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日本から四季が消える日

K.S.R.C ResearchReport FileNo.010020
オリジナル公開日 1999/11/3 報告  報告者:KS
1999/11/16 追加報告  報告者:KS

<2022/7/3報告>
 日本には春と夏の間に梅雨と呼ばれる時期があるのは皆さん御存知の通りであるが、今年2022年の梅雨は過去最短の14日間しかなく、6月には梅雨が開けてしまったのである。
平年の梅雨の期間は約1.5ヶ月程度なのでその三分の一しかなかったということになる。

梅雨が短かった原因は、ラニーニャと偏西風によるものだ。

ラニーニャとは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象を指す。
太平洋赤道域では貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、通常、暖かい海水は西側のインドネシア付近に吹き寄せられる一方、東側の南米沖では海の深い所から冷たい海水がわき上がっている。ただ、何らかの原因で東風が強まると、西側の暖かい海水が厚く蓄積するとともに東側にわき上がる冷たい海水の勢いが強まり、南米沖の海面水温が通常より低くなる。

 ラニーニャの影響により太平洋高気圧が押し上げら日本列島に張りだす形になり、さらに今年の偏西風は平年よりも北側を蛇行しているため、太平洋高気圧が北に張りだす形となって、梅雨前線を早く押し上げる要因となったと考えられる。

 また、梅雨明け後からの日中の最高気温も軒並み30度を超え、40度以上を観測するところも出てきている。

数年前から感覚的に多くの日本人が感じてきていることだが、日本の四季が過去とは様相を変えているのは明らかだ。

そう、極端に言えば夏と冬しかなくなってきているのだ。

当サイトではそのことを20年以上前から警告していたのだが、当時のリサーチを以下に掲載する。


 1999年10月30日、東京の最高気温が25℃を越えた。1999年の10月は軒並み、最高気温が20℃を越えていた。

それだけではない。大雨が降ることが多くなったとは思わないだろうか。
台風が来るたび、低気圧が来るたびに河川が氾濫し、被害が出ている。

これは一体どういう事か。

 ここ50年で、世界の平均気温は約0.5℃上昇した。
日本に限ると、約0.8℃、東京に限っては約1.2℃上昇している。
今の関東の気候は昔の関西の気候だ。今の東北の気候は昔の関東の気候となっている。

 東京の気温の上昇は、ヒートアイランド現象によってもたらされたものだ。
昼間、人が生活していく上で発生した熱(エアコン等によるもの)は、本来ならば夜になれば冷めるものである。しかし、この熱が冷めずに留まってしまい、更なる熱の発生を促し、気温が上昇する現象がヒートアイランド現象だ。
 熱が冷めないのは、コンクリート、アスファルト等で固められた都会ではそれ自体が熱を吸収し、冷めにくいためである。土の地面が多くあり、植物も多くあるような場所ではこのような現象は発生しない。
都市部での熱量の高い部分がまるで、海に浮かぶ島のように見えることから、熱の島・ヒートアイランド現象と呼ばれている。

 このまま気温の上昇が進むと、日本から四季が無くなってしまうだろう。
日本に残るのは、夏と冬の2つの季節だけになってしまうかもしれない。
もしかしたら、乾季と雨季の2つになるかもしれない。
12月に台風が上陸することもあるかもしれないのだ。


<追加報告>

危惧していた事が現実になる日は近いようだ。

 気象庁は11月14日、フィリピンの東の太平洋上にあった弱い熱帯低気圧が台風22号に変わった、と発表した。 同庁の観測によると、中心の気圧は996ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートルで、中心から半径280キロ以内では、風速15メートル以上の強い風が吹いている。台風は、時速約20キロのスピードで北へ進んでいるという。

11月中旬での台風発生の事実は、12月台風上陸の日がそう遠くない日に起こりうることの証明ではないだろうか。

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