#0367 オオムラサキパーティ

1月の曇り空の下「オオムラサキいるかなぁ」とエノキの大木の麓で落ち葉をひたすらかき分ける。


2匹の幼虫を発見。
喜びすぎると人間は無口になる。か、『うひょー』って言うらしい。

エノキの麓で夏に見つけたあの幼虫は十分に世話できず死なせてしまった。



それでも図鑑を見ては「これや!!絶対オオムラサキや!!」と目を丸くさせていたあの瞬間は無駄じゃなかったと思う。


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さて、寒空の下落ち葉のベッドから引きずり出された2匹の幼虫。『冬眠中は動かない!』なんて思っていたら、そんなことはない!めっちゃ動いた!
また目が丸くなる。

寒くないようにと、幼虫を見つけた付近の落ち葉を“おふとん”として一緒に持ち帰る。
次こそは羽化を成功させたいと意気込んでいる。

寒いところでしっかり寝てたら、暖かくなった春にまた目覚めて、蝶々になるんやでと話す。

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「春はもう俺は小学生やん。
この子ら(幼虫)のことはちょうちょまで面倒みなあかんから、俺が小学校で世話するわ」

「おぉ!せんせも見たいねんけどなぁ、、」

「そんなん、蝶々になったらすぐ持ってきて、先生にも年中さんにも見せたげるやん!!
ほんならパーティしなあかんな!!オオムラサキパーティや!!
そう言ってまた目を丸くさせている。


幼虫はオオムラサキではない。調べるとよく似ているがゴマダラチョウのようだ。
そんなことは別にいい。日本の国蝶オオムラサキだ!と思っている彼にそれを伝える必要はない。羽化するまで気付かなくても別にいい。むしろ羽化してからも気づかなかったとしても別にいい。

大事なのはパーティだ。
パーティにかける意気込みなんだ。
目を丸くするような感情体験なんだ。

先生にも見せてあげるとか
年下とも感動を分かち合いたいって優しい気持ちとか
そんなんすら一旦置いといて、まずは『いま、この瞬間』目を丸くするような感情体験なんだ。
それこそが生きていることの実感なんだ。


と、僕は思う。


それでは今日も遊びあふれる一日を✨



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