デジタルトランスフォーメーションとは
会社のデジタルトランスフォーメーションは進んでいますか?会社のデジタル化そのものは30年も40年も前から始まっています。どの会社でも恐らくそうですが、会社のデジタル化はまずバックオフィスから始まっているはずです。あなたの会社も営業マンにパソコンが与えられえるよりも何年も前から先に経理マンにパソコンが与えられていたはずです。さらには基幹業務システム(ERP)などが導入され、大企業のデジタルトランスフォーメーションの第一波が始まります。ERP業界でのイノベーターと言えばSAPであることに異論はないでしょう。彼らはサプライチェーンマネジメントの領域において業務プロセス改革を促し、製品IDを統一し、あらゆる製品タッチポイントでのマネジメントを一元管理する世界を実現し、大企業から圧倒的な支持を受け、自らもエンタープライズ企業の一員になりました。90年代後半から21世紀初頭にかけてデジタルトランスフォーメーションの第二波として会社内全体をデジタル化していく、デジタル業務改革が始まります。そこで大きくビジネスを伸ばしたのがマイクロソフトであり、SaaS業界ではセールスフォースドットコムです。彼らは会社内の業務を一変させたイノベーターたちです。インサイドオフィスのデジタルトランスフォーメーションの立役者とも言えるのではないでしょうか。「第三の波」とは何か2008年前後、スマホとソーシャルの登場でカスタマー側のデジタルトランスフォーメーションが瞬時に起こったことは説明するまでもなく、この分野でのイノベーターはアップルとフェイスブックと言えるでしょう。バックオフィス、インサイドオフィス、そしてカスタマーと見て来ました。この時点で企業を取り巻くデジタルトランスフォーメーションの波において取り残された領域はあとひとつになりました。さてどこでしょうか。それはフロントオフィスです。企業のフロントオフィスはバックオフィスとインサイドオフィスおよびカスタマーから挟まれている状態となり、この領域のデジタルトランスフォーメーションが急務となっています。なぜならカスタマーはあなたのビジネスのスピ―ドに合わせて待ってくれないからです。フロントオフィスのデジタルトランスフォーメーションに乗り遅れたビジネスは顧客を失うことになるでしょう。一度獲得した顧客を再び取り戻すコストは新規顧客獲得コストの約10倍、と言われています。あなたの会社は既存客、特に優良顧客をデジタル上で満足させていますか?顧客体験の向上にどれくらい投資していますか?ここがデジタルトランスフォーメーションの最後の領域であり、ビジネスのトランスフォーメーションを完成させるラストピースです。顧客接点におけるエンゲージメント技術とはSAPが製品IDを統一したように、フロントオフィスの領域で求められるのは顧客IDの統一です。フロントオフィスが今後必要となってくるのは、部門間やチャネル間をまたいだ顧客ビューです。その為にはソーシャルを主役として捉える必要が出てきます。ソーシャルをうまくマネジメントする企業は他社に先駆けて顧客の360°ビューを実現することを可能とします。別の言い方をすればソーシャルデータなくして顧客の360°ビューは完成しません。企業が活用したいコミュニケーションチャネルを選ぶ時代は終わりました。いまは顧客がチャネルを選ぶ時代です。それぞれのフロントオフィスがカスタマーと向き合う為にはソーシャルへの投資が不可欠の時代がすでに到来しています。