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総合型地域スポーツクラブマネジャーのはたらきかた

 どうも!ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は、『総合型地域スポーツクラブマネジャーのはたらきかた』というテーマでお話したいと思います。一口に総合型地域スポーツクラブマネジャーと言っても、クラブの規模や事業内容で働き方は大きく異なると思いますので、たかぎスポーツクラブとふじみスポーツクラブという2つのクラブでの実例を紹介する形でお話していきたいと思います。

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 まずはたかぎスポーツクラブでのはたらきかたがどのようだったかをお話してみたいと思います。その前に、たかぎスポーツクラブの環境の説明からしないと伝えることは難しいですね。

 たかぎスポーツクラブの特徴的な環境は、

・クラブハウスがあり、その中に事務所がある
・クラブハウス内やそのすぐ近くに活動場所となる公共施設がたくさんある
・行政のバックアップが非常に強い(元々が行政主導クラブ)
・常勤(社会保険適用)の職員が4~5名いた
・予算の都合上、事務所窓口業務はワンオペ(一人シフト)

といったところでしょうか。このあたりの情報を前提に読んでいただけるといいのかなと思います。

 まず大体の一日の動きからご説明します。平日と土日祝日でちょっと違うので、分けて書いてみますね。

【とある平日のクラブマネジャーの動き】
9:30   クラブハウスに出勤
    清掃など、準備
10:00 営業開始
    デスクワーク(事業進捗チェック・新規事業企画・広報など)
   打ち合わせ(会員、指導者、行政など)
   窓口業務(入会申込、公共施設予約、クラブハウス利用者対応など)
13:00 一時帰宅し、昼休憩(事務スタッフとシフト交代)
15:30 指導準備・移動
16:00 園児クラスの指導
17:30 小学生クラスの指導
19:00 デスクワーク(夜は必ず現金チェック)
19:30 帰宅(夜シフトの事務員と交代)
【とある日曜日のクラブマネジャーの動き】
7:30   クラブハウスに出勤
    清掃など、準備
8:00 中学生クラスの指導
9:30 小学生クラスの指導
11:00 小学生クラスの指導
12:30 クラブハウスで昼休憩(ワンオペしながら休憩の時も多い)
13:30 デスクワーク・打ち合わせ・窓口業務
   他の活動の対応(名簿や施設の鍵の受け渡しなど)
17:00 帰宅(夜シフトの事務員と交代)

 働き方としては、デスクワークもあれば、体を動かす指導もあり、一人で黙々とやる作業もあれば、人と話す機会もあり、ユーティリティプレイヤーの私としては非常に合っているなと思いましたし、健康的だと思います。

 ただ、事務所のワンオペだけはあまりよくないですね。そもそもトイレに行くのも少し気を使うし、窓口対応中に電話がかかってきても出られず少し焦るし、事務員が体調不良などで欠勤すれば必ず代わりのスタッフを見つけなければならない。

 しかも私は全体を統括する立場だったので、事務のシフトには極力入らないようにして、自由に動けていました。一日の労働時間が3~4時間しかないという日だってザラでした。それでも、その分他の日に8時間以上働くんですけどね(^^;)

 定休日という点で言うと、多くのサラリーマンのように週に2日間丸々休みというのはありませんでした。私の場合は木曜日を定休日にして、水曜日と金曜日をそれぞれ半休にして週休2日としていました。が、半休の日の休みの時間は、打ち合わせや依頼された仕事をやる時間に充てることが多く、水曜と金曜が休みという感覚はまったくありませんでしたね。

 ただ、じゃあ週休2日ないのが不満だったかというとそんなことは全くなく、休みなんて1日あれば十分と思っていました。むしろ、毎週2日も連続で休みがあっても、正直持て余してしまう気がします(笑) 連休なんて、たまに旅行に行く時にでもとれれば十分で、回復の意味合いの休日は週に1日あればいいです。

 回復は大事ですよね。長く働き続けるためには、一番大切と言ってもいい要素かもしれません。でも回復で大事なのは、たくさん休むことではないと思いますね。まず大事なのは、疲れすぎないことだと思っています。朝から晩まで働いた次の日は、どうしても疲れが残る。そこまでいった疲れは、なかなか取れなくなる。だからこそ、まずは翌日に残ってしまうほど疲れないようにするのが大事だと思います。
 昼休憩をしっかりとる。ご飯をしっかり食べる。健全なメンタルで働く。労働時間を自分でコントロールする。これらがとても大事。

 健全なメンタルと労働時間のコントロールで大事なのは、主体性かなと思います。私は総合型地域スポーツクラブを仕事にする前は、大手教育系出版会社で編集者などをしていましたが、疲れる仕事は何だったかというと、人に振り回される仕事でした。上司や外部スタッフの顔色を伺いながらやる仕事とか、本当はやりたくないと思いながらも上司からの命令でやる仕事とか。自分が主体的に取り組めていなかった仕事をしている時は、健全なメンタルも作れなかったし、労働時間も自分でコントロールできていませんでした。その結果、疲れて、疲れた結果、作業効率が落ちて、その結果、さらに労働時間を増やして、そしてまた疲れて・・・、という負のスパイラルに陥ったことも何度かあります。

 そういう点では、総合型地域スポーツクラブのマネジャーとしては、全て私の意思で仕事をしていましたし、クラブ全体のかじ取りをしている意識があったので全ての行動を主体的にとっていました。だから例え休憩がとれなかったり、長時間労働になる日があっても、そんなには疲れないんですね。主体性の有無というのはすごい大きな差を生み出すと思います。

 ただ逆に、孤独を感じることもたくさんありました。経営者は孤独という話を何度か聞いたことがありますが、総合型地域スポーツクラブのマネジャーも同じです。特にたかぎスポーツクラブでの私は、経営の責任を負ってやっていましたから、その他のスタッフとはやはり見ているところが少し違ったりして、課題意識を共通化できなかったり、クラブに対して捧げている時間やパワーに差ができたりと、多少なりとも孤独を感じることがありました。これは責任をもって主体的に働けることとのトレードオフとも言えるのかもしれませんね。逆に、自分を管理する人がいれば、孤独は感じないでしょうが、余計なストレスみたいなものも生まれると思うので、どちらがいいかと言われれば、私は自由に主体的に、自分の責任で働けた方が楽しいです(笑)

 これが、クラブ設立7年くらいで会員数565名、年間参加者数1万7千人、予算規模2000万円、クラブハウスありのクラブのマネジャーのはたきかたです。

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 続いて、ふじみスポーツクラブでのはたらきかたをご紹介します。ふじみスポーツクラブの労働環境的な特徴は、

・スタッフは代表理事の私1人
 ※他に非常勤・無報酬の理事が2名、外部指導者が1名
・事務所や倉庫は自宅
・PCやプリンター、車なども家のものを使用
・クラブの活動場所は市内外に点在(荷物もあるから車での移動が必要)
・行政支援は今のところ一切なし
・クラブの収入を作る為に、全ての上杉の活動をふじみスポーツクラブの事業(受託含む)として行っている

といったところです。これがゼロベースで立ち上げた総合型地域スポーツクラブの設立3か月のリアルです。

 ふじみスポーツクラブの場合も、まずは一日の動きの例をお見せしたいと思います。平日と土日祝日で違うというよりは、曜日によって全然違うというのが現状ですが、あくまでもイメージしていただく用に分かりやすくしてお見せしますね。

【とある日のクラブマネジャーの動き①】
5:30 総合型地域スポーツクラブに関する記事投稿(当マガジン)
9:00 営業・広報活動
   ※現在はポスティングやSNS発信などの会員募集活動がメイン
12:00 昼休憩
13:00 デスクワーク(ホームページ更新、新規事業企画、用具の準備、会費袋作成などの雑務、など)
   窓口業務(体験者や入会者の対応)
   指導準備
15:00 指導準備・移動
16:00 園児クラス指導
17:00 移動・準備
18:30 小学生クラス指導
20:00 帰宅
22:00 眠くなるまでデスクワーク(会計処理、受託している事務系仕事やアドバイザー業務など)
【とある日のクラブマネジャーの動き②】
5:30 総合型地域スポーツクラブに関する記事投稿(当マガジン)
9:00 営業・広報活動
   ※現在はポスティングやSNS発信などの会員募集活動がメイン
11:30 昼休憩
12:30 取引先クラブへ移動
13:30 取引先クラブでデスクワーク(活動施設の確保、スケジュールの確認、新規事業企画、クラブ代表の悩み?を聞く(笑)、など)
17:00 指導準備・移動
17:30 小学生クラス指導
19:30 帰宅
22:00 眠くなるまでデスクワーク

 ふじみスポーツクラブの場合は、自主事業がまだ少ないので、外部クラブでお仕事させていただいている時間が半分くらいあるというのが現状の特徴です。また、まだまだ新しい活動を何度もトライ&エラーしている状況なので、何かと『準備』にかかる時間が多いです。用具を揃えたり、指導案を考えたり。このあたりは、ルーティン化されるまではどうしても時間を要するところですね。

 そして何といっても営業活動が必要というところも、ふじみスポーツクラブならではかもしれません。普通の企業からすると営業活動なんて当たり前だと思いますが、行政支援を受けている総合型地域スポーツクラブの場合、営業活動なんてしたことないというクラブも多いと思うんですね。たかぎスポーツクラブの場合、営業活動なんてほとんどありませんでした。たまに、イベントのスポンサーを探すくらいでした。行政が持っている広報の仕組み(住民や学校への文書配布や広報誌など)を利用させてもらえたので、自分で汗をかく営業活動というのは必要なかったんですね。

 あと細かい話でいくと、眠気との闘いというのもリアルな問題としては存在しています。これは自宅を職場としている人には分かるかもしれませんが、夜に家で仕事をしようとすると、どうしても眠気に負けてしまうことが結構あります。それこそ、30分くらい寝落ちなんてことはしょっちゅうです。これは外に事務所がある場合との大きな違いだと思います。

 健全なメンタルという点では、最初の1か月はちょっと不安定な部分もあったように振り返れるのですが、今は安定してきました。というのも、やはり事業や会員がゼロという状態は、不安以外の何物でもなかったんです。本当にクラブを作り上げていけるのかという不安ですね。ところが、まだまだ会員数20名程度の規模ではありますが、ちょっとずつ会員が入ってきて、しかも指導の面ではこれまで通りの手応えを感じることができているので、続けていけば確実に成長していけると思えるようになりました。

 今はしっかり木曜日を定休日(原稿執筆や突発的・一時的な仕事以外は家族と過ごす)にして、心身のケアもしています。

 主体性という面では、スタッフが事実上私1人という状態なので、主体的にやる以外にはあり得ません(笑) 寂しいので早くスタッフを雇える組織に育て上げたいと思っています。

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 ということで今回は、『総合型地域スポーツクラブマネジャーのはたらきかた』というテーマでお話しました。たぶんクラブによって全然違うはたらきかたがあると思うので、あくまでも一例として捉えてください。誰かの何かの参考になれば幸いです。
今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

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