「建設若者④」解体屋YMSAが語るコンプレックスをぶっ壊し、”価値”にする生き方。
建設業界で働く方は、過去に色んな経験されている方が多いな。
実際に建設業界で働いていて、こう思うことってありませんか?
過去に誰もしたことがないような経験をしてる方が圧倒的に多い。
でも、その経験をコンプレックスにしていたり、後悔話かのように話されるのを
ずっと疑問に思っていました。
◯過去に悪いことしていたら、どうして未来は諦めモードなのか?
◯勉強をしなかった=職人?
過去の経験がなんだああああああ!変わりたいって本気で思ったら案外すぐ変われるのにいいいいい!って思っていました。過去の経験なんて未来でどうにでもなるんだよおおおおおお!!!!って言いたかったのかもしれません。
それを代弁してくださったのが、今回のゲスト。
過去の経験(コンプレックス)を価値に変え、今の職人のあり方を”壊そう”と活動している建設若者にお話を聞きました。
<聞き手=たてわかくん。(建若図鑑編集長)>
建若図鑑4人目は、解体屋・YMSAさん。
たてわかくん。:YMSAさん、待ってましたああああ!YMSAさんが謎すぎて、いつか建若図鑑にのって欲しいって思ってたんですよ〜!!
YMSA:いや〜、それは嬉しいですね笑
たてわかくん。:早速ですが、YMSAさんを知らない方のためにプロフィールを↓
本名:山口翔、平成元年生まれの30歳、15歳の頃から解体屋で見習いとして修行。若い解体屋さんが250名ほど集まったゼネコンのとんでもない仕事に、最後まで残ったのは彼だという強者。28歳で独立。現在は、イケイケの建設若者が集まる建設WokersUnionの関東支部長で、建設メディアやラジオにも引っぱりだこ。解体屋「YMSA」というブランド価値を上げるため、SNSを中心に活躍中。
Twitter:YMSA(ヤムサ)&やむち
instagram:解体皇帝YMSA(ヤムサ)
たてわかくん。ポイント:過去のコンプレックスを価値に変える破壊力
YMSA:今回僕は、どんなこと聞かれるんですか?笑
たてわかくん。:YMSAさん、謎が多そうなので過去にズカズカと入らせてもらいます。笑 東京でお会いした時に、この人だけ周りの人と目がちがうな。って思ってたんで、どうしてその目になったのか聞きたかったんです。なので、インタビューよろしくお願いします〜!!笑(強引)
義務教育を中学3年生の1年間しか受けなかった。
YMSA:突然なんですけど、僕学校1年しか行ってないんです。
たてわかくん。:…ん、どういうことですか?(初めからブッコミすぎ)
YMSA:普通、小学校とか中学校とかいかないといけないんですが、母もぶっとんでいて、入学式にもでたことないんです。勉強はドリルを2ページしたら、遊んでいいよっていうのだけありましたが、当たり前にみんなが受けてきた義務教育を受けていないんです。
たてわかくん。:(すいません、この時ずっと?でした)
YMSA:なんで??って思うかもしれないんですけど、僕も幼い時に学校っていく意味ある?って思ってたんです。変わってますよね笑 僕には学校に行かないことが普通だったんです。
たてわかくん。:え、じゃあ学校行かないで何してたんですか?
YMSA:ひたすら、ひまでしたね。でも、僕みたいに学校に行ってない子って周りにはいてその子たちと夜中まで遊んでいました。
たてわかくん。:夜中に遊んでいたら、補導されたりしなかったんですか?
YMSA:されましたよ笑 補導されたことあります?
たてわかくん。:いや、アゲパン真面目ボーイだったのでないです…
YMSA:わら まあ補導されると警察から「どこの学校だ?」って聞かれるんです。「〇〇中学校」って嘘ついて誤魔化していたんですけど、学校に行ったこともない僕は、それ聞かれるのが嫌で嫌で仕方なかったんです。
コンプレックスが爆発した日
たてわかくん。:中学3年生の1年だけ学校に行った。って言われてましたが、なんで行くことになったんですか??
YMSA:夜遊びしてたって言ったんですけど、何をしていたかというと喧嘩してたんです。14歳のとき喧嘩をしていたら、浅草小学校の先生に捕まったんです。いつも通り「〇〇中学校です」って嘘ついてたら、在籍確認されて「違う」「違う」って言われるんです。「本当はどこの学校なんだ…?」って言われ続け、コンプレックスが爆発し、泣いていました。そして母親が来ました。
(周りが当たり前に行ってる学校に行ってないということは、この日本では社会不適合者扱いをしてきます。義務は守るべきで、守れない人は”悪”みたいな風潮があると思っています。YMSAさんは、そうなることを分かっていたからこそ「どこの学校なんだ?」って聞かれると、学校に行っていないことがバレて、人格否定をされるのではないかと怖かったんだと思います。そりゃ、もの心ついた時から行かないことが普通だったYMSAさんからしたら、どうしようもできなくて言いたくもない過去ってなりますよね。)
YMSA:それから、学校に行ってないことがわかり、市役所の方の優しさもあり、中学3年生という人生で最初で最後の学生生活を送ることができました。
たてわかくん。:どうでしたか?!
YMSA:最高でしたね。行事全てが初めてで、友達もできたし、毎日ハッピーで1年は一瞬で終わりました。
たてわかくん。:高校に行こうとは思わなかったんですか?
YMSA:いえ、僕は15になったらすぐに働くって決めていたので、高校にはいきませんでした。当時は、学校に行っていない。ことがコンプレックスだったので、ずっと思っていたことは、
学校に行かなくても、社会で活躍できることを証明させたい。
反骨心ギラギラの15歳でした。
解体との出会いと面白さ
たてわかくん。:15歳になり、どんなきっかけで解体屋さんになったんですか?
YMSA:はい、母から鳶か水道屋か解体屋かどれがいいかきかれたんです。昔から全く想像のつかないものを選ぶ癖があったので、1番想像のつかない解体屋さんになることを決意しました。
たてわかくん。:きっかけは単純ですねw
YMSA:そうですね、古くからやっている解体屋さんに職人として育てられました。
YMSA:初め、解体って「ただ、壊せばいい」と思っていましたが、ここは壊したらいけないとか道具の使い方はこうだ!って、言われるんです。
壊し方にこだわりがあるんだ。
と知った時、解体という仕事の深さを知りどはまりしました。毎日が楽しくて楽しくてしょうがありませんでした。
できるが故の絶望
たてわかくん。:そんな楽しい仕事に出会えるなんて、本当に幸せですね!羨ましい!
YMSA:でも、解体屋をやめようって思ったことはありますよ。1ヶ月仕事しなかったとかありましたし…
たてわかくん。:え、どうしたんですか!?
YMSA:僕は、初日から解体屋としてのセンスと、とんでもない反骨心でやってましたから、親方から褒められまくってました。20歳には現場を全部仕切って、超トゲトゲしていましたね。それだけ頑張ってましたし、「解体屋で俺に勝てるやついなんていねえだろ」って本気で思ってましたから。でも、ここまでできてしまうとどんどん飽きてきてしまうんです。
なんのために仕事してるんだろ
考えても全然出てこないし、仕事に絶望していた時期もありました。もう廃人でしたね。
廃人からYMSAに変えてくれたある出会い
たてわかくん。:どう乗り越えられたんですか?
YMSA:人との出会いでした。廃人だった僕も、何か生きる目的といえばいいんですかね…インパクトが欲しかったので、色々と外に出ることが多かったんです。そこで、その方と出会い、人生が変わりました。
たてわかくん。:ど、どう変わったんですか??
YMSA:その方は話していて信頼できたので、実はこういうコンプレックスがあって…って恥ずかしながら話したんです。いつもこの話をすると、呆然とされたりするんですけど、その方は違ったんです。
たてわかくん。:そりゃ、初めて聞いた時は僕も驚きました。何て言ったんですか?
YMSA:その方は熱くちょっと怒り口調で言いました。
『そんな誰も経験したことないような過去なんて、どんどん話していかないとダメでしょ?その経験が山口くんの価値なんだよ。』
その時、「こんな経験、言ってもいいんだ。」って今までの過去を認められた感じでした。確かに、タレントやアーティストは過去の経験を話したり歌ったりして、数えきれない人を感動させてそれでご飯を食べている。なんかスーと入ってきたんですよね。経験を伝えることが価値であり、今までの嫌だったコンプレックスは今の自分を作る大切な経験だったんだと、認めることができました。
たてわかくん。:そんな経緯があって、色々発信されてるんですね。
YMSA:そんな生き方ってカッコいいなって、廃人だった僕には理想ができました。僕なりの価値の創り方ってなんだろうって考え、15年やり続けた解体屋という強みを生かして職人のあり方を伝えていこうと決めました。
たてわかくん。:具体的にどう職人とつなげるんですか??
YMSA:職人ってスポーツ選手と似てるなって思うんです。自分のスキルを汗かきながら一生懸命披露して、お金をもらう。でも、違いは”見ている母数”です。不人気なスポーツは見ないし、人気スポーツは見る。建設業界は不人気スポーツなだけなんです。だから、職人+αで伝えていかないと誰も見てくれません。
たてわかくん。:なんか、”百獣の王”武井壮さんみたいな感じのイメージなんですかね??彼も陸上十種競技の元チャンピョンですが、彼が有名になってからそんな業種があるんだ!って伝えてますよね。(有名な動画↓)
YMSA:だから、芸名をいただきYMSAとして生きることを決めました。
YMSA=〇〇そんなブランドを創っていきたいと思ってます。
解体屋というのは本当に素晴らしい仕事だからこそ、YMSAとして伝えていきたい。YMSAだからってなったら最高ですね。
YMSAの野望
たてわかくん。:”職人のあり方”と言われてましたが、それをもうちょっと詳しく教えてください!
YMSA:職人+αとかっこよく言いましたが、職人は”そもそも人間”なんです。人間には意思があって、好きなことやりたいことをやるべきなんです。+αっていうのは、今はなんでもチャレンジできる時代だからこそ、職人だけではなく+αもして欲しいんです。
たてわかくん。:本当にITが普及して、なんでもできますもんね。
YMSA:やりたいことは、解体職人のための料理で言うミシュランみたいな評価制度を創りたいです。今は人工が決まっていて、どんだけスキルがあっても普通の人と同じじゃないですか?ゼネコンとかではあるみたいなんですけど、僕が創りたいのは、
技術+αも評価します。
結果、職人が人間力をあげ、働く目的も上がり、建設業界の良さを広める人が増え、最終業界がよくなると思っています。
たてわかくん。:なんか、最高ですね。(興奮)YMSAさんの話、濃いすぎて整理するのに時間かかりそうです…w YMSAさんの謎が解けました。笑 今日は本当にありがとうございました!!
YMSA:いえいえ、こちらこそありがとうございます!よろしくお願いします!
まとめ
YMSAさんの過去を聞き、現在、未来へと線がつながっていました。様々な過去やきっかけがあって職人という道を選択している方は多くいると思います。ただ、今があるのは過去があったからで、一度過去と向き合って認めてあげることが大事なんだと思いました。
そして、人間としての意思と向き合って欲しい。
でも、大好きなものやりたいことがわからない(そんな余裕がない)方はいらっしゃると思います。なんでこの仕事をしているのんだろう。って。僕もよくあります。そんな時は、
”理想を忘れずに”今の仕事を10年やり続けてみてください。
今回のゲストYMSAさんも10年くらいなった時に、解体屋としての使命が分かったそうです。
僕は、やりたいことがわからずいろんなことをやり続けてきました。でも何も見つからなかった。だからこそ、今の仕事を全力でやり続けていきたいと思っています。最後にYMSAさんからのお言葉で終わりたいと思います。
このなんでもできる時代だから、若さを活かし行動していきましょう。
終わり。
建若図鑑説明
建設業界の若者が不足している近年、建若(筆者)の周りには、若者が一人もいません。どうしたら若者が建設業界に入ってくれるのかというよりも、建設若者がどうしたらイキイキと働けるかを考えています。現場に建設若者がいなくても、刺激し合える環境をSNSで提供したい。将来のビジョンを持ち、イキイキと働く建設若者を図鑑化し、インタビュー形式で紹介していきます!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?