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社員全員が独立採算制で成り立つ会社の仕組み | MOLTS

おはようございます。今日もnote in ロマンスカーです。

最近出張で新幹線に乗る事がちょこちょこあるのですが、新幹線って圧倒的に早いですよね。東京⇔小田原間が約30分。ロマンスカーだと新宿⇔小田原間が約80分。さすが夢の超特急!圧倒的な時間の差…!!

でも、個人的にはロマンスカーの方が好きです。80分ってただスマホ弄るには長すぎるし、ちょうど集中力を持って一つの事に取組める良い感じの単位なんですよね。そしてロマンスカーはどんどん新型が出るのでとにかく社内が綺麗で気持ちいいです。車内のトイレにウォッシュレットがあるこの幸せ…!

さて、本題とは全然関係ないロマンスカーが好き!な話は終わりにして、今日は株式会社MOLTSさんがやっている「社員全員独立採算制」という面白い取組についてご紹介したいと思います。

このスライダー見れば全部分かるんですが、個人的にとても共感&感動したので、なんで自分がそんなにこの仕組みに良い衝撃を受けたのか?をこのnoteを書きながら自分自身で深堀してみたいと思います。

株式会社MOLTSについて

https://moltsinc.co.jp/
このスライドを読むまで知らなかったのですが、元LIGの執行役員だったそめひこさんがやっている会社なんですね。元LIGさんだけあって、デジタルマーケティングを軸にやっている会社さんのようです。メンバーとかを見ても「優秀そうな人たちや…!」という面々。

MOLTSは、デジタルマーケティングを軸とし、各分野に精通した経験豊富な実績を持つメンバーで構成されたプロフェッショナルなチームです。

私たちの事業は大きく分けて3つ。1つ目は企業課題の解決や事業成長を加速するために、パートナーとしてプロジェクトに参画する「エージェンシー事業」。2つ目は既存サービスや事業をもつ他社に出資し経営に参画、サービス・事業を拡大させていく「ハンズオン事業」。3つ目は自己資金を元手にゼロからサービスや事業を創り出す「自社事業」です。

https://moltsinc.co.jp/culture
このページ下の方の会社の制度の部分とかもとても面白いですね。

全員独立採算
プロジェクト社内売買
コミット&インセンティブ40%
経費枠5万自由決済
個人指名制
出社義務なし
週間社内ミーティング
月一全社飲み会
あしたのジョー賞

タイトルだけでも「働いてみたい…!」と思わせる内容です。私が所属している会社でもこういう魅力的な制度きちんと作りたいな。

全員独立採算制ってどんなもの?

それでは具体的にスライドを読んでいきます。まずは会社の「利益」についての説明から。

利益には「①売上純利益」と「②経常利益」があって、②は①から「販管費など」を引いたもの。ふむふむ。

①はいわゆる粗利で、売上から外注費(仕入れ)を引いたものなのね。②は①から更に私自身を雇うのに必要な人件費・交通費・家賃といった販管費を引いた最終的に会社に残る利益。とても分かりやすい。


それでもって、メンバー(一般社員)が見るのは「①売上総利益」で②を見るのは経営者だよ、という役割分担が非常に分かりやすい。社員一人一人が家賃とか経費までを含めて「会社に幾ら残るか?」を考えるのはちょっと手間がかかり過ぎますもんね。

一人ひとりの収支表がこちら。こちらの表で売上から原価を引いた②売上純利益が自分が稼いだお金になります。

ここまで読んできてとても合理的な仕組みだな!と思いつつ、これだけだと問題がある事が想像できます。

1, お金になる案件を独り占めして、悪い場合には足の引っ張り合いが生まれてしまう。

2, 一人で受けれる規模ではない案件に対応することができない。

個人に「お金を稼ぐ」というタスクを強く与えすぎると、チームワークが阻害されたり、個人主義が行き過ぎた結果として足の引っ張り合いが生まれしまうという組織あるあるです。

そして勿論こんな懸念にもきちんと答えが用意されています。仕組みを考えられる人って本当に素敵。


凄く当たり前のことですが、クライアントから何か仕事を受けた時、クライアント対応、企画、ディレクションは私がやるから、デザインと構築はWebデザイナーのAさんにお願いするという事があります。

このAさんが外注だったらここに「いくらコストがかかっているか?」を意識しますが、社内だとあまり意識しない事が多くないですか?私はあまり意識していないですね。。

この仕組みなら「営業的な能力の高い人が仕事を取ってくる」という事と、「専門職的な役割の人(エンジニアなど)」がMOLTSの独立採算制の下でもきちんと評価されてお金を稼ぐことができます。実に明快な仕組みですね。

自分の貰っている給与は妥当なのか?

皆さんは自分の貰っている給与に満足していますか?自分の働きに対して妥当な金額だと思っていますか?

私は社員が4人しかいない零細企業で、各人がきちんと毎月売上&粗利を上げないとすぐに「会社が潰れる!」という環境にいる為、以前より随分意識するようになりましたが、昔働いていた会社とかだと「お前の給与は25万な!」と言われて、はぁそうなんですね、位な感じで、その金額の分自分が仕事をできているのか?貰っている給与が高いのか低いのかも良く分かっていませんでした。

MOLTSさんの給与システムはこれまた単純明快。各人の売上総利益が基準にあって、その40%が給与になるとのこと。(給与の2.5倍売上総利益を上げると自分の雇用にかかるコストを回収しつつ、会社に対しても少し利益を残せるという感じなんでしょうね。)

40万円の給与を貰おうと思ったら売上総利益が100万円必要で、これがコミットライン。この金額は社員全員に共有されていて、そのコミットラインを越えた分はインセンティブとして支払われるとのこと。

3ヵ月ごとに自分の働きに応じたボーナスがある感じになっていいですね!(勿論コミットラインを越えないとダメですが)

とここまでスライドを紹介してきて思うのは、MOLTSさんではとにかく会社のお金と自分が受け取る給与の関係が凄く分かりやすく可視化されているという事。これって目標を達成していない時はプレッシャーにもなりますが、生産性を上げるという意味でも凄く効果がありそうですよね。

MOLTSさんの仕組みの問題点を上げるなら?

MOLTSさんは「本当は一人でも生きていける奴らがそれでもMOLTSでやっていく。」を会社としてのテーマに掲げている為、こういった仕組みで問題ありませんが、この仕組みは「既に何らかのスキルをもった人たちの集まり」であるMOLTSさんだからこそ可能で、新卒採用とかをやるような企業には向いていません。

また、完全な事務職の様な人にこの制度を適用する事は難しいですし、会社の仕組みを考える(マネージメント含む)という仕事に対しては給与が発生しないので、管理職というものは存在できない感じですね。プレイングマネージャーはOKだけど、完全なマネージャーだと給与が貰えなくなっちゃう。

私が所属している会社の場合は「未経験の人を採用して育てる」ことに力を入れているので、この仕組みをママ導入する事は出来ませんが、社員一人ひとりが自分の稼ぎ、給与の妥当性を意識する事で納得感を持って仕事ができることや、生産性の向上に繋がることなど、この制度を導入することのメリットも多く感じるので部分的にでも導入できないか考えてみたいです。

さいごに

このスライドを読んで私が感動した一番の理由は「分かりやすい仕組み」にあります。私は世の中で何か問題が発生した際、多くの場合その問題の原因は「個人」にあるのではなく「仕組み」にある場合が多いと思っています。

ex. 例えば中学校の先生が労働時間が長くて大変なのは、その先生個人の働き方が悪いわけではなく、授業を教えるという仕事以外に、生徒の心のケアや、部活動の顧問まで担当する必要があるという「仕組み」に問題があります。

こういう問題に対して対処療法的にルールを追加する事で対応する事は良くありますが、根本的な問題を解決する「原因療法」を行う事ってとても難しく、それが出来ているMOLTSさんの取組にはとても感動しました。

「対処療法」ではなく「原因療法」

これが出来る人って殆どいないと思うので、そういう考え方ができる様に普段から意識していきたいなと強く思います。

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