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【旅行準備②】インドビザを取得する

「インドへの旅はビザを取るところから始まる」と言われているらしい。

あまりのめんどくささから、WEB上ではうさんくさい取得代行業者が跋扈しているし、申請サイトに巧妙に偽装したガチの詐欺サイトまで横行している始末。数々の魑魅魍魎を潜り抜けねば、インドには入国すらできないというわけだ。

まずややこしいことに、インドのビザは3種類ある。
①レギュラービザ
②eビザ
③アライバルビザ
一番ラクなのは、間違いなく②だろう。オンラインで申請できて、72時間以内に発行できるという優れもの。
出発までに間に合わなかった時のために、現地発行の③も悪くない。対象は日本と韓国、アラブ首長国連邦だけらしいので、日本人のメリットを活かすのもいい。
そう、「世界一めんどくさいビザ」と言われたのも今は昔。悪名高いのはレギュラービザだけで、②や③を活用すれば、昔ほどハードルは高くないのかもしれない。

僕も当然②で取得するつもりだった。
しかし、3日以内に発行されるんならまだ余裕っしょ!とズルズル先延ばしにしてしまったのがよくない。出国の2週間前、腰を据えてeビザの申請フォームに向き合ったとき、気づいてしまった。

これ、陸路からの入国できないんじゃね?


僕の予定では、ネパールから陸路でインドに入国するつもりだった。しかし、そもそもインドは空路からの入国が前提となっていて、わざわざ陸路で入ろうなんてやつはよほどの物好きか狂人のどちらかだろうと思われている(気がする)ので、ビザも空港でないと発行できない仕組みになっているのだ。

というわけで、狂人の僕は結局レギュラービザの取得を余儀なくされた。
なのでここから先の情報は、主にレギュラービザに関するハウツーだけです。空路の人は別のサイトを参考にして普通にeビザ取得してください。ごめんね。

まずは第一関門として、クソめんどくさいオンライン申請がある。

オンラインフォーム

これの何が面倒かって、
・当たり前だけどフォームも入力もすべて英語
・永遠に続くかのように思われる入力項目
・入力漏れがあってもガンガン進めるが、あとで間違いに気づいた場合は最初からやり直し
家族情報から最終学歴、宗教まで入力項目は多岐にわたる。その情報、ほんまに全部いるんか?これに関しては偉大なる先人が攻略法をまとめてくださっているので、必ず参考にするように。

これをクリアすると申請書が手に入るので、次のステージ「各種書類の準備」に進む。必要な書類は以下の通り。
◎パスポート
◎ビザ用の写真1枚
◎ビザ申請書(オンライン申請で作成したものを印刷したもの)
◎ビザ申請料(東京2250円、大阪1250円)
◎インドを入出国する航空券(e-チケット)のコピー
◎免許証のコピーまたは住民票(大阪のみ)
◎返送用封筒と切手(大阪のみ)

ここで厄介なのが「ビザ用の写真」である。
なにせ5×5cmという特殊サイズ(証明写真機では対応不可)なうえ、頭から顎まで何センチ以内に、ということまで決まっている。この判定がガチで厳しいらしく、これが原因で申請却下となった人も多いと聞く。
しかし、このためにわざわざ高い金払ってカメラ屋使うのも嫌だったので、僕は普通にスマホで撮影してピクチャンというWEBサービスを利用した。(白の壁をバックに撮ったのだが、背景はオフホワイトすら許されないとのことだったので、フォトショを使い背景を切り抜いた。これくらいの作業なら代替アプリもたくさんあると思う)

まあこの辺のやり方も先人(というか聖人)が編んだ虎の巻があるので、これさえ読めばあとはもう何もいらない。

ちなみに「インドを入出国する航空券(e-チケット)のコピー」だが、先述したように僕はりくろーおじさんならぬ陸路おじさんなのでガン無視していた。書類を送った後で調べたら、そのためにわざわざキャンセル可の航空券を予約したりする猛者も確認され、すわその手があったかなどと頭を抱えたものの、結果として無事申請は通っていたのであまり重要ではないのかも。

さて、書類一式を無事送付できたとはいえ、すでに出国まで2週間を切っている。猶予はあまりない。
レギュラービザの発行日数についてはなぜか情報が錯綜しており、やれ受理から3営業日だの時期によっては1ヶ月必要だのと、検索しても明確な回答は得られなかった*。まあ最悪空路に切り替えてeビザ申請でもよかったのだが、なにせパスポートが人質に取られているのだ。このままでは出国すらできない。

やれえらいことになったぞと、仕事の合間をみて領事館に電話をかけまくるのだが、結局一度もつながらなかった。マジでなんでだよ。
出国10日前、しびれを切らした僕は、昼休みを利用して大阪領事館に向かうことにした。職場からは徒歩約15分。これは都会の真ん中で働いているものだけが可能なムーヴで、この時ばかりは自分の職場環境に感謝した。

大阪のインド領事館はビルこそ立派なものの、受付はそのワンフロアのこぢんまりとした一室にあった。受付スタッフはインド人(当然日本語はペラペラ)で、中で待っていた利用者3、4名もおそらく全員彼の国の方々。
そのため室内は聞き慣れない言語が飛び交っており、すでに“闘い”がはじまっている感がハンパなかった。ここは手ぶらでは帰れねえ。差し違えてでも、大事なパスポートだけは連れて帰らねば。

そんな悲壮な覚悟が伝わるはずもなく、受付の男性(『RRR』のラーマ似)にビザの状況を尋ねても最初は「はて?そんなもの届いてませんが…」みたいなリアクションだったのだが、少し待つと僕が送った返送用封筒を片手になぜかドヤ顔のラーマの姿が!

「これから送るつもりだった」と宿題やっていないことを責められた小学生の言い訳みたいなことを言われたが、とりあえずこの時点で目的の半分は達成したようなものなので無問題。で、肝心の申請はどうなったのか尋ねると、(封筒を)開けてみろという。
震える手で封筒を開けると、中には見慣れた一冊のパスポート。開いてみると、なんとそこには鮮やかに輝く、刷られたばかりのビザの姿が!
あまりの嬉しさに、ついクソでか声で「センキューソーマッチ!!!!!」とラーマに申し伝え、微笑む彼に見送られながら僕はインド領事館を後にした。

「インドへの旅はビザを取るところから始まる」のであれば、なんとか旅のスタート地点には立てた。
申請しては何度も跳ね返されたというビザ浪人たちの記録を見る限り、一発合格の自分はなかなか優秀なのではなかろうか。確かな自信とともに、僕は旅への期待を膨らませるのであった。

次はバックパッカーに欠かせない大事なお守り、海外旅行保険についてお話しします。

一人旅だが、すでにこの面持ちである

※追記「地球の歩き方インド 2024-25年版」によると、通常3営業日(大阪は5営業日)とのこと。しかも処理状況はオンライン申請のページで確認できるらしい。それもっと早くに知りたかった!

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