総合型地域スポーツクラブを仕事にする理由

　どうも！ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

　今日は、『総合型地域スポーツクラブを仕事にする理由』というテーマでお話したいと思います。総合型地域スポーツクラブに限らず、全ての職業の人が一度立ち返って考えてみると面白いな～と思いながらお話します。

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　私が総合型地域スポーツクラブを趣味活動としてではなく、仕事としてやりたい理由は主に２つあります。

　1つ目は、『なるべく多くの時間を割きたいから』です。私は20代後半の時、人生のかなり多くの時間を仕事に使っているのだなという当たり前のことに気が付いて、仕事とやりたいことを切り分けてワークライフバランスを保つことで幸せになろうとすることに限界があると思いました。限界があるというか、そのやり方で得られる幸せは結構小さいのではないかと思ったんですね。

　1日でみるなら、寝ている時間を8時間として、ご飯を食べている時間を2時間として、その他の家事やただの移動を2時間とすると、1日24時間の内、自由に使える時間は12時間。この12時間の内、仕事に10時間くらい使うとすると、趣味活動などに使える1日の時間はたったの2時間。1日の12分の1しかありません。

　週休2日で仕事をしたとして、休日の2日間の自由時間を全て趣味活動に使っても1週間で趣味活動に充てられる時間は34時間。一方、仕事に使う時間は50時間。

　もし「仕事はお金を得るためだけの手段」と考えて、残りの趣味に充てられる時間だけで幸せになろうとすると、ある意味では週の50時間を捨てて34時間だけで幸せになるという勝負に挑まなければならないことになるんですね。

　しかも平凡な私は、30歳に近づいて仕事量が増えてくると、いとも簡単に趣味時間を削って会社にいる日を増やしてしまった。週の34時間すらも確保できない私が人生の最大幸福を得ようとするなら、仕事で幸せになるしかないと思いました。

　そこで、その時一番幸福感を持っていた活動、好きな仲間と一緒にスポーツをするという活動を仕事にしようと思ったんです。それを突き詰めた結果、「私がやりたいのは総合型地域スポーツクラブだ」と分かったんですね。30歳の時でした。

　人生のなるべく多くの時間を総合型地域スポーツクラブで活動している時間に使って幸せになろうというのが、私が総合型地域スポーツクラブを仕事にする1つ目の理由です。

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　2つ目の理由は、『クラブの持続可能性を高める為』です。

　仕事をどう定義するかにもよるのですが、この場合の仕事には、『生活費を得るための手段』という意味が含まれているとお考え下さい。生活費を得るための仕事って、そう簡単にはやめられないですよね？私は総合型地域スポーツクラブをそういう存在にもっていきたいと思っています。

　「人のため」とか、「良い社会を作る為」とか、そういうレイヤーとは1枚違ったレイヤーで、「生活がかかっているからやめられない」という、総合型地域スポーツクラブを続けていく必然性（理由）を持っておきたいんです。

　私は自分のことは好きですが、同時に自分のことをかなり疑っています。いい加減な男だし、油断ならない男です。いつ気が変わって今やっていることを投げ出すか分かったもんじゃない。そんな男に”いつでもやめられるもの”、”いつやめてもいいもの”を任せておくなんて、気が気じゃない。リスクしかない。そんな男には、「お前は総合型地域スポーツクラブの仕事だけをしろ。これで食っていけ」と縛りを設けておいた方がいいんです。それで生活費を稼がなければならないとなれば、必死でクラブを成長させようとするし、投げ出せなくなります。

　これがクラブの持続可能性を高めることになると思ってやっています。

　さらにもう一つ、後継者の話を忘れてはいけません。少なくとも上杉はいつか死にます。もしクラブの寿命を上杉の寿命以上にしようとするならば、後継者の存在は必須です。

　後継者を見つけて育てようとする時に、ボランティアでやることを求める場合と、報酬を受け取って仕事としてやることを求める場合、どちらの方が優秀な後継者が見つかり、育てられるか。

　これはやっぱり仕事してやる方だと思うんですね。もちろんボランティア活動をやっている人は優秀な人な訳ですが、先ほど申し上げた通り、別に仕事をしている人な訳ですから、ボランティア活動に使える時間が少ない。いくら優秀な能力を持っていても、それを使う時間が少ないと結局は貢献できる度合いは小さくなります。

　それに、優秀な人は大きなお金の動くところに集まるという原則も忘れてはいけません。それが現実だと思います。なので、クラブが発展し続けていこうとするなら、クラブの為に働く人材に、報酬を渡し続けなければならない。それがクラブの持続可能性を高める。

　これが、私が総合型地域スポーツクラブを仕事としてやることの2つ目の理由です。後継者が簡単に集まるような環境を作れれば、私はいつでも「もう俺やーめた」という気まぐれを起こすことができます。私がきまぐれでやめることと、クラブが消滅することを切り離すことができるんです。

（※余談ですが、私は大学の卒論で、『地域スポーツクラブにおけるリーダー交代と後継者育成における研究』というテーマを扱いました。リーダーのリタイヤがクラブの消滅に直結している現状を課題にしたものです。その解決方法の一つとして、『仕事としてやる』を採用して取り組んでいるという感じですね）

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　好きなことを仕事にするということを避けた方がいいという人もいるでしょう。それは人それぞれだと思いますし、尊重できる考え方です。

　ただそれだと好きなことに使える人生の時間は限られるということは、絶対に知った上で選択した方がいいですよね。費やした時間の分だけチャンスが巡ってくると考えるなら、限られた時間で幸せになろうとするのは、実は結構難しいことをやろうとしていることになりますから。

　私は平凡な人間なので、なるべく多くの時間を使って幸せになろうとしています。

　あともう一つだけ、私が総合型地域スポーツクラブを仕事にして感じるようになった面白い変化をお伝えすると、『お金が好きになる』ということです。

　私はあり難いことにたくさんの給料をいただいていたサラリーマン時代は、本当にお金に無頓着でした。もらうことにも、使うことにも、あまり興味がなかったように思います。仕事の成果と給料の額面を意識することもなく、そこに一切の興味を示していなかったと思います。

　しかし総合型地域スポーツクラブを仕事としてやってもらうお金はそうではありませんでした。それはもう、喜びそのものでした。自分の頑張りが、そのままお金に映っているように思えるんですね。人が羨むような金額ではないけど、それでも自分の行動の結果として報酬を増やすことができたりすると、本当に嬉しいんですね。これはさらに仕事を頑張るモチベーションに確実になる。これは社会運営においてかなり大事なことだなと思うようになりました。

　私の場合は、資産運用も始めました。総合型地域スポーツクラブを仕事として始めて、サラリーマン時代から年収がガクンと下がると、生活の為に色々と設計し直さなければいけなかったからです。ほんのちょっとですがおお金の勉強をして、金を意図的に動かすようになりました。すると、お金に働かせることができることに気が付くわけですね。自分が休んでいる時間も、お金を使って社会貢献できるし、自分にもリターンがある。貯金とか生命保険とか、”贅沢な”資金運用はすべてやめて、応援したい会社の株を持ったり、運用効率のいいインデックス投資などをしたりするようにしました。これは本当にもっと若い時からやっておくべきだったなと思いますね。お金の教育って絶対に義務教育から導入した方がいいです。

　資産運用の話は好きなことを仕事にしたことと直結した話ではありませんが、好きなことを仕事にして収入が下がっても、それはそれで面白い発見があるよということですね。

　あと、好きなことを仕事にすると、それがやがて嫌いになってしまうのではないかという心配もあろうかと思いますが、私の場合はそれは全然ないですね。相変わらずスポーツはめちゃくちゃ楽しいです！特に総合型地域スポーツクラブの場合、色々なスポーツに触れるチャンスがあるので、本当に楽しいですよ。すごい贅沢な仕事だと思います。

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　ということで今回は、『総合型地域スポーツクラブを仕事にする理由』というテーマでお話しました。何か思い切ったチャレンジをしようとしている人の参考になれば幸いです。
今回もお読みいただきありがとうございました！
ではまた！