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腎臓の基礎② ~糸球体と濾過の仕組み~

腎臓の基礎①では、腎機能の一部である濾過と再吸収についてざっくりと紹介しました。

そこで今回は、そのうちの濾過について勉強したいと思います。

血液の濾過は腎皮質に多く存在する糸球体で行われます。糸球体を構成する要素は「(血管内皮細胞+基底膜きていまく+上皮細胞)+支持細胞+ボウマンのう」で、これを介して血液の通り道である血管と尿の通り道である尿細管にょうさいかんは接続されます。

 糸球体血管内皮細胞は有窓細胞ゆうそうさいぼうとも呼ばれ、文字通り細胞膜に窓がありザルのようになっています。この窓のおかげで血液の濾過が可能となります。さらに、ザルの目を利用したふるい効果でザルの目より大きな物質(主にタンパク質)は通れなくなっています。
 糸球体基底膜は異なる成分の三層から成りミルフィーユのような構造をしています。主成分はコラーゲンや多糖類で、ここでは濾過する物質の荷電に応じて最終選別が行われます(荷電チャージバリアと呼ばれます)。細かな説明は省きますが、基底膜はマイナスに荷電しているため、血中でマイナス荷電を持つタンパク質は静電斥力せいでんせきりょくによってはじかれて基底膜を通り抜けずに血中に残されます。
 上皮細胞は通称たこ足細胞とも呼ばれ、糸球体を締め上げて構造を支持するほか、その隙間にあるスリット膜(ネフリン)という構造により内皮細胞同様にふるいの役割も併せ持ちます。
 そんな糸球体を内側から支えるのが支持細胞(通称:メサンギウム細胞)で、毛糸(血管)でできた玉(糸球体)が分解しないようになっています。

 こうして糸球体で濾された原尿はボウマン嚢と呼ばれる受け皿へと濾出し、その先の尿細管へとつながっていきます。

看護roo!より
看護roo!より


次回は尿細管と再吸収について勉強したいと思います。

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