見出し画像

人を動かす時間の区切り方

アンドゲート田村です。
株式会社アンドゲートというプロジェクト推進会社の代表をやっています。

この記事では「プロジェクトの時間軸」を理解し「時間を区切ることは大切」というお話を書きます。

もしよろしければ「スキ」をお願いします。喜びます!
「スキ」は下の方にある「♡」ですよ。

全ての物事には寿命がある

わざわざ私が言うまでもないですが、物事には「始まり」と「終わり」があります。
「終わり」のない物事はありません。
生命・文化(流行)・太陽系・人間関係でさえも、必ず「終わり」はやってきます。

例えば、車を買う場合
最終的に売るのか廃車にするのかによって購入時の選択肢が変わります。
大抵は「どのように使うか」しか考えずに買ってしまい、売るときに後悔することになります。

IT開発の業界では
「リリースがゴールじゃない、利用・改善で使えるシステムを作るんだ」
と一見意識が高そうな言葉がありますが、実は「どのように使うか」しか考えられていません。

本来のシステム開発であれば「どう廃棄するか」まで想定して設計開発する必要があります。
この想定がないばかりに「とあるサブシステムの寿命に引きずられて、システム全体の更改ができない。」という現象を目の当たりにします。

本来は廃棄まで考えるべきなのに、考えられていないのはなぜか?
それは、作るときにはそんなことを考えても儲からないからです(笑)
(「正しいシステムズエンジニアリングの知識がない」というのもあります)

ライフサイクルは国際的に決められている

少し難しい話しをします。
上記の「始まり」から「終わり」までの一連の流れを「ライフサイクル」と呼びます。
「ライフサイクル」は国際規格 ISO/IEC/IEEE 15288によって定義されています。

引用: SEBok: System Life Cycle Process Models: Vee

引き続き、車の例で例えると下記の通りです。
Exploratory Stage: 移動手段を探索する
Concept Stage: 車を買う構想を決める
Development Stage: 試乗や試算をする
Production Stage: 契約・各種手続きを行う
Utilization Stage: 車を利用する
Support Stage: 車検やメンテナンスを行う
Retirement Stage: 売る もしくは 廃棄する

プロジェクトマネジメントにもライフサイクルがあり
国際規格 ISO 21500 及び PMBOKガイドに下記5つのプロセス群が定義されています。
「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・管理」「終結」

あくまでも「標準」なので個別のプロジェクトに合わせてテーラリングしなければいけませんが、プロジェクトに関するタスクは上記のプロセス群のどこかに当てはまります。

ライフサイクルは重なっている

上記の「ライフサイクル」ですが、1つのライフサイクル上に複数のライフサイクルが存在します。

「プロジェクト期間」を1周としたライフサイクルの中に「ロードマップ」のライフサイクルがあり
「ロードマップ」のライフサイクルの中には1週間の「工程」のライフサイクルがあり
「工程」のライフサイクルの中には1日の「タスク」のライフサイクルが5つあり
「タスク」のライフサイクルの中には「作業」や「打ち合わせ」のライフサイクルがあります。

プロジェクトを推進する技術として、どのライフサイクルの話しをしているか?の意識はとても重要です。

1週間で終わらせる工程では1日目の「1日」と5日目の「1日」ではやることが異なります。
1日目はタスクの全体像を把握して見積を行う段階で、5日目ではタスクが遂行され最終チェックをする段階です。

いつまでも「ロードマップ」や「工程」の話しをしていても「タスク」は進まないので、プロジェクト推進の真髄は「ライフサイクルの細分化」にあると言っても過言ではありません。

鹿威し理論

人は「長すぎる時間」を正しく認識することができず、危機感を感じることができません。

学生時代、夏休みの宿題を最終日に慌てて終わらせていませんでしたか?
休みが1ヶ月半もあると「あとでやれば良いや」という心理が働き
夏休みの最初に計画を立てたとしても、多くの場合は8月に入る頃には破綻しています。

「長すぎる時間」に対しては時間を区切り、区切った時間での成果物を決めてプレッシャーが生まれる仕掛けが必要です。

プロジェクト推進において、週1回の定例会は「時間を区切る」機能によってプレッシャーを与える効果があります。
本来の目的である、情報共有や議論も重要ですが「明日は定例会だからタスクを終わらせておくか」という心理が働くことが一番の狙いです。

これを「鹿威し理論」と呼んでいます。

最後まで読んだ方!是非「スキ」をお願いします。喜びます!

Twitterもやっています!
↓フォローをお願いします↓
https://twitter.com/tmkn_jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?