見出し画像

女子フィギュアスケート界、     ジャンプの歴史

2020年12月27日、全日本選手権で紀平梨花選手が、女子で世界で初めて4回転ジャンプを成功させた安藤美姫以来、日本人選手として17年ぶりに4回転ジャンプを成功させました。
おめでとうございます。しかも、美しいジャンプで加点も付きました。

しかし、国際大会では、ジュニアも含めると、ここ数年、4回転ジャンパーが続々と増えており、女子にも4回転時代が来たのではと言われています。

女子フィギュアのジャンプの歴史をたどると、1988年にNHK杯で伊藤みどりが初めて3回転アクセルに成功し、世界に衝撃が走り、女子フィギュアにも3回転アクセル時代の幕開けと思いきや、その3年後にハーディングが成功してから10年以上、間が空きます。伊藤みどりが3回転アクセルを跳んでも、オリンピックで金メダルを取れなかったのと、当時の6点満点の採点方式では、それほど評価されなかったのかもしれません。
ただ、日本人が世界で初めて成功させたジャンプとして、そのイズムが受け継がれているのか、3回転アクセルを成功させた11人のうち、5人(※長洲未来は米国籍を選択)が日本人というのも、伊藤みどりの功績でしょうか。

画像1

その後、2002年に安藤美姫が4回転サルコウを世界ジュニア選手権(結果は3位)で成功させるわけですが、2003年以降、次に4回転を跳ぶ選手が現れるまでは、長い時間を費やすことになります。
2003年以降は、3回転ー3回転のコンビネーションジャンプで得点を積み重ねていく時代に入っていきます。

ところが、2018年ー2019年シーズンに入り、4回転ジャンパーが突如現れます。アレクサンドラ・トルソワ(ロシア)です。2018年世界ジュニア選手権で、4回転トウループと4回転サルコウを成功。4回転サルコウを成功させたのは、安藤美姫に次いで二人目、16年ぶり。4回転トウループを成功させたのは史上初です。続いて、アンナ・シェルバコワ、カミラ・ワリエワのロシア勢、シニアでは、カザフスタンのエリザベート・トゥルシンバエワ、アメリカのアリサ・リュウが4回転ジャンパーの仲間入りを果たす。
2020-2021シーズンの紀平梨花、ソフィア・アカチエワ(ロシア)を入れると、女子での4回転ジャンパーは7人となります。
4回転時代に入ったといってもいいのではないでしょうか。

そんな変化の中でも、ロシア勢が一歩先んじています。アレクサンドラ・トルソワ、アンナ・シェルバコワ、カミラ・ワリエワ、ソフィア・アカチエワは同じコーチの門下生で、その指導力やハーネスを使ったイメージトレなど取り入れただけでなく、同じ練習リンクでライバルが4回転を跳んでいる環境が要因ではないかと言われています。

ただ、日本勢も黄金世代ではないかと言われている11-13歳のクラスに有望な選手がたくさんいる。ノービスで優勝した島田麻央選手や2位となった柴山歩選手など回転不足がついたものの3回転アクセルに果敢にチャレンジしたり、練習では4回転を跳んでいます。
北京にはもちろん間に合いませんが、その次のオリンピックには期待できそうで、楽しみです。

約1年ちょっと後には、北京オリンピックがあります。その時には、間違いなく4回転ジャンプの出来がメダルの色を決めると思います。

紀平梨花選手には、質の高いジャンプとジャンプだけではないスピン、ステップの美しさでライバルを圧倒してくれることを期待しています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?