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ツアーは最高の教育現場

マレーシア、シンガポールとITFジュニアの2週間の遠征に行っていました。

ITFジュニアとはテニスの国際ジュニア大会。年間で約800大会、世界各地で開催れており、最高峰には全豪、全仏、全英、全米の4大大会ジュニアが開催されている。

国際大会は全て1週間を通じて行われます。月曜日が1回戦、決勝戦は日曜日というように、グランドスラムは2週間ですが、1週間、1大会。選手達は年間を通じてランキングを上げて少しでも高いレベルで戦える環境を目指して遠征を繰り返しています。

これをツアーと呼んでいますが、私たちはツアーでどう生き残るか?いわゆる年間を通じてどのようなパフォーマンスに取り組むかを重要視しています。

ジュニア選手でも低年齢からツアーで生きる経験を積んでおくことがプロになるためには重要と考えています。

ですが、

実はプロになりたい選手だけが、海外遠征、ITFをまわっていくのか?そうではないと思っています。

ツアーでは様々な不確定要素の課題を自分で解決していく力が求められます。

- 納得いかないことへの柔軟性
- 予測できないことへの適応力
- 様々な出来事への決断力
- 心がいちいち囚われない鈍感力
- 興味のないことへの好奇心


上記の能力を私の中での基礎能力と勝手に呼んでいます。

これらの能力を身につけるにはまずは時間が必要です。
快適な場所から、ストレスのない場所から身につく能力ではありません。

次に必要なのは場数です。いわゆる経験の数が重要です。
低年齢は感性が鋭いので基礎能力は経験すればするほど身につく傾向があります。

そしてこれが結構大事だと思うのは誰といるか?つまり環境です。
これらの能力は無意識では身につきにくく、意識して常に対話しながら進めていく必要があります。

正直、こういうメンタル的な話は選手達にとって耳の痛い話ばかりです。
伝える方もかなり労力を必要とします。また、伝える側(大人、指導者)の描くビジョンに子供は影響されるので、どういう大人の近くにいるかという環境も重要
なのかとも思っています。

もちろん、ツアーはテニスの試合をしに行くわけですので、試合が重要で、結果を出しに行くことが1番の目標です。結果によって行動も変わってきます。

一方で、試合以外の時間より、それ以外の時間の方がツアーでは断然長いのも事実です。オンコートで基礎能力を鍛えるのは当然ですが、それ以外の時間、ツアーではオフコートがなによりも重要であり、それらを意識的に鍛える必要があるということ。

また最後に加えて伝えていることは、一般的な社会で起きていること、テニスの試合で起きていること、更に深掘りするとツアーで起きていること、つまり結果を出すために必要とされる能力は「瓜二つ」だと次世代の選手達へは伝えています。

ツアーは次世代のグローバル人材への最高の教育現場なのです。

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