ダメな事業計画の特徴3つ(補助金対策)
おばんです(朝読んでいる方は、おはようござりす)。
今アツい「事業再構築補助金」。そのほかにも、「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」など、事業計画の策定に関係する補助金が増えています。今後も、しばらく続くことでしょう。
僕は、補助金事業にかかわらず、普段から企業の事業計画策定のお手伝いをしていて、「良い計画」と「ダメな計画」が割とはっきりわかります。
正直、「良い計画」のすべてが、補助金が通るわけではありません。ただ、当たり前ですが、「ダメな計画」は、すぐはじかれます。
今回は、「ダメな計画」の特徴を取りあげ、そうならないためには、どうしたらいいかを考えていきます。
あと、さいごに、裏技というわけではないのですが、割と誰でもできる、何も対策しないよりは補助金が通りやすくなる(断言はできませんが)書き方をお教えしたいと思います。ぜひ試してみてください。
ダメ1…自己分析ができていない
例えばダイエットで、自分の体重・体脂肪等などを知らないでダイエットをしようとする人がいたら、バカだと思いますよね?(そういうやりかたがあればすみません…)
自己分析・現状認識をしっかりしないで、将来の戦略や、設備投資計画を立てようとするのであれば、上記のダイエットの例と同じ状況に陥っているといわざるを得ません。
でも、意外と多いです。自己分析をしっかりしないで計画を立てちゃうの。現状把握ができていない企業に、補助金をたやすくくれてやるくらい、国は甘くありません。たぶん。
自己分析とは、ベタなところでいうと、SWOT分析、3C分析などいろいろありますが、個人的には、
①外部環境
②内部環境
③自社の特長(強み)
④自社の課題(弱み)
を軸に考えれば充分だと思っています。
これらを検討することで、あたかも自社の現在の体重、体脂肪などが明らかになります。現状を把握してこそ、目標設定の妥当性が見いだせるというものです。
現状がわからないと、目標が高いのか低いのか、実現可能なのか無理っぽいのかも判断できません。
カイジを読んだことのある方は、バスケットのゴールの例を思い出すことでしょう。あれです。
まして、経営という目に見えないものを相手にするとき、「ゴールが適当な高さ」にあるのかすら、相当わかりづらいです。その尺度になるのが、現状どうなっているのか、です。
※ただし、現状に固執して、現状の延長線上での計画になってしまうのはおすすめしません。あくまで現状分析は、目標との距離がどのくらいなのかを図る程度でよいと思います。
目標は、将来の「あるべき姿から逆算」してつくるべきです。
ダメ2…「できたらいいな」程度の目標設定
これは事業計画をつくる動機が弱い場合に陥りがちです。例えば、補助金を通すために計画をつくるとか、銀行に計画作れといわれたから計画をつくるとか、あるいは会計事務所のいいなりになって目標を決めたとか、そんな感じです。
目標にコミットメントがないので、内容も薄く、中途半端な実行になってしまい、目標は未達、なんてケースが多いのも特徴です。
当然、内容が薄ければ、補助金の審査でも点数はあまり稼げません。
あと、意外と注意したほうがいいのが、「書かされてる感」がある計画です。社長みずからの意思、展望などが語られていない。それこそ、補助金コンサルや会計事務所のいいなりでできた計画は、補助金・借り入れは通ったはいいが、そのあとは悲惨です。
※心あるコンサル・会計事務所はそんなことしない、と思うでしょう?残念ながら、悪意はないとしても、社長の意欲や意図を汲み取れずに計画を仕上げちゃう人のほうが多いでしょうね。
補助金や借り入れでこれをやっちゃうと、ただの金のムダ使いになります(補助金は自己負担があるし、借り入れは、設備投資そのもののムダ、支払利息のムダです)。そのうえ、金の無駄遣いだけじゃあなく、時間の無駄にもなります(申請の時間、中途半端に実行する時間のムダ)。
なので、目標にコミットメントがない場合、金の時間と時間のムダを防ぐ意味でも、補助金とか融資とかの申込みをしないほうが良い、とさえ思っています。
じゃあ、内容の濃い・薄いはどう見分けるのか?それは、
①経営者の意思や思いが計画に反映されているのか
(文章全般はさることながら、経営理念・数字・アクションプランなど)
②計画が実行可能なものになっているか
(以下で詳述)
がポイントかと思っています。
ダメ3…計画遂行の具体性がない
計画は新規性があるし、センスも良い。社会性もある。でもダメな計画を見ることがあります。
それは、目標を立てたはいいが、実行に移せない、あるいは実行の具体策(アクションプラン)が抽象的な計画です(具体策が抽象的って意味わかんないですが、結構あります)。
言い換えると、「企画倒れ」や「絵に描いた餅」のたぐいです。
当然ながら、計画は実行が伴ってはじめて実現します。計画を立てても、アクションプランを実行しなければ、計画・目標は達成できません。あたり前すぎるのですが、計画やビジネスモデルそのものに満足(?)して、アクションプランがおそろかになっている例はけっこう多いです。
すてきな目標をつくったのにも関わらず、アクションプランが曖昧だったり、精神論でしか説明していないことが、ままあります。
「とにかくやり抜く」、「不退転の決意で臨む」のたぐいは、心情的には共感しますが、決してアクションプランではありません。
アクションプランは5W1Hなどを意識して。誰が、いつ、何をもって達成なのか。
あと、計画が寸分の狂いもなく進むことは絶対にない(上振れ、下振れは必ずある)ので、定期的に、計画に対する検証・軌道修正の場面をつくることがマジで大切です。
また、目標と関係ないアクションプランを立てるのも、あるあるなので、要注意です。
例えば、設備投資を通して生産量を〇〇%上昇させる目標を立てたのに、アクションプランは〇〇費を削減するためにどうのこうの、とか。そのアクションプラン自体悪いとは言いませんが、アクションプランは、目標達成のためにより重要な項目に絞るべきです。絞らずにあれこれ並べると、優先順位がわからなくなって、実行しない原因をつくってしまいます。
あと、補助金申請の文章でも、アクションプランが多すぎるのは、内容がぼやけるのでやめといたほうがいいでしょう。
裏技(すみません、「裏技」は盛ってます)
①「公募要項」をみましょう。
(例として、現在募集中の「もの補助」のリンクを以下に貼ります)
②「審査項目・審査内容」等書いてあるページを探してください。
(例では19ページめ)
③「審査項目」に書いてあることを質問だと思って、それに回答するように順番にもれなく書いていきましょう。
(例では、技術面①〜④、事業化面①〜④といった具合)
④これだけだと、機械的な文章で面白みがないので、会社の戦略、理念など、ストーリーを付け加えていきます。多少章立てをアレンジしてもいいでしょう。「ダメな計画」の要素は必ずつぶしてください。
⑤審査する(見る)のは人です。この記事のように、ほぼ文章だけだと、見る人も集中力が続きません。うざくならない程度に、写真や図、表などを盛り込みましょう。
参考文献
また、文献ではないですが、過去の記事にも似たようなことが書いてあるので、よかったら参照してください。
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