMの入社
11/7には、ついにEMが入社します。それまでに入社した3人のエンジニアは、私が仮想的にEMとしてヘルプしてきましたが、その役割も正式なEMに引き継ぎ始めます。
12/1, 21日に、4人目,5人目の社員が入社。メンターやオンボーディング側もインド拠点のエンジニアで十分に担えてます。
1月に、再度日本拠点のエンジニアがインドに出張します。多くのKnowledge Sharingを行い、Team Buildingもますます進みました。
そしてチーム立ち上げへ
4/1日は、いよいよ独立したスクラムチームの立ち上げをインドで始めます。新しく作ったTeam Objective & Missionとともに、独立したチームOKR、バックログを持ち始めます。
今後は、モバイルエンジニア、フロントエンドエンジニアそして、Technical Product Managerの採用を開始します。
よかったこと
インド現地でのオンボーディングはとても重要でした。特に、第一号社員が入った直後の現地でのオンボーディングは非常に重要でした。6月時点ではオフィスも殺風景な状態でしたし、一緒に働く社員もいない、という状況でした。不安を軽減するためにも、現地まで赴き、顔を見ながらオンボーディングを行うことは欠かせられなかったでしょう。
また、EMの私自身が現地に行ったのも、現地の雰囲気や、現地のメンバが不安に思っていることを直に感じたりするのにとても有効でした。Face to faceで合うことによって、そうでなければ遠慮してたであろう、他愛も無いけれど、わかると安心できる、みたいなちょっとした疑問にもたくさん、話すことができ、意義深い訪問でした。
日本のスクラムチームにJoinしたのも効果的でした。暗黙的な開発文化やプラクティスなどを伝授するのに役立ち、またTech LeadやScrum Masterといったメルカリの開発で重要なロールをシャドーイングさせることができました。あるタイミングから、インド拠点の社員にもTech LeadとScrum Masterロールをアサインしましたが、これは、独立したチームを立ち上げるときにスムーズなトランジションを実現するために、とても重要でした。
またスクラムのプラクティスに則って、レトロスペクティブによる改善の習慣がチームとして身についていたのがとても大きかったです。小さな課題やブロッカーなどは、チームとしてごく自然に、自律的に解決・改善をしていきました。
学んだこと
対面でのコミュニケーションにまさるTeam Buildingはない、と実感しました。日々の開発はオンラインで完結できます。定型業務であれば、オフラインで問題ないでしょう。
ただ、我々が成し遂げたかったのは、会社のミッション・バリューを共有し、自律的でモチベーティブなチームをインドに作ることです。同じ空間・時間を共有しないと、思いは伝わらないでしょう
気づいたこと
メルカリはすでにグローバルな会社であったことは改めて気づきました。日々のコミュニケーションはすでに英語ですし、また、時差のある人と働くことにもなれているので、3.5時間程度の時差であれば、全く追加の負担なく、チーム内のコミュニケーションの質が維持できてました。
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