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【建設若者⑧】女大工Yukaさん。女性としてお母さんとして現場で戦い続ける24歳の覚悟とは。

「覚悟」を決めたきっかけはいつですか?

覚悟というと難しいですが、

◯そろそろちゃんとしないといけないなあ。そんなきっかけがあったのはいつですか?

◯何かのきっかけがあって、人は今までの人生を振り返り、このままではいけない。変わらないと。と覚悟を決めた日がそれぞれあったのではないでしょうか?

建設業界に入り感じたことは、若くして覚悟を決めて仕事をされている方が多いということです。そして、変わるきっかけを聞くと

愛する子供が生まれた時。

多くの方がそう答えてくれました。

ただ、僕が質問した方々は皆さんお父さん達でした。子供が生まれるということは、お母さんもいます。死ぬ気で出産したお母さんも覚悟が決まった瞬間があったのではないかと思います。

そして、19歳にして子供を授かり、現在は大工さんとして建設業界でバリバリ働くスーパーシングルマザーがいます。

それが今回のゲスト↓

24歳で4歳の息子さんを育てながら大工さんとしても働くママさん。辛い顔一つ見せず、誰よりも笑顔で頑張る理由を聞きました。

<聞き手=たてわかくん。(建若図鑑編集長)>

建若図鑑8人目は、女大工Yukaさん。

たてわかくん。:ゆかさんお疲れ様です〜!よろしくお願いします〜!

(*ちなみにゆかさんはニックネームで本名はゆうかさんです。)

Yukaさん:お疲れ様です〜!お久しぶりですね〜!建若図鑑私がのってもいいんですか〜?

たてわかくん。:え、何言ってるんですか!!逆に載ってもらえてめっちゃ嬉しいです…僕と年齢も変わらないのに、こんなに頑張っている女性の方、いませんもん!!!

Yukaさん:そんな皆さんに比べたら全然すごくないですよ〜(泣)

たてわかくん。:子育てだけでもしんどいのに、ほんますごいですよおおおお(泣)なんでそんなに謙虚なんですかああ!(見習わないと。)

Yukaさん:そんなこと言ってもらえると、素直に嬉しいです!

たてわかくん。:いえーい!(女性なので、テンション高めw)建若図鑑も8人目ということで、進めちゃっていきましょうか〜!

Yukaさん:私、8が大好きなので光栄です〜!よろしくお願いします!

ゆかさんを知らない方のためにプロフィール↓

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本名:阿部由佳、平成8年生まれの24歳。高校卒業後、19歳で子供を授かる。子育てをしながら旅行業で事務を1年務めるも、身体に合わず退職。4歳の頃、父の大工姿に憧れていたことをふと思い出し、祖父の代から続く伝統、在来工法を大切にした会社に大工としてジョイン。現在は3代目として日々勉強中。プライベートでは、4歳の息子さんを育てるスーパーシングルマザー。

instagram:Yuka

不登校だった学生時代

たてわかくん。:ほんま改めてですけど、子育てしながら大工さんもしてってまじですごいですよね〜!!建設workers Unionのオフ会でも一個しか変わらんのに、お母さんみたいに何でも受け止める器の大きさを感じました。笑

Yukaさん:え〜、そんなことないですよ〜!!私なんて全然です…

たてわかくん。:なんか僕が本当に子供みたいに思いますw どんな育ち方をしたらそんなしっかりした人間になるのか知りたい。笑

Yukaさん:え〜、まあ育ち方が豊かだったというよりも、その真逆ですね。

たてわかくん。:色々経験されてるんですよね…本当にこの図鑑載ってくださる方々ってめっちゃいろんな過去もたれていて、いつも驚きが隠せないんですよね。

Yukaさん図鑑を見ていて、めっちゃ共感できるんです。YMSAさんの記事も共感しすぎて皆さんにDM送りましたもん。

たてわかくん。:なんかこれきっかけで連絡してもらえてめっちゃ嬉しいです…

Yukaさん:私もあんまり触れたくはないんですけど、学校は不登校でした。もともと私はいじめっ子だったんですが、それが返ってくるかのように私もいじめらたんですよね。自分が悪いことは自覚しています。

たてわかくん。:そうだったんですね…

Yukaさん:どんなことがあったかというと無視や、信用していた同じクラスの子から「私からいじめられた10人より」って言う脅迫文が届いたり、陰湿なものが多かったですかね。

たてわかくん。信用してた人から裏切られることって本当に苦しいですよね。

Yukaさん:そうですね。根っから人をすぐ信用してしまうことはあるんですが、少しでも信用した人から裏切れると、人間不信になり、当時は人間嫌いでした…

たてわかくん。:そうなりますよね…

Yukaさん:でも今振り返ると不登校になった本当の理由は、

学校という縛られる環境が嫌だったのかもしれません。

たてわかくん。:学校は行くのが当たり前だと思っていた自分は、枠の中にいたんだなと皆さんの話を聞くと感じます。縛られてるなんて一切思ったこともなかったでしたし…こんなふうに、当たり前すぎて疑いもしないことってたくさんありますよね。

Yukaさん:急に深いですね。笑

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19歳の覚悟

たてわかくん。:そんな学生時代を送られていたんですね…

Yukaさん:はい。中学は不登校で、高校入学してもうまくいかず、中退しました。その後半年間は好きなことしてバカしていたものの、普通科の通信学校に入学しました。これもあれに荒れまくってですね…学校には行ってましたが、夜は悪友といけないことばかりしてましたね…

たてわかくん。:高校生なのに… 僕には想像できない世界です…

Yukaさん:そうですよね…そんな私にも変わらないといけない!と思うきっかけがあって。

たてわかくん。:お、何ですか??

Yukaさん19歳で子供を授かったんです。それが今の息子です。

たてわかくん。:19歳でですか!?僕はその時何していただろう…

Yukaさん:妊娠が分かってから生まれるまでは、食事面でとても苦労しました。高校2年から摂食障害だったんです。メンタルも崩壊し、精神的にやばい状態でした。

たてわかくん。:やばいですね。本当によく頑張りましたよね…(真尊敬)

Yukaさん:そしてそんなこともありながら何とか出産し、死ぬ気で産んだ息子の顔を見て抱いた時に、

この子のためにも、どんなことがあっても本気で生きていかないといけない。

そう覚悟を決めたのは今でも鮮明に覚えています。

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たてわかくん。:ほんまにすごい覚悟ですよね。僕には、出産を経験(男として)したことがないので、その感情はとても新鮮です…(*写真は天使です。)

Yukaさん:生まれてから、摂食障害も克服し覚悟を決めさせてくれた息子には感謝しています。

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たてわかくん。:素晴らしいお母さんすぎる。そろそろ大工さんに…?笑

4歳の夢は親父みたいな大工になること!

Yukaさん:もう少々お待ちを!笑 息子は1歳から保育園に通っていましたので、21歳で私も働き始めたんです。

たてわかくん。:そうなんですね、子育てしながらも働かれていたんですね。本当に素晴らしい。

Yukaさん:ありがとうございます。商工会議所で観光部署で事務をしていたんですけど、1年でやめました。笑

たてわかくん。:え、何でですか??w

Yukaさん私、どうも事務みたいにパソコンとずっと向き合う仕事はできないことに気づきましたw

たてわかくん。:わかる。笑

Yukaさん:外で身体動かして仕事したい!そう思ったんですよねw そんな時、ふと4歳の時の私が夢を話していたのを思い出すきっかけがありました。

親父の背中を見て、大工になる!

そんな夢があったそうです。

たてわかくん。:素敵すぎるし、お父さんうれしかったやろうな〜。

Yukaさん「これを機に大工してみようか。」伝統を守れる大工の数がどんどん減ってきている現状に、思い切って踏み出しました。

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たてわかくん。:うおおお!親の背中を見ちゃいますよね〜!(写真ちり取りやのにいきってるところうけるw)

Yukaさん:おじいちゃんの代からありますからね。そこから私の女大工としての見習い期間に入ります。

たてわかくん。:息子さんもいて、大変だったんじゃないですか??

Yukaさん:大変だったのは事実ですね。ただ1人だけで育てているのではなく、実家暮らしで親の会社だからこそ、なんとか成り立っています。いろんな人の支えがあり、私は子育てをしながら大工ができています。

たてわかくん。:大工さんなら、現場が遠いとかありますもんね…!

Yukaさん:近場でしたら私が保育園の送迎ができますが、遠い時はお母さんに送迎してもらったりしています。本当に、親には感謝しかありません。

たてわかくん。:僕も親に迷惑かけてばかりです…でも働いてみて、親のすごさやありがたみに気づくというか… だから僕も絶対に親の望む老後を送ってもらいたいって思っています。ゆかさんも3代目ですよね…!継ぐんですよね…?

Yukaさん:継がせてもらえるようにって今は本気で大工を勉強させてもらっています。

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ゆかさんのVision。

たてわかくん。:どんな会社にしたいとかあるんですか??

Yukaさん:私、会社を継がせてもらう前に一度社会に出たいんです。

親と離れ、自立をしたいんです。

たてわかくん。:立派すぎます。(固まる)

Yukaさん家族経営だとわかると思うんですが、ぬるいんです。娘だからって気を使われたくないですし、工務店としてのあり方が1パターンだけというのは不安なんです。だから一度外に出て、1人の大工としてどこまでできるのかもチャレンジしたいですし、色んな工務店のやり方を知りたいって思っています。

たてわかくん。:本当に24歳ですか?(真顔)

Yukaさん:やめてくださいw でも、環境を変えたいんです。インスタでは、同世代が夢を語っていて、こんな環境が理想ですよね。

たてわかくん。:今は、SNSでも刺激を受けれる時代ですが受けた分一緒に仕事したい!!ってなりますもんね。笑

Yukaさん:えりのまきちゃんとも早く仕事がしたすぎてウズウズしています!

たてわかくん。:えりのまきさんもそれ言ってましたよおお!

Yukaさんまずは、2年以内に自立することを目標に頑張ります!!

たてわかくん。:これは勝負やああああ!!!!!!(燃)では、改めて外に出て帰ってきたときにどんな会社を創りたい、いや業界に対してどんな未来を創りますか?(敢えて、大きく)

Yukaさん:はい、私もまだまだなので大きくは言えませんが、私のように

建設業界で働く(興味のある)ママさんが、子育てと両立できるような環境(福利厚生、保育所併設、短時間労働etc.)を創っていきたいです。

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まとめ

ゆかさんのお話を聞き、同世代として何かできることはないのかと本気で考えるきっかけになりました。建設業界の若者不足に踏まえ、女性の働く環境づくりなどゆかさんなら必ず創れるんだと確信しました。

だって、24歳で子育てもしながら、大工さんの見習いをしているんですよ??こんなに嫌な顔見せずに頑張っている彼女をみていると素直に勇気がでませんか。

人それぞれに覚悟を決めるきっかけがありますが、決めた後は逃げないで向き合って戦い続けているんです。

覚悟を決めるような経験がない。そんな過去はない。そう思っている方は、

「本気で生きていないだけです。」

でも大丈夫です。

やりたいことがなくても、夢がなくても、いいんです。こんなに頑張っている同世代がいることに、刺激を受け、一歩踏み出したらいいじゃないですか。SNSでも始めたらいいじゃないですか。現場でいつもより楽しくいたらいいじゃないですか。お客さんのためにいつも以上にサービスしたっていいじゃないですか。

やれることなんていっぱいあって、自分が心地いいと思う環境に勇気を持って飛び込んでいきましょう!

だって、子供のため、お客様のため、仲間のため、業界のために頑張っている建設若者はこんなにもいるんだから。

終わり。

建若図鑑説明

建設業界の若者が不足している近年、建若(筆者)の周りには、若者が一人もいません。どうしたら若者が建設業界に入ってくれるのかというよりも、建設若者がどうしたらイキイキと働けるかを考えています。現場に建設若者がいなくても、刺激し合える環境をSNSで提供し、一歩を踏み出して欲しい。将来のビジョンを持ち、イキイキと働く建設若者を図鑑化し、インタビュー形式で紹介していきます!

Twitter:たてわかくん。

instagram:建若図鑑

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