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自省〜24歳の誕生日に寄せて〜

 本日、4月3日で24歳の誕生日を迎え、また一つ歳を頂くことができました。23歳の一年も多くの皆様に支えていただいたおかげであります。まずは、その皆様方に心より感謝申し上げます。

 ただ、最も感謝しないといけないのは両親に対してですね。

諸人よ 思い知れかし 己が身の 誕生の日は 母苦難の日

 という詠み人知らずの歌があります。

 さらに「父母の恩重き事、天の極まりなきが如し」と『父母恩重経ぶもおんじゅうきょう』に記されています。私が今、やりたいことができているのも、また何かを望めるのも、ここに命があるからこそ。生母が私を産んでなければ、今、何かを考えることすらできなかったわけです。残念ながら、私の場合は、生母に感謝の想いを伝えることが叶わぬまま、生母が他界したため、せめて、自分の誕生日の日には、供養をして功徳を廻向したいと思っております。

 また「命は神仏からの預かり物」という橋村管長猊下の言葉を胸に刻み、自分の命を神仏に捧げる思いで、行と勉学に励みます。

 引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。


 ところで、ここからは私の近況について少し記せればと思います。

 今年の4月から慶應義塾大学の文学部哲学専攻に編入いたしました。2年次に編入したため、あと3年間、学部課程に在籍する形となります。文学部哲学専攻にて論理学を中心に勉学に勤しみたいと思っております。 3年間ありますので、ある意味、腰を落ち着けて勉強、研究に励めるのかなと考えております。

 ここで、「なぜ学部2年次への編入なのか」という疑問と「なぜ文学部哲学専攻なのか」という疑問をお持ちになられる方もいらっしゃるかもしれませんので、この際に答えておきます。(特にそんなものには興味がないという方は飛ばしてください。)

 まず、「なぜ学部2年次への編入なのか」という問いですが、これは、大学院から別分野を専攻することに対して大きな不安があったからです。特に人文科学は基礎の部分が欠けていると、どうしても前に進みづらいのです。例えば、語学にしても初級文法がわからないまま、原典が読めるはずもありませんから。そこで、学部課程に編入して、そこの基礎訓練から徹底してやろうと思ったわけです。

 次に「なぜ文学部哲学専攻なのか」という疑問についてですが、これは、私自身が論理学の研究をしたかったからです。将来的には、因明(仏教論理学)を比較論理学的な研究を通して、開かれた思想史の文脈のなかに位置づけることができたらと思っています。近年、特に英語圏で活躍する研究者により仏教認識論を現代の分析哲学や現象学、あるいは認知科学との対話を進める動きが登場し分析哲学や現象学をプロパーとする研究者との学際的なシンポジウムやワークショップの形で様々な共同研究が展開されています。その研究者の一人であるG. ドレイファス氏は、西洋哲学の述語で仏教思想を語ることが、西洋哲学に馴染みのある読者の理解を助けるという利点がある反面、二つの伝統のあいだにある差異が消されることで、仏教思想の固有性が見えにくくなることの危険性を十分に理解したうえで、そのリスクを背負っても、仏教思想を開かれた思想史の文脈のなかに位置づけることが優先されなければならない、と考えているようです。

 しかし、実際にこの作業を行うためには、まず基礎訓練を積む必要があります。哲学における基礎訓練とは、語学や論理学にじっくり取り組むことだと認識しています。そのうえで、特に西洋の論理学について研究したいと思っています。(特に証明論的意味論について。この部分の関心はこれから変わるかもしれませんが。)さらに、それを比較論理学的な研究につなげたいのです。また語学に関しても、学部課程の間に古典語を含め複数の言語に取り組みたいと考えています。テキストの読解能力と論理的な思考能力を身につけることが学部課程での目標です。できれば、その後の修士課程では海外に進学し、海外の第一線の研究状況に直接触れるとともに、実践的な語学力を養いたいと思っております。

 とりあえず、これから学部課程の3年間で達成したいことを記しておきます。(主に自分のメモなので、読まなくても結構です。)

 上記でも記したが、修士課程で海外に進学する手段として、フランセ政府給費留学生制度を第一候補に考えている。そのためには、フランス語力の徹底的な底上げが必要である。(おそらく、倍率がかなり高いはず。)

  • フランス語の目標としてはDALF C2を学部4年の6月に取得すること。

  • また、英語は学部課程の間に1級を取得できればと思っている。

 他の語学についてであるが、サンスクリットとラテン語の読み書きは、辞書を引けば不自由なくできるレベルにはなりたい。そして古代ギリシア語も多少読めるようになれればと思っている。(欲を言えば、英国のボリス・ジョンソン元首相のようにホメーロスの『イーリアス』を古代ギリシア語で暗誦したい。ただ、優先順位としては低い。)

 とりあえず、今年の一年は、下記のことに注力します。

  • 語学

    • フランス語

    • 英語

    • ラテン語

    • サンスクリット語

  • 論理学・数学

こんな雑多な感じですが、この抽象的な目標を基にチャンクダウンして、24歳の一年も日々を充実させていけたらと思っております。

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