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総合型地域スポーツクラブの人材育成

 どうも!上杉健太です。
 埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表をやったり、スポーツ推進審議会委員をやったりしながら、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動しています。最近ハマッているアニメは『マッシュル-MASHLE-』です。

 さて今日は、『総合型地域スポーツクラブの人材育成』というテーマでお話したいと思います。


 僕は今、総合型地域スポーツクラブのマネジメントを仕事にしてちょうど10年が経とうとしてる時点に立っています。正直、よく10年やれたものだと自分でも感心する部分もあれば、生涯スポーツ社会の実現という大きな目標のことを考えればまだまだ”たった10年だ”と思う部分もあるような、自分でもよく分からない心境にあります。思春期みたいですね。

 仮に総合型地域スポーツクラブの仕事を10年間やれたことが立派なことだとして、じゃあなぜ僕がこれをやれているかというと、一つ絶対的な答えを僕は持っています。それは、大学卒業後すぐに入社させてもらった株式会社ベネッセコーポレーションで育ててもらったことです。7年間働かせていただいたのですが、あの期間がなかったら僕はこの仕事をここまでやれなかったと思います。それこそ僕は至って普通の平凡な大学生だったので、社会人になってすぐに総合型地域スポーツクラブの仕事をしていたところで、絶対に何もできなかったと確信をもって言えます。だって若い頃の僕は、会社や世の中の文句ばかり言っていたんです。それを受け止めてくれる寛大さが社会や会社にあったから僕は生きてくれたけど、総合型地域スポーツクラブにそんな奴がいても邪魔なだけです。僕ならすぐにクビにして追い出します。

 まがりなりにも法人の代表をしている今なら、本当に経営者のことを尊敬できます。それこそ大企業の創業者や経営者なんて、リスペクト以外のなにもありません。文句ばかり言っていた20代だった自分を説教してやりたいです。恥ずかしい。それくらいに僕はベネッセコーポレーションには感謝をしているし、大企業の能力の高さをリスペクトしています。


 大企業には人を育てる力があるんです。僕が社会人1年目の時には、1か月以上の研修期間があり、1年間は先輩社員が教育担当として付いてくださり、すごく丁寧に育てていただきました。その後も自分のレベルに合った仕事をどんどんやらせていただき、安心・安全・安定の環境下で本当に色々な経験を積ませていただいたんです。当時はその有難さに気が付くことができませんでしたが、今では本当に感謝しています。この経験は、いきなり総合型地域スポーツクラブで働き始めてしまったらできません。恐らくほとんどの総合型地域スポーツクラブで、余剰人員を雇う余裕はありませんから、育成の為に何かをするということはできません。求めているのは即戦力で、すぐに現場を回せたり、お金を生み出せたりする人材です。
 そもそも、人を育てるには総合型地域スポーツクラブに必要な人材像とか、クラブマネジメントの確立されたノウハウなどが絶対的に必要になりますが、たぶんそれすらも確定できていないクラブがほとんど。正直、行き当たりばったりです。たまたまいい人材と巡り合えたら事業を拡大するが、そうでなければ簡単に事業の一つや二人つあっけなく潰れてしまうような状況だったりします。(※コーチがやめちゃうので活動廃止にします、みたいな) そんな状況では、なかなか人を育てることはできません。

 僕が7年間会社員をやって良かったと思うのはここです。会社員時代にビジネススキルを身に付け、様々なツールを使いこなせるようになり、経験を積ませてもらったことで、総合型地域スポーツクラブの仕事を始めた時に即戦力として結果を出すことができました。
 ・・・と、こんなことを書くと一部の総合型地域スポーツクラブからは「うちは人材育成に力を入れている!」と怒られるかもしれませんが、残念ながら総合型地域スポーツクラブのそれは、大企業のそれとはレベルが違うと思います。もうリソース(人・モノ・カネ)の規模が違い過ぎるんですから。そこはたぶんまったく勝負にならないです。もちろん、総合型地域スポーツクラブでしかできない育成方法や、総合型地域スポーツクラブでしかできない経験はあります。でも、一般的なスキルを身に付けるには、さすがに大企業には勝てないでしょう。(※もちろん大企業で過ごすことのデメリットもある。安定志向になりやすいとか、経営者思考が養われないとか)

 優秀な人は大企業で教育される必要性はもちろんないと思います。でも僕みたいに平凡で普通な学生生活を送ってきた人は、まずは大企業など、整った会社組織に入ってスキルを身に付けたり、経験を積んで、ついでに資産形成もしておいて、安心・安全に挑戦できる(失敗しても死なない)環境が整ってからやりたいことに挑戦するのがいいのかなと僕は思います。また、もしも会社員の立場を残したままできる挑戦なら、副業として始めてみるのも僕はいいと思います。(※僕はそれができる人間ではないと思ったから、退路を断って新しいことをやるスタイルにしていますが)


 では総合型地域スポーツクラブは人材育成をあきらめるのか。僕はそうは思っていません。ビジネススキルに関して言えば、総合型地域スポーツクラブが最適だとは思わないということです。例えば学生が学生の内に経験を積む場としては、総合型地域スポーツクラブはちょうどいいかもしれません。失礼な言い方になるかもしれませんが、大学生くらいでも活躍できるクラブはたくさんあると思いますから、充実感を得ながら経験を積むことができる可能性が高いです。大企業のインターンは、どこかお客様扱いまたはただのアルバイト扱いになるので、あまり本気になる感じではなかったりします。(※たぶん会社による) 総合型地域スポーツクラブは、猫の手も借りたいところが多いと思うので、かなり重宝されると思いますから。そうすれば学生側も本気で取り組めるでしょう。

 なので、もしも将来的に総合型地域スポーツクラブのマネジメント(経営)がやりたいと思う高校生くらいの若者がいるなら、

  1. 高校又は大学時代に、総合型地域スポーツクラブで働いてみる

  2. 大企業など、安定した会社組織に入社して会社員になってスキルを身に付け、経験を積む

  3. 総合型地域スポーツクラブで働き始める

というステップを踏むと無難かなと思います。少なくとも僕は、会社員というステップを踏んで良かったなと思っています。


 というわけで今日は、『総合型地域スポーツクラブの人材育成』というテーマでお話しました。とか言いながら、もしもパラレルワールドに会社員にならずにいきなり総合型地域スポーツクラブの仕事を始めた僕がいるとしたら、「俺は会社員にならずにいきなり総合型地域スポーツクラブの仕事を始めて正解だった!」とか言っていそうなので、あまりアテにしないでください(笑)

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

#会社員でよかったこと

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5