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【2024改定版】 昭和世代の洋楽カラオケ講座! 第4回 トーキング・ヘッズ「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」

映画で流れる! お店で歌える! トーキング・ヘッズ全カラオケ楽曲リスト

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ついに2024年「ストップ・メイキング・センス」4Kリストアでリバイバルされましたね! ぼくもIMAXで見に行った! 迫力あったね〜。
ついでに「アメリカンユートピア」も再上映されたし! てわけで。

映画「ストップ・メイキング・センス」(1985)と「アメリカン・ユートピア」(2021)に出てくる曲の中で、カラオケに入ってるやつ。DAMとJOYSOUNDどっちに入ってるか、上の表で、一目瞭然です。

「ストップ」の冒頭を飾るヘッズのデビュー曲「サイコ・キラー」は、DAMとJOY両方入ってますね。映画ではアコースティック弾き語りバージョンだけど、カラオケのほうはバンドアレンジのほうです。

しかし「ストップ」のクライマックス部分「ガールフレンド・イズ・ベター」「テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー」はJOYしか入ってません!

でも「ストップ」で、その前に演奏されるトム・トム・クラブ悪魔のラブソング」は、DAMのほうだけなんです。あのマライア・キャリーにも1995年ごろに、ネタに使われたことでも有名な曲ですね。つい最近LATTOという若手のぽっちゃり女子ラッパーもトラックに使ってた。

しかし、このカラオケ、掛け合い部分の歌詞テロップが少し省略されてるんだよね。映画には出ないけど、もうひとつの大ヒット曲「おしゃべり魔女」(オケは両方に入ってる)のほうも、もっとテロップ省略されてる。

できれば歌詞サイトにある正確なラップをプリントアウトして、練習に持っていきたいね〜。

「おしゃべり魔女」
https://genius.com/Tom-tom-club-wordy-rappinghood-lyrics
「悪魔のラブソング」
https://genius.com/Tom-tom-club-genius-of-love-lyrics

「アメリカン」のエンディングに盛り上がる「ロード・オブ・ノーウエア」は、両方入ってるように見えますが、これはどっちも注意が必要で、まずDAMのほうは最新機種にしか入ってない。(このへん連載のゼロ回を参照ください)リストのDAMの列で、色が濃いものほど、古い機種で歌える。薄いほど最新になってます。わかるかな?

一方、JOYのほうはヘンなカテゴリ分けになっています。曲名のカタカナ表記は「ロード・オブ・ノーホエア」になってる。いや、最初のレコード盤の邦題はこっちのカナ表記で正しいんだった。

アーティスト表記は他の曲がTALKINGHEADSなのに、これだけTALKING HEADSと、半角スペースが入ってるんです。別のアーティスト扱いになってるし、web検索に引っかからない。お店でリモコンで探すしかないのです。がんばって!

半角スペースなし
半角スペースあり

ちなみに「アメリカン」全19曲のうち、トーキング・ヘッズ時代の曲は8曲。そのうち「ストップ」でも演奏されてたのは4曲。うちカラオケになってるのは2曲だけ。

その、どちらの映画でも、35年の時を超えて同じように盛り上がりポイントになってる「ワンス・イン・ア・ライフタイム」と「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」は、DAMとJOY両方に入ってて、よかったですね〜。

ちなみに! DAMの「ワンス」は、歌詞テロップが色変わりしないんです。あの歌の流れに合わせるやつ。だから自分で間を測らないといけないので大変。。しかも歌詞も省略されてるし。この曲は歌うならJOYのほうじゃないとダメです!

どっちの曲がカラオケ向きかというと〜、やっぱり「バーニング」のほうかな? 曲調も派手だし、わかりやすい。トム・ジョーンズがカーディガンズとコラボして、カバーされたこともあるから、バーン知らない人も聴いたことあるかもな。

できれば大勢で歌いたい!(数人でも! 2人でも。。)

てことで、詳しくオケ解説します。いや、ひとりでもなんとか歌える歌ではあるんですが。カラオケは誰かと一緒だと楽しさ倍増だよね〜。決して大人数で盛り上がらなくても、二人だけでも、音楽の趣味が違う人同士でも、何かが起こる感じするよね〜。

このカラオケ自体の魅力についてはまた別の機会にあらためて書きますが、トーキング・ヘッズを知ってる同士、映画を見たことある人同士(めったにいないw)で、一緒に歌えたら最高ですね。

で、ロックバンドの曲って、ビートルズやクイーンみたいなコーラスが売り物のバンドじゃなくても、荒々しいパンクバンドやメタルとかでも意外と、リードボーカル以外の楽器持ったメンバーが細かくコーラスつけてるんだよね。これはカラオケでやってみると再確認できる。

カラオケでも、何人もいたら、できればみんなで歌いたいし、ただユニゾン(合わせて一緒に)ではなく、フレーズの掛け合いで、ばっちりタイミング合ったら、うれしいものなんだよ〜。

「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」は、割と簡単に、このうれしさをつかめるタイプの曲だと思うんで、なんとか他にメンバー見つけて、掛け合いにチャレンジしてほしい! 映画で見ても、メンバー全員、お客も一緒に楽しそうに歌ってたもんね。

以下に歌詞を載せて、リードじゃない人に歌ってほしいとこを【】に、しときますね。ひとりでも歌える曲ではあるけどさ!

"Burning Down The House"

【 Watch out, 】you might get what you're after
【 Cool babies,  】strange but not a stranger
I'm an ordinary guy
【 Burning down the house 】

【 Hold tight 】
Wait 'til the party's over
【 Hold tight 】
We're in for nasty weather
There has got to be a way
【 Burning down the house 】

Here's your ticket pack your bags
Time for jumpin' overboard
The transportation is here

Close enough but not too far,
Maybe you know where you are
Fightin' fire with fire

【 All wet,  】hey, you might need a raincoat
【 Shakedown,  】dreams walking in broad daylight
Three hundred sixty five degrees
【 Burning down the house 】

It was once upon a place,
Sometimes I listen to myself
Gonna come in first place

People on their way to work,
Baby, what did you expect?
Gonna burst into flame

【 Burning down the house 】

【 My house's  】out of the ordinary
【 That's right 】Don't want to hurt nobody
Some things sure can sweep me off my feet
【 Burning down the house 】

No visible means of support
And you have not seen nothin' yet
Everything's stuck together
And I don't know what you expect
Staring into the TV set
Fighting fire with fire

【 Burning down the house! 】

これ、ほんとにむつかしくないよね?
ミドルテンポで、歌詞もハッキリしてて、早口になるパートも特にないし。
独特のバーン節というべきヘンな抑揚も、歌ってるうち、いくら大げさにやってもハズれないこつがつかめてくるよ。 オリジナルPV。

で、カラオケはレコードバージョンなので、エンディングはフェードアウトなんだけど、ここは、最後にもう1回全員で、映画(ライブ)のように「バーニング・ダウン・ザ・ハウス!」を合唱して締めたいとこですね。

印象的なパーカッションのフレーズのとこも、カラオケ屋に貸し出しのボンゴとかあれば、なければ自分のヒザを叩いて、ノリノリで行きたいですね!

しかし「ウチが火事だ!」つって、みんなで歌って盛り上がるとかおかしいね! まあ、日本のバンドも「美術館に火をつけろ」とか「ダイナマイトに火をつけろ 」つって盛り上がるのもヘンだよな。

では、あらためて2本の映画についての説明。

トーキング・ヘッズは70年代後半にニューヨークパンク/ニューウエイブの流れから出てきた4人組のバンドで、当初はリーダーのデヴィッド・バーンが神経質な歌声を響かせ、演奏も不安感をかきたてるような先鋭的サウンドでしたが、徐々にダイナミックなアフリカンビートを導入したダンサブルなステージとなり、ライブのサポートメンバーも増えて大所帯になっていきました。

バーン抜きで、ベースのティナとドラムのクリスの夫婦が結成したスピンオフ・ユニットのトム・トム・クラブも、ヘッズ以上にレコードが売れたりして。

そうこうした絶頂期に、そのステージをまるごと撮影した映画が、1985年に公開された「ストップ・メイキング・センス」でした。

「羊たちの沈黙」などの作品で知られるジョナサン・デミ監督が撮りましたが、特に映画的な演出や編集、付け足しの画面効果もなく、インタビューもなく、ただライブを最初から最後まで見せるだけ、という構成というか構成でもない、ところがかえって画期的、という狙いが当たって大ヒット。

その後のトーキング・ヘッズは、さらにカントリー調のまったりした曲など、音楽性の幅を広げて多くのヒット曲を出しましたが、バーンさんのソロ活動が増え、90年代には解散状態に。

バーンさんは、ソロアルバムや映画のサントラなど、音楽のみならず、著作の出版、アート方面などでも様々な活動を続けましたが、2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」を元にしたツアーでは、数多くのトーキング・ヘッズのナンバーもプレイされました。ベテランにありがちな、年月を経て年を取ってくると、またソロでも、若い時代にバンドでやってた曲に戻ってしまうという。

円熟味を増したバーンの歌声と衰えを知らぬダンス。演劇の要素を取り入れ、ロックバンドの編成とは違う、独特の演奏メンバーたちによる芸術的なステージ。

これを「ドゥ・ザ・ライト・シング」などの作品で知られるスパイク・リー監督が撮影したのが、今年2021年公開された映画「アメリカン・ユートピア」です。「ストップ」を踏襲したというかリスペクトの感じられる、一切よけいな演出を排した、まるごとのライブ映画です。ただ、デヴィッド・バーンの世界を映し出してる。35年の時を超えても、新鮮に感じるヘッズの楽曲たち。

そして、どちらの映画も、ステージそのままとはいえ、映画のカメラならではのアングル、ポジション、演者の表情を的確に捉えるセンス、というのはさすがなところです。スクリーンで見る価値がある。「アメリカン」のヒットによって「ストップ」もリバイバルして評価も高まりましたね。

この2作品が、これからまたネット配信やテレビ放映されると、一般の洋楽ファンに認知度も高まるので、今のうちにカラオケで歌えるようにしておこう〜。みんなで盛り上がろう〜。


■ ついでに、カラオケに行く前に、最初に読んでほしい基礎編として、第ゼロ回がありますので貼っておきます! カラオケ屋の仕組みが把握できますので、未読の方は必修。


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