AIがDeep Learingのアプローチで作った曲を楽しむ時代はすぐそこかもしれない
ガラパゴスでは画像領域における深層学習(Deep Learning)の研究を進めてAI(人工知能)の開発を進めているのですが、他の領域にもアンテナを張っていて色々と情報は入ってきます。
深層学習の王道コンテンツは音声/テキスト/画像なのですが、その中で、今回は”音”というものの特徴を理解し、新曲を生成する人工知能のご紹介をしてみようと思います。
Deep MindのWaveNet
Deep MindはGoogleによって買収され、その後AlphaGo(アルファ碁)を作って一躍有名になりました。名前の通り、Deep Learinig領域での研究の最先端を走っている会社なのですがこの度新たにWaveNetというものを発表しました。
彼らの技術であるPixelRNNとPixcelCNNという技術を応用し、従来のように音を”音階”などではなく、”音の波形”を細かく分解して点とした上で学習させて特徴を獲得するということをやっているようです。(波形と点に関してはこちらのgifが分かりやすいです。)(詳しくはこちらの本家のサイトをご覧下さい。)
音の波形の特徴を獲得し、そこから新曲を生成しているようです。それによって作られたのがこちらの音源です。音の波形の特徴から生成されたとはとても思えませんがそれっぽい曲になっています。
サンプル①(クリックすると10秒間の音がでます。)
サンプル②(クリックすると10秒間の音がでます。)
元々は音声合成の研究だったようですが作曲に応用したようです。
バッハの新曲を作る
既に亡くなってしまったレンブラントの新作の絵画を作るプロジェクトは他でも見たことがあるのですが、今度はバッハの新作を作ってしまったようです。
BACH BOTというプロジェクト名のようですが、バッハの曲を教師データとして深層学習して生成しているようです。
↓の左上の再生ボタンを押すと曲が流れます。
そもそもバッハの曲の特徴を僕があまり分かってないので何とも言えませんが、それなりに曲として成立しているようです。
耳に自信のある方はこちらのThe BachBot Challengeでテストしてみると良いかもしれません。バッハの原曲かAIが作った曲かのテストできるようです。
作曲する人工知能「ラムス(lamus)」
こちらはスペインのマラガ大学が開発した人工知能のようなのですが、かなり前の2012年に発表されたものです。2012年発表なのでDeep Learningの手法は使われてはいないかもしれないですが、人工知能であると言っているので特徴は人間で提供し、機械学習で処理されているのかと思います。
聞いていただくと分かるのですが、かなり独特でユニークな音楽となっております。また、amazonでもアルバムが発売されていて、Prime会員だと聞くことができるようなので会員の方は是非どうぞ。
まとめ
このようにアプローチは様々ではあるのですが、AIが楽曲を新たに作り、それがある程度の完成度にまでは達しているようです。
もう少ししたら、知らぬ間にAIが作った楽曲に心が癒やされている日もそう遠くは無いのかもしれません。
現在では気分や場所や過去聞いたものから”曲”単位でリコメンドをしてくれる技術は見えてきていますが、AIが更に発達し、気分や場所に応じて曲を”さっと作ってくれる”時代もくるかもしれません。未来にワクワクしますね。
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