見出し画像

まちの新陳代謝

久しぶりに門前日誌のために書いてみる。

【新陳代謝】
1.新しいものが古い(=陳)ものと次第に入れ替わること。
2.(生理)生物体が生存に必要な物質を体内に取り入れ、用済みとなった古い物質を体外に出す現象。物質代謝。

新陳代謝について辞典で調べると、こうある。

まちも新陳代謝を繰り返しながら、長い時間存在する。
大概において、増減やそれと別の意味での変化をともないながら。

人(住民)の入れ替わりはもちろんのことだが、店の入れ替わりが分かりやすかろうと思う。

画像1

日光の門前町はそうした入れ替わりのサイクルが長く、空間(土地や建物)が「動かない」まちであったイメージが強い。
しかし、ここ5年〜6年で、観光・インバウンド需要と連動するように、新たな店舗が増加し、特にここ数年うちは(日光門前にしては)著しい変化があった。

自然の成り行きではあるかもしれないが、現在進行中の大通り沿いの道路拡幅整備事業とも連動しているだろう。
まちにとっては、そうした「変化」も歓迎すべきことだろう。

ただ、一方で、それまでまちに定着してきた様々なものを見逃して、あるいは、蔑ろにしてそれらが成り立つようなことは、本来望むべきではないだろう。

暮らしの中の作法や、まちの辿ってきた時間の中で育まれた様々な文化。
既存のコミュニティや組織との付き合い方。

新しいものは尊い。
しかし、同じように古いものへのリスペクトが必要なのだと思うが、どうしても忘れられがちになる。

例えば、自分の事業のことだけ考えているような事業者がまちに増えると、一見賑やかに、華やかにはなるが、本質を見失い、時にはそれを手放すことと同じ意味を持つようになる。

まちの新陳代謝には、
・バランスを保つこと
・コーディネート役が必要なこと
この二つを忘れてはならないと思う。

…必要とわかっているのであるが、モヤモヤしながら、前進の為の策を練っているところだ。

NPO法人日光門前まちづくりnote部 | 岡井 健(世話人)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?