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炎上プロジェクトを解決した3つのこと

炎上プロジェクトご経験されたことがある方も多いのではないでしょうか。

私の36年間の人生で一番ハードだった炎上プロジェクトと、その解決方法についてです。

どう炎上していたのか?

はい。それは実家が火事で全焼したことです。

2010年4月3日深夜3時に親戚から30回以上の不在着信が入っていました。眠たかったけど、掛け直してみることに。

すると「今、実家が火事になってる!」とのことでした。

何をいってるのか分からず正直パニックになったのを今でも覚えています。

当日移動手段がなかったため、翌朝一番で火事の現場である実家にかけつけることにしました。

そこで見た衝撃の光景がコチラ。

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情報収集

まず家族は全員かすり傷で無事でした。(だからnoteで発信OK)

いろんな人たちに話しを聞きながら分かった事実が以下の通り。

・家族全員無事。良かった。かすり傷と軽い火傷のみ。
・家は全焼。残は車2台のみ。
・出火原因:中途半端に焼けた薪を倉庫へ片付けた。
・お手伝いボランティアが30名ほど。
・様々なリーダーが発生し様々な指示で現場は大混乱。
・父母は消防署/警察署/役場の事情聴取で身動きできない。

ピンチはチャンスだと感じ「仕事で経験を積んできたプロジェクトマネジメント術を活用しまくろう」と決心しました。

解決策1:最初にやったこと

被災者のケア、これにつきます。

心身ともに疲労困憊しすぎていて、事情を聞いたりすることができません。

いち早く安心安全な場所を確保して、少しでも回復できる環境を整えることです。

そして統括的に全ての判断をする指揮官(プロジェクトマネージャー)を決定し全員に情報共有すること。

"船頭多くして船山に登る"状態を脱却することで、チームとしての生産性は一時的にグンッとあがります。

当時は私がその役目(指揮官)を担うのが適任だと感じ、宣言させてもらいました。

翌日から実施するタスクを全て洗い出しWBSに落とし込みを。

Work Breakdown Structureの略。プロジェクトのスケジュール管理に使われるツールの1つで、作業工程を細かな作業(Work)に分解(Breakdown)し、構造化(Structure)することで管理する手法です。

そしてクリティカルパスを見つけ、最初のスタートラインを探しました。すると意外にも「免許証再発行」が最優先項目であるということが判明。

実家が田舎だったため自由に使える車がないと、他のタスクがなかなか着手できないということだったのです。

クリティカルパスは、直訳すると「重大な経路」という意味で、プロジェクトの全工程を線で結んだ時に最長となる経路のことです。他の工程を短縮しても、クリティカルパスが短縮しなければ終わらない経路のことです。

するとそこでリスクが発生・・・

解決策2:チームとして結束する

火事発生から3日経過した日のことでした。

父が「新築を注文してきた」と帰ってきたのです。

私は衝撃を受けたのですが、チーム(父、母、私)にルールや役割が明確ではなかったため仕方がないことだということに気づきました。

負のスパイラルが続き、日々ケンカが起きるという状況に陥っていました。怒り、失望、方向性の違いといった内向きでネガティブなエネルギーがぶつかりあっている状況で。

そこで仮想敵国および体制図を次の一手として打つことになります。

仮想敵国とはチーム外に敵が現れ、それを倒そうという共通の認識をもつことによりエネルギーが外向きに向かう効果でチーム内を結束させる手法です。

私たちの場合は、父が新築を発注した工務店が仮想敵国としての役割を担ってくれました。相手方と私たちの間で認識のズレや乖離が多くあったため、仮想敵国として十分な効果を発揮。

お陰でチーム内は結束し、ケンカも一切なくなりました。

工務店も解約し、また新たに発注する先を探そうというとことに。

また体制図を決め、誰が何の権限があり、どう動くのかを明確にしました。

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解決策3:通常プロジェクトに近づける

ここまで来るとあとは通常プロジェクトとして運営する方向にもっていきたいなと思い始めました。会議のルールを決めたり、PMBOKに定義されている成果物を取捨選択して作成。

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたものです。

会議は毎週土曜日14時から、場所は◯◯で、議題は■■でといったような形で決めてPMBOK成果物を見直したり進捗に合わせて更新したりと。

ここまで来ると炎上プロジェクトから通常プロジェクトに昇華(消火)できたなと実感することができていました。

プロジェクトゴールを迎えた

火事発生から6ヶ月後に新築をローンチすることができました。

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母から「最初はどうなることかと思ったけど、家族の絆を再確認することができた大切な時間になった」と感想をもらい、PM(プロジェクトマネジメント)を勉強してて本当に良かったなぁと。

まとめ

炎上プロジェクトって意外に身の回りにあります。

ITシステム開発での炎上、今回のような火事、震災や天災のように。

以下の順番を守ることを強くオススメします。

優先順位
1.被災した人をケア
2.統括リーダー明確化
3.情報整理とクリティカルパス探し
4.不安払拭のための適度な情報発信
5.外にエネルギーを向かわせる

以上です。

おまけYouTube

YouTubeでも今回の内容を発信しています。合わせてご確認いただけますと幸いです。


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