思春期なカレーパン
途方に暮れているおじさんがいた
本当に何もかもうまくいかないでいた
仕事もなくダラダラと過ごしていると、
お腹が空いてきたので
なけなしのお金でカレーパンを買った。
パン屋から出て、歩きながら食べようかと思っていたらカレーパンがどんどん大きくなってきた。
人間で言う12、3歳ぐらいのカレーパンなので急に成長しても無理はない
おじさんは恥ずかしくなったので
家にカレーパンを持って帰って食べようとしたけれど、カレーパンはドンドン大きくなって浮かび上がってきた。
おじさんはカレーパンにしがみついた
これを逃すと何も食べるものがなくなってしまうからだ
カレーパンのカリカリの部分は肌に擦れてなかなか痛いので、おじさんは穴をあけてカレーパンの中に入っていった。
カレーパンの中は意外とモダンな雰囲気だった。
といのうのも、絨毯が似合うような雰囲気の部屋である程度の家具も揃っていた。
まぁ年頃のカレーパンだから、何になってもおかしくはないだろう
そして何よりカレーパンの中は美味しかった。
食べてないのに、なんだろう、
いるだけで美味しかった。
結構なおじさんなのに、この歳で
「食べてないのに、美味しいとかあるんだぁ」と思った。
カレーパンの中で昼寝していると
気持ち悪くなってきた。
食べてないのに、お腹がいっぱいな気分だ。
部屋をウロウロしていると
突如、地面にボタンがあって、「54」って書いてあった。
「100」にしたらどうなるんだろうと思って、「100」にしてみた。
するとカレーパンの進む速度が100になってすごく早くなった。
そしてあまりにも早すぎるので
カレーパンは空気の摩擦に負けて、粉々になった。
。。。
おじさんは気がついたら
病院のベッドにいた。
主治医にその事を話しても信用されないどころか、精神病棟に入れられそうになったので
、それ以上は何も言わなかった。
おじさんの身体はそれ以来、どこにいっても
色んな場所の味がわかるようになった。
今もダラダラ毎日を過ごしているけれど、
どこに行っても身体から味を感じるので
前よりも毎日が楽しくなった
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