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お酒とタバコで神経衰弱した上司


おっす!わし、健斗っちゅんだげど...。
今回は「お酒とタバコで神経衰弱した上司のお陰」というテーマで話す。


過去正社員を6年してた。
2年目から5年目まで勤めた職場での話。
上司の中では若めの50代前半の男性がいた。


仕事が分からなくて困ってる時に優しく教えてくれたり、上司の食欲がわかない時におにぎりをくれたり、色々とお世話になった。


6年勤めて退職したあと派遣社員を3年。
正社員の時に勤めてた職場の課長からきた連絡。


上司が亡くなった...。


50代前半という若さで心身を病んで空の上に帰った。
お世話になったからこそなんとも言えない気持ち。
そんな上司をみて気が付いたことを話す。


動きが鈍くて同僚から叱責される毎日


いつも近所の社宅から始業時間ギリギリに出社。
イスを深めに倒して脚を組んで座る。
サングラスをかけていて、葉巻タバコが似合いそうな雰囲気。
GHQ最高司令官のマッカーサー元帥ばりの佇まい。

何をするときも基本0.5倍速で鈍い。
仕事の準備は周りの人がほとんど終わらせる。
車で出発待ちをしてる中、身支度を終えた上司が参上。


現場は常に時間との戦いで緊迫。
そんな状況で動きが遅くて、怒鳴られたり仕事を横取りされる。
よくケンカになってそれをなだめようとする周り。
動けないから放って置かれて、作業のほとんどを周りが負担。
何も任せられないから、近くでポケットに手を突っ込んで仁王立ち。
せめてやる気くらいみせろ!って不満を垂れる人。


移動も遅いしいつも気持ち悪そうで度々鳴咽する。
夜勤で現場監督をしても作業をみてるのか分からない。
明後日の方向をみてタバコを吸う。
そんなもんだから、協力会社の作業員も察して丁度よくしてくれる。


一緒に夜勤で出た時に結構びっくりしたのが、爆睡してたこと。
現場で作業をみてて、上司の様子を確認したらどこにもいない。
探し回った結果、いつからか分からないけど車の助手席で寝てた。
色々想うものはあったけどとりあえず安心。


内業の時なんかは、係長や課長がいる中で首を倒して爆睡。
半日寝てる時もある。
お偉いさんが来る時も寝そうな雰囲気で、さすがに周りも援護射撃。
構いたくないけど、構わないといけない位職場での過ごし方が目に余る。


それだけじゃなくてお酒とタバコの依存症。
近寄るとお酒の甘い匂いと、タバコの煙たい臭いがかほってくる。
片方ずつ臭ったり混ざり合って妙な臭い。
内臓がどれほど悪いのか心配になるレベル。


周りも距離をとったり必要以上に気を遣う。
仕事に集中したいのに刺激臭で考え事が飛んでいく。
割と期限が迫ってる時なんかは焦りもあって手につかない。
かと言って話すのも気まずいし、話したところでどうもならない状況。
病院で薬をもらったり、胃カメラを飲んだりしてるけど本人も諦めてる。
現場の行き帰りで車を運転してる時なんかは、車内に臭いが充満。
周りも窓を開けたり鼻を摘んでしのごうとする。


仕事も任せられないから座席と喫煙所の往復で1日が終わる。
周りもあきらめつつさすがにみてられなくて怒鳴り散らす。
それに対して反発していつもケンカになる。


自分ももちろんイライラすることはあった。
もうちょっと何とかならないのかって葛藤もあ
けど、それよりもなんでこの状況になってるのか気になって仕方ない。


お酒とタバコで気持ちを奮い立たせる


職場はシフト制で土日祝日は2.3人だけ出勤。
係長と上司と自分の3人が出番だった時のこと。
席を外してる上司の机を通りかかった係長に呼ばれる。


行ってみるとそこにはA4のペラ紙が置いてた。
60歳が定年でその後は、エルダースタッフOBとして働ける。
その面談に向けて書いた履歴書的なヤ~ツ。
家族構成の欄に奥さんと娘さんの名前。
職業のところに「無職」って書いてた。
個人情報だからみていいものではないけど、係長と一緒にみちゃった。
それをきっかけにこれまでの上司の背景を察してしまう。


毎日の様に叱責されて大変だったと想う。
本当は本人も自分の不甲斐なさは感じてる。
でも、お酒とタバコでボロボロにした身体が想う様に動かない。
周りに迷惑をかけてるのは自覚しつつ、背負ってもらうしかない諦め。


みんな自分の身を守るだけで精一杯な中で現実は厳しい。
自分の体調だけならまだしも、家族のことにもかなり気を揉んでそう。


働きたくないだろうけど、働かないと奥さんと娘さんのご飯がない。
正社員として会社に勤めてくれたら少しは安心できる。
けど、2人とも以前勤めた会社でトラウマを抱えて働けない。


気持ちは落ち込む、怠惰な選択って分かりながら何かにすがりたくなる。
若い頃からお酒とタバコがやめられなかったことを聴いてた。
それくらいこの会社で働くのがつらくて仕方なかったんだと想う。


結婚して子供ができて一時的に幸せを感じたかもしれない。
けど、50代に突入してからこの状況は本当に大変。
詰んでると言っても過言じゃない。


こんな状態の人を会社に置いておくことに対して非難されがち。
普通ならすぐクビにされてもおかしくない。
だけど、会社側が正社員をやめさせるには相応の責任を負うことになる。
諸々の事情で首の皮一枚繋がってる上司。


ボロボロの身体を、お酒とタバコで奮い立たせて出社してるだけマシ。
甘やかしてる事に違いないけどみんなで支えるしかない。


依存する前に合わない環境からの離脱


みんなそれぞれに事情を抱えていてよく生きてるなって想う。
ほとんどの人が会社員として生かさず殺さずの給料で暮らしを回す。
生活を回すことでいっぱいな上に考えることだけ増えていく。


職場にいる全然タイプの違う人達と協調しながら働かないといけない。
競争なんかさせられたら、足の引っ張り合いにだってなりかねない。
それにストレスを解消したり、心を慰めるには時間もお金がかかる。
フルタイム週5日8時間の週休2日を延々と繰り返さないといけない。


そんなんで身体も心も休まる訳がない。
定年まで働くなんてとてもじゃないけど無理。
たのしむために働くというより、生き延びるために働くキツい作業。


環境が合わなくてうつ病になったり転職を繰り返したり...。
追い詰められて病んでしまうのは正直仕方ないこと。
お金を稼ぐために手段を選ばない人だって山程いて増え続ける。
どうしようもなくて快楽に溺れた結果、社会復帰できない人だっている。
途中で人生を離脱していく人もたくさんいるのが現実。


これは完全な偏見だけど...。
じいちゃんばあちゃんの世代の人達は、まだお金の保証があったはず。
銀行の金利も8%以上の時があって通帳に入れるだけでがっぽり。
とりあえず定年までへこへこしながら耐えれば老後は安心。


今よりもたくさんのしがらみがあって相当気を揉んだとは想う。
けど、生き延びるために堪えないといけなかったとしても救いがあった。


先代の努力のお陰で、いまこれだけ便利な世の中になってることに感謝。


ただ一方で、一定の暮らしをするだけで大変な世の中になった。
もうかっての風習は、変わらない本質を除いて通用しない。
自分で生きていく力を付けられないとどうなるか分からない時代。


これまでは厳しくても脳死で耐えていれば何とかなった。
これからは耐えるほど重荷が増えてより苦しくなる。
続けることより見定めて変化させていくことがカギ。


後々苦しくなるから若い内に遊んでおけ、なんて言うけど通用しない。
どれだけ質のいいものを積み上げられるかにかかってる。
人生はつらいけど決してたのしめない訳じゃない。


身体も心も病む末路をみせてもらった


お酒タバコを始め気分を紛らわす色んなきっかけがある。
どんな環境かどんな人かによって慰め方も様々。
何かがきっかけになって病んでしまう人は結構みてきたつもり。
けど、ここまで追い込まれてる人に出会えたのは貴重な体験。


仕事が分からなくて困ってる時に優しく教えてくれたり。
上司の食欲がわかない時におにぎりをくれたり。
色々とお世話になったからこそ何とも言えない気持ち。


50代前半という若さで空の上に帰ったのが気の毒。
自分達と同じ世代に産まれてればまた違ったと想う。
色々と想うことはあるけど、これも本人の選択だから仕方ない。


いかに心を病まないか、いかに依存しないか考えて対策するのがコツ。


上司と出会えたお陰で味わえた複雑な想いに感謝。


おわり


ここまでみてくれてありがとう!
今回は「お酒とタバコで神経衰弱した上司のお陰」について話した。
この話が「じりつ」を促す転機になると嬉し。


バイバイ!みんな....

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