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【一級建築士】花畠マル秘ノート<構造編>基礎構造②【重要】

(1)杭基礎

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杭基礎については毎年2問出題されています。確実に得点したい部分です。なぜかというと、科目「構造」の解答順からこの2問をクリアすると精神的に楽になるからです。ここでつまづくと残りの20問からの取りこぼしが増える傾向があるのです。

下図と一緒に見てください。杭基礎は支持層(N値=60以上は60とする。)しっかりと建築物を支えてくれるように杭を打ちます。

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杭基礎で支持地盤に到達している場合は、先端抵抗力と杭の摩擦力の合計が杭の支持力になります。杭には3種類ありましたね、施工編でも述べていますので、そちらも見てください。打込み杭は既製杭を上からハンマーのように打込んでいく杭です。比較的建築物が軽く杭の深さが浅い時に使います。一番安価で工事も簡単です。次が埋込み杭です。既製杭を掘削した穴にセメントを入れて固める方法です。場所打ちに比べると安価ですが施工の手間は打込み杭よりは増えますね。この二つは摩擦力(極限周囲摩擦力)に期待するやり方です。勿論、先端支持力(極限先端支持力)を加えて設計しますが、N値が小さいため小さいです。文章問題で出題されるので、大小関係はしっかり押さえてください。

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何か難しい計算式がいっぱいありますが、N値と杭先端断面積の積が支持力で、それに計算による摩擦力を加えたものが杭の支持力(ひとつ前の図の考え方と同じ)です。計算式を見ると①先端の有効断面積②先端付近のN値の平均値③杭周辺の摩擦力が関係しています。軟弱地盤は載荷試験による極限支持力のみで、摩擦力は考慮していません。

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(2)負の摩擦力

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支持地盤に達した杭は、地盤沈下の恐れのある軟弱な地盤を貫通する場合に、摩擦力に負の力が発生して中立点で軸方向力が最大となります。そのため、杭の設計時に杭が最大点で折れないように支持耐力を検討する必要があります。これも必ず文章問題で出題されますので、しっかり押さえましょう。

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杭同士の間隔に基準があることを覚える。特に一つのフーチングに対して複数杭で支えるときは要注意

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既製杭は、必ずジョイントが出てきます。7m以上は運搬できないという道路交通上です。ミリ単位の目違い(すきま)が規制されています。目違い量が2mm、ルート間隔が4mmです。セメントミルク工法の場合は根入れ深さ1m以上と余盛量0.5m以下という値があります。以上、以下を間違えないように覚えてください。ブレボーリング工法は、根入れ量が1D以上、余盛量は、今度は1~2D以上と、以下ではありませんので注意してください。

どうやって深さをチェックするかというとオーガー掘削時の抵抗電流値や支持層とされる土質調査(試験杭等)で決定しています。これは施工でも出題されますのでしっかり押さえておきましょう。

(3)杭の水平耐力

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杭頭は固定端として曲げモーメントに耐えるように計画します。。自由端だと杭が折れるのです。(杭途中で最大曲げモーメントが発生する)鉄骨構造でも杭基礎と柱を接続する部分は厳格なルールを用いて固定端になるように決められています。基礎底面は50cm以上の余盛理が必要で、あとではつり取ります。これが邪魔になるんです。コンクリートの塊ですので、クレーンで持ち上げて、仮置きして破砕します。最近ではこれを再利用(砕石利用します)しています。

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(5)杭の引き抜き抵抗力

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杭は、地下水位以下に存在するので、地下水位による浮力を加味する(減力する)

(6)群杭

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基礎(フーチング)を複数の杭で支える場合の留意点です。ここはよく出題されます。場所打ち杭としない場合のやり方になります。既製杭は細いので重量の重い建物は支えきれません。そのため複数の杭を打って上部のフーチングと呼ばれるところでまとめます。粘性土の場合は摩擦力を杭同士で重複してしまうため、支持力が小さくなります。砂質土は締固め効果というものが発生して支持力が大きくなります。地震時は水平方向のせん断力を前方の杭が負担する格好となり後方の杭が分担して負担できなくなります。そのため複数杭を打っても水平耐力は前方杭で安全性を確保しなければなりません。

(7)杭基礎設計の留意点

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直接基礎と杭基礎の併用、既製杭と場所打ち杭の併用は避けること!と覚えましょう。文章問題で出題されます。

(8)杭材の許容応力度(場所打ちコンクリート)

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法規上の杭の許容応力度。短期は長期の1.5倍というところを覚えてください。そのほかはs出題されないと思います。

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