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在日ウクライナ人から見た日本の問題点

平成30年10月に開催した「第1回TOKYO憲法トークライブ」。

メインゲストは、カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート先生。
基調講演の後には日本人大学生2人、在日ウクライナ人学生1人が加わり、パネルディスカッションを行いました。

在日ウクライナ人学生のナザレンコ・アンドリーさんは、祖国の実例を紹介し、国軍を持つことの重要性を語りました。

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1991(平成3)年、ウクライナはソ連から独立した時に100万人の軍隊と核兵器を保有していました。この当時、隣国はウクライナに対して非常に有効的な態度をとり、明確な敵国は存在しませんでした。(中略)

ところが、ウクライナは隣国ロシアの甘い言葉に騙されて、核兵器を手放しました。核兵器を持つと、隣国から恐れられるし、お金がかかるからという理由です。そして、100万人の軍隊を20万人、つまり5分の1に軍縮しました。
「21世紀にもなって戦争なんてありえないだろう。防衛費を減らして、福祉にお金をかければよい」と楽観的に考えたのです。

ところが、戦う力を失うと、隣国の態度も次第に変わり、内政干渉は日常茶飯事になりました。その帰結として2014(平成26)年、かつては友好を誓い合い、核兵器を手放す代わりにウクライナを守る約束までしていたロシアにクリミア半島を侵略され、領土を奪われ、数万人の犠牲者が出ました。

ウクライナ人は、その時にやっと目を覚ましたのです。今まで戦争が起きなかったのは、強い軍隊を持っていたおかげだったのだと。そして、最終的に平和を守るのは、紙切れに過ぎない条約などではなく、国軍なのだと気づいたのです。しかし、今さら理解したところで、既に亡くなられた方々は戻ってきません。

日本人の皆様がウクライナと同じ轍を踏みたくないとお思いであるならば、政治家の空想的な言葉に耳を傾けるのではなく、こういった外国の実例にこそ目を向けた方が良いと思います。
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『トークライブ 今こそ問う!日本の「平和」と憲法改正』より引用)

昨年2月に起こったロシアによるウクライナ侵略。そこから約1年は6ヶ月が経つ今もなお、ウクライナは祖国を守るために戦い続けています。

国家の命運およびウクライナ国民の命を懸けた戦いに、私達日本人は何を見るべきでしょうか。
ウクライナの出来事は決して空想ではない。“現実“なのであり、そして対岸の火事ではないことを真剣に受けとめなければなりません。

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