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初めての第四の審判員

先日、またお誘いをいただいてジュニアユースのクラブチームの選手権大会の審判をしてきました。今回は、第四の審判員(以下、「4審」という。)を初めて担当しました。

4審のやるべきこととして、MCMの際に主審から依頼された対応は以下でした。あくまで今回の審判団での分担ということであって、4審の担務が普遍的にそうだというわけではないと思いますが、参考に記載します。

4審のToDo

  • 試合報告紙の記入(試合後に両監督サインもらって主審に提出。特に両監督のサインは消えないようにボールペンを使用。記入者である4審の所属と署名の記載欄がありますが、3〜4級審判員の所属は都道府県サッカー協会、2級以上は関東等の広域になるとのこと。)

  • ベンチコントロール(レフェリングに対して両チームのベンチ(監督、コーチ、選手)が興奮していたら落ち着かせる。もし警告や退場の対象となるべき暴言等の行為があれば、アウトオブプレーの際に主審を呼んで報告。カードは主審が判断してジャッジを下す。)

  • スコアリング(得点者の背番号・選手名・得点時間。とりあえず手元の審判手帳に番号と時間を控えておき、ハーフタイム・試合終了時に報告紙に転記・清書。警告や退場、その他特筆すべき事項があればそれらも記録。試合報告書や選手交代カードを挟んでおくバインダーは必須。監督にサインしてもらうためのボールペンも必要。)

  • 選手交代管理(交代カードを受け取り、交代選手の選手登録や用具をチェック。交代ボード使って退出する選手の番号を主審に見えるように掲示。交代ボードを使うのはマストではなく、一度に交代者が複数人いる等で忙しい時はボード使わず口頭で主審に伝えるのでも構わないが、入退場する選手の背番号を主審が把握し記録できるように伝える。交代のタイミングは試合の状況を見ながら、副審とも連携してアウトオブプレーで主審に声を掛ける。退場する選手がピッチから外に出て、主審がGOサイン出すまでは交代選手をピッチに入れない。)

  • 予備ボールの投入(試合球がピッチ外の遠くに飛んでいき、取ってくるのに時間がかかる場合、主審のサインをもらってから予備ボールを投げ入れる。ボールパーソン等に取りに行ってもらった試合球を回収する。)

  • アディショナルタイムの表示(主審と予めサインを決めておき、終了2〜3分前にアディショナルタイムが何分かを確認。例えば、1分ならボードの任意の位置に1本だけ、2分なら2本だけ、線を入れて主審から見えるように控えめに示し、OKなら主審がグッドサインを掲示。主審の考える時間と違った場合は、主審が手で正しい時間をジェスチャーして4審に示す。ランニングタイム(飲水タイムやファール等の中断時にも時計を止めない)で前半/後半の試合時間経過時に交代ボードを使って会場と両ベンチに示す。)

  • 負傷者のケア等(適宜。今回は本部に担架の用意はなかった。)

このように、想像したよりもやるべきことが多く、選手交代と得点シーンとか警告・退場対象のファール、アディショナルタイムが被ると非常に厄介でした。テンパらないように、その時々でとりあえずメモすることを忘れないようにしましょう。
実際に、両チームから数名の選手交代と得点シーンが重なった際に、得点者と得点時間を控えるのを忘れてしまいました。得点者は思い出せても時間はその時に時計を見ていないと分からなくなるので、選手交代を急ぐあまりに焦らずに、まずは得点者と得点時間を手元に控えるようにしましょう。なお、両チーム、何番がどのポジションにいるかを開始直後に一通りチェックしておくと、得点者の背番号を記録する際の不安が軽減されますし、手元に控えるまで記憶に留める際の定着度も上がります。特に、遠目には見えにくい配色の背番号のユニを着ている場合により効果があると思います。

また、給水タイムの時に手元でストップウォッチを止めていたのに、その間に選手交代の手続をしていたら、その後計測を再開するのを暫く忘れてしまい、おかげでアディショナルタイムは主審の指示に頼るほかありませんでした。押し忘れは繰り返し意識するしかないですが、最低限、4審に時計2つは必須です。一つはランニングタイムを計測し、もう一つは主審のジェスチャーに合わせてストップ(今回の主審は割と大袈裟に時計を指差して、時計の針を止めることを両チームの選手やベンチに説明してくれていました)。ただ、選手交代を準備している時など、必ずしも主審の動向をフォローできていないため、多少ずれは生じます。

アディショナルタイムのカウントもそれ以外も含めて、試合から目が離せません。今回、少し目を離した隙にファールや選手の負傷があって、その後に本部担当の方から何があったのかと聞かれましたが、答えられませんでした。特に負傷退場など対応が必要な場合には迅速な対応が必要になるため、常に試合に注目しながら手元の書類の処理や交代ボードの準備等をすることを心がけます。

今回の試合は、幸いにも主審のゲームコントロールが非常に上手く、ジャッジに対する両ベンチからの抗議の声出しはほとんどありませんでした。ただ、荒れる試合もあると思うので、試合開始時に4審から両ベンチに一言、「よろしくお願いします」といった声掛けをしておくだけでも、その後の声掛けがしやすいかもしれないと思いました。なお、審判とは関係ありませんが、今回の試合を通じて、ベンチ入りしている監督やコーチからのピッチ内への指示の声は、反面教師にすべきものも含めて、非常に勉強になりました。

より良い審判ができるように、これからも実践経験を積んでいきたいです。

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