見出し画像

脊柱管狭窄症の病態がわかったら次に

こんにちは、PTけんしん です。

今回のテーマは『脊柱管狭窄症』

調べてみると

歩くと足が痺(しび)れてつらいけど座って休むと治る。それは腰椎伸展すると脊柱管が狭くなり神経が圧迫されるから。

と病態が書かれているけど…

痺れると分かっていても
腰椎伸展してしまう原因は?

原因を見つける評価は?

どう介入する?

そこが書いてある記事は少ない
と思ったので書いていきます。

その前にサクッと病態を復習…

ポイントは
腰椎伸展すると脊柱管が狭くなり
神経が圧迫され足が痺れる

というところ。

左:正常 右:脊柱管狭窄症

椎間板ヘルニア、脊椎の骨棘(こつきょく)、
黄色靭帯(おうしょくじんたい)の肥厚で
ただでさえ脊髄・馬尾(ばび)神経が通る
脊柱管が狭くなってるのに
腰椎を伸展せざるおえない状況だと
さらに症状が出てしまう。

だから腰椎過前弯を修正する
のがキーポイント。

腰部脊柱管の前後径14mm以下は必ず症状出現

逆に19mm以上あれば症状なし

そして14~19mmの間は
症状が出る人もいれば出ない人もいる
グレーゾーン。

基本的にはグレーゾーンがリハ適応。

忘れちゃいけないのは
PTができること、できないことが
あるって事。

骨棘を取ったり
厚くなった黄色靭帯を薄くしたりは
できない。

構造上きびしいのに
機能面を追い続けるのは
時間がもったいない。

良い姿勢を求め続けるのではなく
歩行器を使って
体幹屈曲を許してあげた方が
良いパターンもある。

もちろんリハ後
姿勢よく歩ける方もいる。

そして、ここから本題。

① 痺れると分かっていても
腰椎伸展してしまう原因は?

イラストの左側から順に話すと

上部体幹が屈曲して頭部前方突出していると
立位が不安定だから
上部体幹を伸展させたい。

けれど上部体幹がカタイ(伸展制限)
腰椎伸展で代償することに。

そして脊柱管狭窄症の方が
この代償をしてしまうと
神経症状が出てしまう。

次に股関節伸展制限

股関節が屈曲位ということは
骨盤が前傾するということ。

なので腰椎伸展してしまう。

最後に足関節背屈制限

下腿が後方へ傾くということは
膝が伸展します。

すると腰椎伸展の代償がみられる。

これらのせいで
痺れると分かっていても
腰椎伸展してしまうわけです。

②原因を見つける評価は?

・肩甲帯がカタイ
大胸筋、小胸筋、前鋸筋の
緊張が高かったり、短縮傾向だと
肩甲骨が外転して上部体幹が屈曲位へ。

側臥位で肩甲骨が内転するか?
肩甲骨が前傾位から中間位へ戻せるか?
評価すると問題があるか、ないかチェックできる。

・股関節がカタイ
腸腰筋、股関節外旋筋、長内転筋、大腿筋膜張筋がカタイと骨盤前傾して腰椎前弯してしまう。

筋の長さが十分かチェック。

・足関節がカタイ
背屈制限(膝伸展位で10°は欲しい)
がないか?確認。

腓腹筋が短縮していると
膝伸展位での足関節背屈角度が減少します。

どこもカタくないのに
腰椎前弯しているパターンも

それは腰椎伸展拘縮。

PLFテストで確認できます。

PLF(Posterior Lumbar Flexibility)テスト

側臥位、股関節45°屈曲が開始肢位。
上側の股関節を屈曲させるように
大腿が腹部につくように動かしたとき
腰椎が後弯するかチェックする。

評価が終わったら

③ どう介入するのか?

順番としては

可動域制限を除去

腰椎中間位キープできるよう
背臥位で腹横筋ex

立位、ステップ肢位でも
腰椎中間位キープできるよう
運動学習

ステップex、歩行ex中も
腰椎過前弯しないよう練習

まず可動域がなければ
痺れると分かっていても
腰椎伸展してしまって
神経症状が出現してしまう。

なので腰椎前弯してしまう原因を
見つけることが大事。

そして可動域exの方法は
いくつかあるけれど

運動に協力得られるなら
狙った筋の収縮と弛緩を
繰り返す方法が良いと思います。

認知症などの影響で難しい場合、
持続的な伸長(約15秒)や
ダイレクトストレッチが良いかと。

ここまで読んでくれて
ありがとうございます。

なにか1つでも
役に立てたらうれしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?