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建設DX研究所 第12回定例部会を開催しました!

みなさん、こんにちは。
「建設DX研究所」では、毎月1度、オフラインの定例部会を実施しています。
12月20日に、第12回となる定例部会を開催しましたので、その様子をダイジェストでお届けします。

今回は、建設DX研究所より、株式会社構造計画研究所の鈴木さんが登壇し、「Autodesk Universityにみる建設DXの世界動向」と題して、アメリカにて開催された建設に関するイベント Autodesk Universityについてレポートしていただきました。
構造計画研究所さんの前回のご登壇の内容については、以下の記事も併せてご覧ください。

第12回「Autodesk Universityにみる建設DXの世界動向」

Autodesk Universityとは、Autodesk.Incが主催し、アメリカ・ラスベガスにて2023 年 11 月 13 日から 15 日(日本時間 11 月 14 日から 16 日)に行われたイベントです。
Autodesk社が展開する主要製品であるBIMソフト「Autodesk Revit」は日本国内、アジア、欧米で高いシェアを誇っています。このことからも、今回のイベントの動向は国内BIMの将来像や利活用ニーズ形成に大きく影響を与えるのでは、という視点から、今回、構造計画研究所からは鈴木さん含め2名が現地入りし、情報収集をされてきたそうで、定例部会にてイベントレポートの形でご発表いただきました。
実は、Autodesk社は建設業界のみならず、製造業界、エンタメ業界にも事業を展開しており、今回のイベントでも、様々な技術やプロダクトに関する展示が行われたとのこと。参加者は約2万人とのことで、非常に大きなイベントだったことが伺えます。

Autodesk Universityのイベントは大きく3つのセクションに分かれていたとのこと。
・Class/Keynote: 60~90分のコマ、全600コンテンツ、業界動向・ユースケース、製品デモ。
・Exhibition: 各国のベンダーによる展示。
・Party: 展示者、来場者同士の交流。
Classのテーマでは、BIM、データ管理、クラウド化、オートメーション技術、AI、生成技術などが多くコンテンツとして発表される中、サステナビリティ、炭素管理といった環境に配慮したテーマも同様に重要なトピックして取り上げられていたそうです。

Autodeskによる基調講演では、「AUTODESK AI」という新機能について触れられ、ジェネレーティブデザインの高度化、建築デザインデータとChatGPTとの連携などにも話が展開されました。また、新たな買収・業務提携として、FlexSimという製造・物流向けシミュレーションソフト、Cadence Design Systemsという集積回路・プリント基板等のシステム設計ツールとの連携についても発表がありました。

鈴木さんが注目したトピックとして、「Industrialized Construction:工業化建築」「点群の利活用」「BIMデータ利活用拡大」を挙げていただきました。

工業化建築については、壁のユニット化、部屋単位でのモジュール化といった技術に着目されるとともに、工業化のフローについても言及がありました。
これまでは、「設計者の設計に基づき、製品チームが施工データを整理して工場生産する」という形だったフローを、今後は、「登録された工業化部品を組み合わせて設計をしていく」という工業化建築にシフトしていく、という話が伺えました。
工業化建築は、元来の製造業の考え方、いわゆるDfMA(Design for Manufacturing and Assembly)やBOMを取り入れているもの、という見方もあります。先ほど、Autodeskが製造業界にも業務展開しているとの話がありましたが、製造業の知見があるからこそ、建築業にも同様の考え方を組み入れることができているのかもしれません。

また、BIMデータの利活用拡大については、「Scan to BIM」という、3DスキャンデータからBIMを生成する技術のプロトタイプについて言及がありました。これまでは、3Dスキャンの結果は単なる点群であり属性情報を持たないものでしたが、今後は、点群をもとに材質や部品を認識できるスキャン方法がでてくるのでは、とのこと。他方、材質や部品といった属性情報がもてたとしても、精度が悪く誤差があったりすると実用まではまだ時間がかかるかも、といった意見も伺えました。

また、BIMの用途の幅を広げる視点として、より広域的なBIMモデルの活用、BIMから抽出された情報のダッシュボード化技術、BIMモデルによる二酸化炭素排出量の評価なども紹介いただきました。

建設DX研究所事務局より

アメリカの最先端のイベントということで、非常に内容の濃いコンテンツが多くあったことが伺えました。
日本でも建築BIM加速化事業などの後押しもあり、徐々に建築へのBIM活用が浸透してきつつありますが、まだまだ民間主導の建築業界でのイノベーションは道半ば。ますますの発展に期待したいと思いますし、建設DX研究所としても、最先端技術の情報発信、政策提言や勉強会を通したルールメイキングを以て貢献していきたいと思います。

今後もこうした勉強会・定例部会を定期的に開催していくほか、情報発信・政策提言等の活動も実施していきます。 建設DX推進のためには、現状の建設DX研究所メンバーのみではなく、最先端の技術に精通する建設テックベンチャーをはじめ、数多くの事業者の力・横の連携が不可欠だと考えています。 建設DX研究所の活動・定例部会などにご興味をお持ちいただける方は、ぜひプレスリリースを御覧いただき、お気軽にお問合せいただけると嬉しいです。

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