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NOKTON vs SUMMILUX ②

Nokton 50mm F1.5 II VM MCとSummilux 50mm F1.4 2ndを比較してみようという記事の第2弾です。

前回の比較記事はこちら。


撮り比べの設定

本記事の撮り比べでは前回記事とは少し変えて、日中にカーテン越しの太陽光が入っている状態での撮影となります。カメラは三脚に固定していて、ピントはコップに合わせています。使用カメラはLeica M (Typ 262)です。ISO感度は200に固定して、絞り値を開放、F2.0、F2.8、F4.0、F5.6、F8.0と変化させながらそれぞれ撮影しました。同時にシャッタースピードは1/4000、1/2000、1/1000、1/500、1/250、1/125と設定して露出が同じになるようにしています。

撮り比べ結果

今回も絞り開放から各F値での比較を順に載せていきます。写真は基本的にはRAWをLightroom Classic CCでデフォルト設定で書き出したものになりますが、ホワイトバランスは固定した状態だとNoktonとSummiluxで色味が異なるということが前回の比較でわかったため、今回は両者でなるべく同じになるように手動でホワイトバランスのみ調整した後の写真を載せています。ホワイトバランスは以下のように設定しました。

Nokton: Temp. 4950 K, Tint -5
Summilux: Temp. 4750K, Tint +8

絞り開放

まずは絞り開放です。開放絞り値がNoktonはF1.5、SummiluxはF1.4とわずかに異なるため、NoktonはExposureを+0.24にして露出をだいたい合わせています。

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F1.5, 1/4000, ISO200 (Exposure +0.24)
Summilux 50mm F1.4 2nd, F1.4, 1/4000, ISO200

まず初めにですが、今回、前回以上に違いがわかりませんでした… ホワイトバランスの調整の問題(グレーカードとか使うべきでした…)や太陽・雲の動きの影響の可能性もあると思うと、細かい違いが本当にレンズによるものかわからないということもあり、余計にです。その上で、違いがあるなと思ったところについて言及していきます。

画角や周辺減光については前回何度も言及したので今回はおいておくとして、一番わかりやすい違いは背景のボケ方だと思います。Summiluxの方が背景の植物のボケ方が少しうるさい感じになってますね。玉ボケもSummiluxの方が縁取りが強く、この辺りはオールドレンズらしさを感じるところです。Noktonも癖がないわけではありませんが、少なくともSummiluxと比べると落ち着いたボケ方をしています。

他の点としては… 何があるでしょう…?

F2.0

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F2.0, 1/2000, ISO200
Summilux 50mm F1.4 2nd, F2.0, 1/2000, ISO200

F2.0に絞るとSummiluxのボケも少し落ち着いてきて、まだ玉ボケの縁取りの強さは少し感じますが、Noktonと遜色ないボケ方になってきています。

F2.8

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F2.8, 1/1000, ISO200
Summilux 50mm F1.4 2nd, F2.8, 1/1000, ISO200

えー…

F4.0

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F4.0, 1/500, ISO200
Summilux 50mm F1.4 2nd, F4.0, 1/500, ISO200

違い…

F5.6

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F5.6, 1/250, ISO200
Summilux 50mm F1.4 2nd, F5.6, 1/250, ISO200

わかりますでしょうか…?

F8.0

Nokton 50mm F1.5 II VM MC, F8.0, 1/125, ISO200
Summilux 50mm F1.4 2nd, F8.0, 1/125, ISO200

どちらも良い写りですね。(比較??)

結論

はい、絞り開放でのボケみには差がありそうですが、他の点については正直よくわかりませんでした…

Noktonを使っている時から写りには全く不満はありませんでしたので、Summiluxと比べても遜色ないという結果であっても大きな驚きはありません。Nokton 50mm F1.5 II VM、本当に良いレンズだと思います。もし将来III型が開発されて、同じ光学系で見た目がもっと自分の好みに近付いてくれたらSummiluxを手放して買い替えることを真面目に検討しそうです。

おまけ

最後に、これで終わってしまうと中身が薄い気がするので、実際にSummilux 50mm 2ndを4ヶ月近く使ってきて思う、Noktonとの違いを感覚的なものではありますが書いてみます。

まず一つは逆光耐性です。Summiluxはフードなしで使っているということもありますが、逆光だとフレアやゴーストが結構出ます。そこは流石にオールドレンズですね。この点は好みが分かれるところかもしれませんが、このSummiluxくらいだと個人的には楽しいので好きです。

Leica M (Typ 262), Summilux 50mm F1.4 2nd

また、前回の記事で少し触れましたが、絞り開放の時に少し滲んだ写りをすることがあるところも違いかなと思います。Noktonも絞り開放だと多少あるときはありますが、Summiluxの方が滲みが出ることがもう少し多いです。滲むの大好き!ってわけではないのですが、ちょっと滲んでしっとりした雰囲気が出るのは良いなと思います。

Leica M (Typ 262), Summilux 50mm F1.4 2nd

あとは細かいところで言うと、前回の記事でも触れたフォーカスシフトです。NoktonだとF2.8~F5.6あたりを使うときは、少し後ピンになることを想定してピント位置をずらさないと、ややピンポケということがあったのですが、Summiluxだとその辺りのF値に絞っていてもズレを感じることがほとんどありません。ピント周りは結構ストレスを感じやすい点なので、ここが使いやすいのは良かったなと思います。

見た目や触り心地の点を除けばこんなところかなと思います。書いた点の多くはオールドレンズらしい点ですね。Noktonもオールド味を多少感じる現代レンズだと思いますが、それをもう少しオールド寄りにしたのがSummiluxというような印象です。もしどちらを買うか迷っている方がいるとしたら、この辺りでどちらが好きかを考えて選ばれるのが良いのではないでしょうか。あとは自分のようにライカのオールドレンズを使いたいという気持ちが強い場合はSummiluxにいった方が幸せになれるかもしれません。



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