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テクノロジー(全般)

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建設DXに関する最新テクノロジーについてのレポートです。
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#BIM

令和3年度BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業 中間発表レポート(後編)

【はじめに】 本記事では、前回に引き続き、2021年10月に実施されたBIMモデル事業の中間報告(※1)の模様をピックアップしてご紹介します。今回も興味深い内容となっていますので、是非ともご一読ください。 (※1)国土交通省は、「令和3年度 BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」と銘打ち、設計・施工等のプロセスを横断してBIM(※2)を活用する試行プロジェクトについて優れた提案をした応募者に対し、国が当該プロジェクトに係る費用の一部補助を行う取組みを実

令和3年度BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業 中間発表レポート(前編)

【はじめに】 国土交通省では、BIM(※)の活用による生産性向上等のメリットやその普及に向けた課題解決の検証等を行うワーキンググループを設置し、建築分野でのBIMの推進等を議論しています。 (※)BIM(Building Information Modeling):コンピュータ上に作成した主に三次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げなど、建物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム。 こうした中、国土交通省は、「令和3年度 BI

政府主導の英国BIM推進史

建築・建設DXを牽引する技術であるBIM (Building Information Modeling)について、過去の記事(「オーナー視点がBIMの生み出す価値を変える」)では日本で普及が遅れている要因とその解決方法に関して言及しました。 一方、世界でBIM技術の導入をリードしている国は英国です。2019年の時点で日本の設計事務所におけるBIM普及率は17.1%と非常に低い数字であるのに対し、英国では建築に関わる専門家の70%以上の人がBIMを利用しています。 BIM先進国

オーナー視点がBIMの生み出す価値を変える

建設DX研究所の研究員、大江太人です。 前回の記事、「建築の価値を高めるプラットフォーム的視点」では、建築を作る過程にオーナー視点を取り入れ、建物の価値の最大化を図ることの重要性についてお話ししました。 今回は、そのために最も有力なツールと言われているBIM (Building Information Modeling)の可能性について、現状の課題とその解決策とともにお届けしたいと思います。 BIMとはコンピューター上に作成した3 次元の建物のデジタルモデルに、コストや