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足が遅い子供も輝ける。足の速さについての事実と、問われる周りの大人達の姿勢。

「うちの子は足が遅いからサッカーは。。」「あいつはスピードが足りないから」サッカーの現場でよく聞くワードです。

たしかにサッカーにおいて小中学生の年代は、スピードがある選手が圧倒的に有利です。これは少年サッカーを応援するお父さんお母さんであれば何となく気付いていることではないでしょうか。
小中学生にとってスピードとはサッカーの試合において有利にプレーをする重要な要素だということは紛れもない事実です。

それでは少年時代に足が速い選手がこの先ずっと有利であり、足の足が遅い選手は不利を背負い続けプレーしていかなければならないのでしょうか。

■クリスティアーノロナウドと中年おじさんの差

瀬谷インターナショナルフットボール(SIF)では半年に1度程度フィットネステストという選手達のスピードなどの身体能力全般の測定を行なっています。そこでわかったことはこの年代の選手達のスピードには成長速度によって大きな差があることがわかりました。
育成年代の選手達は同じ学年でも足が遅い選手と速い選手で50m走で1.5秒くらいの開きがあります。

こに1.5秒とは実際どれくらいの差なのかというと、

50m1秒の差とは遊びでフットサルをプレーする中年のおじさんとフットクリスティアーノロナウドの間におけるスピードの差と同じ、もしくはそれ以上の差なのです。

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同じクラブでプレーする同じ学年の選手間でこれだけの差があれば、足が速い選手は圧倒的過ぎるくらい有利なことは言うまでもありません。

じゃあ少年時代に足が遅い選手はサッカーで上を目指すことはできないのでしょうか。このスピードの差は埋まることはないのでしょうか。


■この大きすぎる差は数年後必ず埋まる

この圧倒的な差は大人(17歳くらい)になれば必ず埋まってきます。小中学生時代のスピードの差は才能の差ではなく成長速度の差にすぎないからです。

高校3年生くらいになると50mで速い選手は6.2秒くらいで走ります。では遅い選手はどうでしょうか。僕の経験上足の足の遅い選手でも高校3年生になると6.7秒くらいで50mを走ることができます。

その差は0.5秒。

つまり小中学生のときに1.5秒あった差(Cロナウドと中年おじさんの差)が高校生になれば3分の1の0.5秒くらいの差になるんです。(専門的にトレーニングを積めばさらに差を縮め、追い越すことも十分に可能です)

■問われるのは子供達を取り巻く大人達の姿勢

育成年代の指導者はこのことを頭に入れて置かなければいけません。「足が遅い選手は戦力にならない」と考えている指導者が多いように感じます。

指導者だけではありません。「うちの子は足が遅いからサッカーよりも勉強した方が。。」「うちの子は足が遅いから強豪校への進学は無理だから。。」と思っていないでしょうか。

子供達の周りにいる大人(指導者や保護者)がそのような考えがあると子供は必ずサッカーを諦めてしまいます。大人の考えていることは子供に乗り移るからです。

何度も言いますが小中学生のときは成長速度によって同学年でもクリスティアーノロナウドと中年おじさんの差以上のスピード差があります。それは足の遅い選手は不利に決まっています。

でもこの差はここ数年のうちに必ず縮まります。なぜならこの差は才能の差ではなく成長速度の差に過ぎないからです。

僕達は常にこのことを頭に入れて指導にあたるようにしています。一見スピード不足で少年団で活躍出来ていない選手が何人もSIFジュニアユースのセレクションを通過し入団します。
それは今活躍できていないのは成長速度が遅いだけということが分かっているからです。

大切なことは今の成長速度ではなく、高校年代、大人の選手になったときにどんな選手に育てられるか。
今活躍できるかということだけに捉われず、彼らの技術を育成していくことができれば、成長の差が埋まる数年後「まさかあいつが?」と言われる選手になっていることは十分に可能なのです。

このことを「僕は(うちの子は、アイツは)足が遅いから。。」と考えている選手の保護者の方、指導者の方など、選手を取り巻く大人の方達にへ伝えたいと思っています。スピード不足と思われる、ただ成長が遅い選手達が数年後に花開くか。それは周りの大人達の姿勢(対応)にかかっていると言っても過言ではありません。

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