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余白を持つことはすごく大事

 どうも!ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は、『余白』をテーマにお話したいと思います。余白って大事ですよね、というお話です。

 私の総合型地域スポーツクラブの仕事は、『余白だらけ』という状態からの始まりました。設立2年目になるクラブにクラブマネジャーとしてジョインしたはいいものの、既に私以外にマネジャーがいたころもあり、マネジメントをするコンテンツが不足している状態だったんです。最初の1か月ほどは、「やらなければいけないこと」というのはほとんどなく、でも持続可能なクラブにする為には事業を拡大する必要性はあったので、その足りていない部分は全て余白でした。

 その余白を私は、自身が指導者となってコンテンツを作っていくことで埋めていきました。テニス部門を立ち上げ、コーディネーショントレーニングのクラスを立ち上げ、学習コンテンツを作り、時にはかけっこの指導も引き受けたりして。不定期の活動としても、個別指導や地域の保育園への巡回指導、講演なども積極的に入れて、余白をどんどん埋めていったんですね。

 さらに、設立当時から数年は教育委員会(行政)にある程度頼っていた窓口業務を、完全にクラブスタッフで行うようにすると、「事務所にいなければいけない時間」が増えました。これはその後、クラブハウスの運営が始まるとさらに増えた時間です。これで大幅に余白は減ることになり、私の余白はどんどんなくなっていきました。

 毎日指導があり、処理しなければならない事務仕事が増えると、自分の動作がルーティン化していきます。考えずともこなせるようになっていきます。これはつまり、余白がほとんどないということを意味していたと思います。イベントを企画する余裕がなくなり、自分が指導していない活動のことを考える余裕がどんどんなくなっていくのを感じていました。

 もちろんそれは分かっていたことなので、私は前のクラブでは、スタッフはおろか、会員にさえ「私はずっとコーチはやりません。機会があればどんどん他のコーチに指導の仕事は渡していって、私はまた新しいことをやります」と言ってきました。実際に、ジョインした年に立ち上げたテニスの大人のクラスの指導は、2年ほどやった後は他のコーチに引き継ぎましたし、指導者がいないサークルも、立ち上げて1年ほどで会員さん達に完全に任せる形にしました。
 でも、子どもの指導は減らせませんでした。シンプルに私がその仕事を気に入っていたからです(笑) 本当は手放した方がいいと知りながら、抱え続けてきた仕事が子供の指導なんですね。組織的には、上杉は指導ではなく新規事業を作るところとか基盤を整える所に時間とパワーを使った方がいいというのは分かっていたのですが、やめたくありませんでした。

 その分と言ってはなんですが、『余白』を作る努力はしてきたつもりです。余白がなくなると新しいことを考えられなくなることは感じていましたから、何とか子どもの指導を減らす以外に、余白を作ろうとしました。

 それはきっと一般的にも言えることだろうと思うので、ここからは『余白の作り方』について順番にお話したいと思います。

①活動時間を増やす

 最初がこれかよという感じですが、誰でもできる打ち手がこれだと思います。活動時間を増やす。例えば、早く出勤する。残業する。あるいは、起きる時間を早める。寝る時間を遅くする。こういうことをして、自分が1日の内で活動している時間を増やすということですね。使える時間を増やして活動量を変えなければ、余白は生まれますよね。「余白が欲しいな」と思ったら自分次第ですぐにできることです。
 それまで違うことをしていた時間を、活動時間に充てるということです。体調管理にはお気をつけください。

 体調にも良い活動時間の増やし方としておススメなのは、『移動時間を減らす』です。これは超絶お勧めしたい方法ですね。例えば職場の近くにする。往復2時間かけて出勤していた人が、近くに住んで往復10分の移動時間いできれば、毎日1時間50分の余白が生まれるんです。これはもの凄いインパクトですよね。できることがもの凄く増えます。

 さらに総合型地域スポーツクラブの場合は、現場への移動時間の削減も考えたいポイントですね。一番いいのはクラブハウスのような事務所機能をもった拠点を活動場所の近くにもつこと。事務所と活動場所が隣り合っていたり、同じ施設内にあるとベスト。これによって移動時間を大幅に減らすことができ、その分活動時間(余白)を作ることができます。
 ただ、クラブハウスを持つと言うことは相当にハードルが高いので、実現が難しいのも事実。現実的には、『なるべく活動場所をまとめる』という打ち手になるのかなと思います。例えば、月曜日はA会場で活動をまとめる。火曜日はB会場で活動をまとめる。といったように。あるいは、A会場は田中さん、B会場は鈴木さんというように、担当者で分けるというのもそれぞれの移動時間の削減になりますよね。

②効率化

 2番目も、得意不得意はあると思いますが、誰にでもできることです。それが効率化

 活動時間は増やした。もうこれ以上は寝る時間も削れない。そうなったら次は、作業効率を上げて、作業にかかる時間を短くします。それまで1時間かけていた作業が30分でできるようになれば、30分の余白が生まれるからです。

 効率化はわりと私が得意な分野です。私はとにかく仕事が早いで評判でした。

(※その分きっと質が低い

 効率化のポイントはいくつかあると思っています。まず一つは自動化。役割分担などを決めた人的なシステムにしろ、プログラミング的なシステムにしろ、いずれにしても自分が何か一つの動作をしたら、それをきっかけに自動的に作業の工程が進んでいくようなシステムを構築しておくことですね。自分の作業は最初のワンタッチだけ。あとは自動で作業が完了するイメージ。
 自動で作業が完了するシステムとかいうと大げさに聞こえるかもしれませんが、仮にその作業を結局は全部自分がやるとしても別に構わないんです。人的な資源がなければそういうことだって十分考えられます。それでも、やることが決まっているという状態は、絶対に作業を効率化してくれます。考えなくてもできるからですね。時間にも脳みそにも余白を作ることができるんです。例えばToDoリストを予め作って目の付くところに貼っておくというのも私は自動化の一つだと思っています。そこを見ればすぐに今日やるべきことが分かるから、「今日は何をしなければならないんだっけ?」という思考をスキップすることができ、自動的に作業を始めることができるからです。とにかく余計な思考をなくす。それも自動化の大事な狙い。もちろん、本当に自分がやる作業が最初のワンタッチだけにできたら最高です。

 効率化のポイント2つ目は、習慣化です。私がめたくそ得意な分野です。例えば、会計。伝票の入力作業を1か月分を月末にまとめてやる場合と、1週間分を週末にまとめてやる場合と、1日分を毎日やる場合、どれが一番効率的かというと、断然毎日やる場合だと思っています。まず、毎日やることで作業に慣れていきます。慣れるということは考えずにできるようになるということです。別に伝票処理に思考を使いたいわけではありませんから、そこはとにかく脳みその余白ができるにこしたことはありません。これが月末にまとめてやる場合だと、毎月毎月”素人状態”で作業をすることになり、いつまで経っても思考が必要になります。考えながらやらなければならない状態ですね。作業が遅くて時間も使っちゃうし、脳みそも使っちゃいます。さらに伝票の場合だと、時間が経ったものは、「あれ?これ何だっけ?どの科目で処理すればいいんだ?」とかなって作業が止まったりもします。
 報告資料の作成なども習慣化しておくといい作業ですね。例えば事業報告に必要な数字の集計とか。総会の前に1年分の数字を入力すると、これも流行り一年に一度しかやらない”素人状態”での作業になってしまい、時間も脳みそも使ってしまう。これを、毎日やるということにしておけば、考えずにできるようになります。あるいは、フォーマットを作って自動化しておけば、わざわざ自分がやる必要すらなくなります。ここをサボると、「一年に一回の作業だから、自分でやるか」と、自分の貴重な時間とパワーを使いたくなっちゃうんです。その結果、余白はなくなる。これは避けたいところです。

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③人に任せる

 最後は、『人に任せる』です。これは立場にもよるので、「それはできない」という人もいるかと思います。例えば新卒で入社したばかりの人が、「人に任せる」ということは最初はできないかもしれませんが、だんだんと頼るべき人とか、仕事を振るべき人みたいなのができてきたら、絶対にやった方がいいことですね。

 組織としては要するに、業務が遂行できればいいわけです。それを、自分がやろうが、佐々木さんがやろうが、正直どうでもいいわけですね。成果が同じなら。

 ところが、自分にはできて佐々木さんにはできない業務というのも絶対にあるわけですね。もし佐々木さんよりも自分の方が立場が上なら、そういう業務はたくさんあるはずです。例えばAという業務では、自分も佐々木さんも同じ成果を出すが、Bという業務では自分の方が佐々木さんよりも高い成果を出す場合、Aという業務を佐々木さんにやらせて、自分はBという業務をやった方がいいですよね。
 人に任せるというのはそういうことです。その仕事を誰がやるのが一番いいのか。それを判断して、自分以外に任せた方がいいものはちゃんと任せるということですね。”余白を持つという業務”を、誰が担当するのが一番いいのか。その余白を組織の為に効果的に使えるのは、社長とアルバイト一体どっちかという話です。

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 ということで今回は、『余白』をテーマにお話しました。パーキンソンの法則とも関係しますが、人間は余白を埋めたがる習性があるのだそうです。だからダラダラ仕事したり、余計な仕事を増やしたりしてしまう。でも、組織をマネジメントするような立場の人に余白がないと、新しいことはできないし、それこそ組織の課題に気づけなくなったりします。全員に余白が必要かどうかは置いておいて、マネジメントをするような立場の人には、余白はとても大事だと思います。もし今、余白がない状態だと思うなら、絶対に作っておいた方がいいと思います。でも私は、それが例え組織運営上あまり効果的ではないと思う業務も、自分がやりたいと思ったらやります(笑) そういうのもやったうえで、余白を持てばいいと思っています。誰かの何かの参考になれば幸いです。
今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5