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やめる人間の役割

 総合型地域スポーツクラブ マネジャーの上杉健太(@kenta_u2)です。現在は、長野県喬木村(人口6000人)を拠点とする一般社団法人たかぎスポーツクラブ(会員550,事業規模2000万円)でマネジャーとして働いていて、2021年1月からは埼玉県富士見市で新たなクラブの立ち上げに挑戦します。

 今日は、現在働いているたかぎスポーツクラブのお話です。シンプルに悩みを書いてみたいと思います。もしこれからクラブをやめようと思っているかたがいるなら、もしかしたら参考になるかもしれません。同じような思いをすることになるかもしれないぞ、と(笑)

 私の悩みはズバリ、『やめる人間の役割』です。私は、たかぎスポーツクラブにおいては“やめる人間”です。私がマネジメントをしている組織なら、やめる人間に依存した仕事をとにかくゼロにしにいきます。要するに、やめるその人間がいなくなっても困らない状態にするということです。私ならそうするということが分かっているので、私は、年度に入る前に退職の意向を伝え、クラブが私をゆっくり排除していけるように多くの準備期間を設けました(笑) そしてその間に、私がやってきたマネジメント業務の全てを洗い出し、マニュアル化しました。いつでも引き継げる準備をしたということです。この作業は正直、かなりつまらなく、大変でした。コロナによる活動休止(休業)期間がなければやり遂げられなかったかもしれません(笑)
 通常の規模の会社の場合、退職の際には、前任者から引き継いだ業務を後任者に引き継ぐという形になると思うので、引き継げ資料はすでにあったりすると思いますが、たかぎスポーツクラブの場合は、全てほぼゼロから作り上げてきたものなので、引継ぎ資料なんてない。そもそも明文化されていない業務だって、いっぱいあるという状態でした。それを全てリスト化・マニュアル化したのですが、これがたかぎスポーツクラブをやめる私に果たせる大きな役割でした。次の人にバトンを渡すだけでなく、受け取った人がまた渡せるように、”バトンそのもの”を作り上げる作業でした。

 もう一つのやめる人間の役割が、『通常業務を行う』です。やめるまではそこのスタッフですから、その組織の為に全力で働かなければいけません。引き継ぎのことを考えながらも、業務を行わなければその人にスタッフとしての価値はありません。実はこれが私の今でも抱える最大の悩みです。どう全力を出すのが組織の為になるのか、と。いなくなる人間に重要な仕事は当然任せられないのが普通。でも、組織には貢献しなければならない。でもやりすぎると組織の為にならない・・・。そのモヤモヤの中で2020年度はずっともがいていました(笑)
 これまでの私の通常業務を誤解を恐れずに言うと、”クラブ経営の全て”でした。(全部を私一人でやっていたという意味ではありませんよ!)
事業計画と予算を立てて、スタッフの皆さんと常にお話しながら実行し、進捗をチェックし、毎月の色々な支払をして、会計処理をして、毎月の税金を納め、社会保険などの手続きなどをして、日々の指導をして、会員募集のパンフレットを作って、ホームページを更新して・・・。

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5