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世界で一番暮らしたい集落をつくる

after coronavirus、with coronavirusなどと言った新しい言葉が当たり前のように使われている。社会が変化していく上で、これまでの働き方や自分自身の暮らし方も変化していこうよというある種のメッセージを受けて  『世界で一番暮らしたい集落をつくる』 という言葉が私の頭の上にぽつりと浮かんできた。

誰かが変えてくれる、誰かが与えてくれることをじっと待つのではなく、自らが機会を創り、自分自身を変化させ成長していく人が、これからはより大切な時代になってくるような気がしている。

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私が代表をさせてもらっている 東シナ海の小さな島ブランド株式会社は、本社を鹿児島県甑島列島(koshikijima)に置いている地域デザインカンパニーで、通称=island company と呼ばれています。

Companyの語源は、"パンを一緒に分け合う仲間"のこと。私たちは、Islandを離島という地理的な意味を指すだけでなく「島」というひとつの世界に集う新たな集落(=コミュニティ) であると捉えています。

答えのない時代にパンを分け合う事のできる仲間とは、どういった仲間だろうか。世界中どこで暮らしてもよい、どんな仕事をしてもよい、どんな生き方や考え方があってもよい時代に、私たちはどんな「島」を目指して海を渡っていくのだろうか。

そこには、仕事があるからとか、故郷だからとか、長男だからとか、そうしたことも大切な理由の一つかもしれないけれど、世界が刻々と変わっていく明日も、一番の理由であり続けるだろうか。

与えられたものを、消費するだけの時間は終わった。

Coronavirusによって、世界中はある意味で分断され、これまで置き去りにしてきたあらゆる課題が表面化している。無意識に「当たり前」だったものは、誰かの日常によって支えられ、生み出され、多くを与えられていたことに気付かされた。特にエネルギーや食料自給、交通政策や物流、医療や教育などの「インフラ」に至っては、自らで創り出すことを忘れ、ほとんど自分以外の誰かに頼りっぱなしだった。

僕らは、与えられることに慣れてはいないか。

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island companyの事業部は、『日本のおいしい風景をつくる』という理念に基づき、飲食事業部・観光事業部・山下商店事業部・地域デザイン事業部という大きく4つの事業部を総務部で人事や経理を支えています。加えて、休日の活動としてゼロウェイスト部・UMI部・畑部・家守(不動産)部という『なんだか楽しげな肉体労働』をシェフの気まぐれランチ付でスタッフをおびき出して(笑)自由参加の部活動として地域課題を楽しみながら自らで解決していくことを目指した取り組みも始めています。

▽ シェフの気まぐれランチ(キムチと大葉以外は全て頂きもの)▽

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さて、Coronavirusを受けて、実はisland companyは、2020年の4月から期間を定めない形で 完全週休3日制 となりました。ウィルス拡大がこれからの働き方を考えるひとつのきっかけになりましたが、もしかするとウィルスが収束したとしてもこのまま完全週休3日制のままでいこうかな・・・とも内心考えています。事務スタッフについては、すでに2年以上前から在宅勤務ですし、その他のスタッフも3日間の休日に友人たちと釣りをしたりランニングをしたり、読書をしたり農作業をしたりとそれぞれの暮らしを楽しんでいる様子が垣間見れてとても嬉しいです。

大切なことは、世界観をクリエイトすること

これからの時代は、会議のための出張というものが大きく減っていくだろうし、オンライン上で事足りるような会議や研修もたくさんある。色々なことが電子決済になって、総会などの議決や未来の選挙だって。もちろん、オンラインだけで全てが解決するとは思わないけれど、大部分はインターネットを駆使することはもちろん、既存のシステムを活用して、人がリアルに集まることをせずに物事が動いていくことが少しずつできるようになっていく。本当はもう実現できるのだろうけど、変化するときのリスクは誰しも背負いたくはないし、いろんな利権のしがらみがそうはさせてくれないのだと思っている。けれども、社会の根底を支えるルールや前提が変わり、ツールが生まれ、それを使いこなす文化ができてしまえば、旧態依然としたあらゆる体勢が変化していくのは時間の問題だろう。

人に直接会うこと。地域と地域を行き来することの意味。これからは、より深く、より大きくなっていく。今いる場所で、今起きていること。それを誰とどんな時間や空間を共有しているか。そうしたパンを分け合う仲間の存在と、そこに集まっている理由が重要になってくる。

本質的な地方分権や、自立分散型の社会がやってきた暁には「都市」と「地方」という対立するような言葉や概念がなくなって、東京も甑島と同じひとつの地方という世界になっていく。

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半径400メートルの世界をどのように創造するか

私たちの事業の今後は、コシキテラスのベーカリー事業をOSONO BAKERYというパン屋として新たな進化をしていく準備をしていること、次世代エネルギーに関連する地域モビリティの導入や新たなスタイルの宿泊施設の管理・運営、島旅珈琲というローカルコーヒーブランドを甑島から育てていくことなど多岐にわたって変化していくこととしている。この先は、もしかすると、味噌も醤油も食用油もワインもビールも、集落の原点に立ち返ってマイクロコミュニティのなかで循環していくようなものを自らで創り出していくかもしれない。その私たちの暮らす世界と、海の向こうの世界という日常と日常を行き来するのが、これからの観光になっていくだろう。

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そこに世界観は、あるか?ここにしかない世界をつくるのは、一体誰だ。それは、紛れもなく、どこかの誰かではなく、今ここに生きている私たちなんじゃないだろうか。


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