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門前日誌レビュー[その2]

前回のレビュー[その1]の続きです。

日光の門前町に「関わる」若者たちの綴る日誌。
冊子化した巻の壱には12の記事が収録されています。
その記事一つ一つをレビューしてみています。
今回は中間の4つを。

「通う場所から、帰る場所へ」髙橋(2021年6月26日)
ついに、日光の門前町に暮らすことになった髙橋くん。なんと、新居では樹齢350年をこえる江戸期から門前町を見守る枝垂れ桜と同居することになりました。
その喜びとともに、自分の暮らす場所に余白を作りたい、との意思が語られます。
暮らしを整えながら、様々な関係性を築ける場所になると良いですね。
とにかく、その後の暮らしに夢が広がる日誌になっていました。

「日常と非日常」髙橋(2021年7月17日)
観光地としての「顔」の裏側には、地元の暮らしが存在している日常を発見したこと、しかし、それらが自分の地元の日常とは違ったことも発見したと語られます。
その中でも「祭り」の存在について特に興味を持ったようですね。弥生祭や登拝祭。高橋くんが見た日光の祭りの風景が彼のそれまでの環境の中にはなかなか無かったものなのでしょう。
ちなみに、私の中ではその辺を「異日常」と呼んでいます。(長崎のJ.T.氏から教わりました。)
そこから、コロナ禍を踏まえて伝統の継承についての危惧が表明されています。
まずはこの日誌やその他の活動で、その辺を記録し伝える役割を是非お願いしたいと、影ながら?思っています。

「サンフラワー通り」髙橋(2021年7月31日)
髙橋くんの住むエリアには、サンフラワー通りという商店街があります。見聞きしたことから、その往時の姿を想像しているようです。
そういうことを記録しておくことも大切ですよね!
野菜の移動販売が来ることや、井戸端会議の風景もあることなど、暮らしの中で見つけたそうで、横町(横丁)の魅力にも気づいたようです。
「観光の道と生活の道のギャップ」と書かれていますが、言い得て妙。
大通りと横町や町裏のギャップの激しさが面白くもあり、諸課題の原因の一つでもありますね。
楽しみながら、横町や町裏の魅力をもっと増幅できる企画、できないですかねぇ?

「野望」宮崎(2021年8月3日)
日光出身で現在は仙台に住む宮崎くん。
「野望」というタイトルですが、職場で教わった目標の立て方や、自らが高校時代から持っている目標や思いが語られます。
現在、自分の置かれた環境で経験し学んでいることをベースに、それを地元・日光で活かしたい!広めたい!という熱い意気込みが、十分に伝わってきます。
建築やデザインの技術をもって、まちをより良くしていって欲しいです。
門前日誌を綴りながら、是非その実現に向けて歩んでいってくださいね。
(離れていてもこの取り組みに参加してくれているのが嬉しいです。)
相変わらず彼の描くイラストは可愛らしい。

この中間の4つの記事では、思いや目標、夢、決意表明のようなことが多く登場しているような印象です。
…その辺はオジサンになるとなかなか語れない。気がつけば現実に擦り合わせばかりしてます。
大きく膨らませて、小さなことからひとつひとつ取り組んで行きましょうね。

NPO法人日光門前まちづくりnote部 | 岡井 健(世話人)

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