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狂言の舞台で見かけぬモノがござる

和ろうてござるか〜

狂言の登場人物はなんであれ
足袋を着けてござることは
一つ前の記事に描いた通りでござる

蟹の精や蚊の精
キノコや木の実の精まで出てくる狂言ではござれども
能舞台では見ぬモノがござる

このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが、もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”の名を借りて皆さまを狂言の世界へご案内するつもりで描いてござる。なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜

それは、わたくし高校二年の春からずっとお世話になっているモノでござる

二十歳頃から丸縁

そう、メガネでござる

それほど近視は強くはござらぬが、乱視もござって
普段は掛けたままの生活をしてござる

さりながら
能舞台では眼鏡を着けて演じられないのでござる

眼鏡のみならず
腕時計や指輪、イヤリングにネックレス等
身にまとう装飾品は総じて外してござる

演じる内容に合わぬモノであることが
大きな理由であろうかと
太郎冠者が眼鏡を着けておっては不自然極まるものかと存じまする

上演中に落下することも避けねばなりませぬ

また舞台に無用の疵を付けぬようにとの配慮もあるかと存ずる

舞台に上がる人の中には極度の近視の方もござるが
コンタクトレンズも着けぬ方もあるそうでござる

わたくしの師匠もずいぶん近視が進んでござるそうなれど
面を着けて出る折(視野が狭く危険)や
舞台で動き回る(舞台の端を見落とすと危険)際に
安全を考えて、コンタクトをする場合もあるそうでござるが、
たいていは裸眼と聴いておりまする

江戸のころには伝来していたらしいメガネではござるが
ひと昔前の室町時代の芝居にはそぐわぬものであったのでござりましょう

お稽古で本舞台を遣わせてもらう場合も
わたくしはメガネを取って上がるようにしてござる
本番と同じ条件(見えにくさ)で確認をしておきたいと思うからでござる

足の運び(歩くこと)で距離を測り
足を掛けて向きを変えるときもその掛け具合を体感し
視野が狭くとも自分の位置を推し量れる玄人のわざを少しでも
体得してまいりたいものでござる

こんにったこの辺りにいたしましょう
またお目に掛かれましたら嬉しゅうござる🤗

この狂言noteはけんすけ福のかみが
大蔵流 茂山千五郎家の狂言を中心に学んだことや思うことを描いてござる

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