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自己紹介 〜猫と私〜

幼少期から猫に対しては少し怖いイメージを持っていました。暗闇で光る目とか、鋭い爪で引っ掻くとか、シャーと言って怖い顔をするとか。それに野良猫って地域も厄介者と見られていたり…(猫には一切の責任は無いんですけどね)
仕事でも主に犬に関わってきたのですが、フリーランスになって以降は、自治体のセンターや猫の保護団体さん、TNR活動を取材することも増え、猫との接点が増えるました。そしてその認識は一新されました。

出会う猫たちは人慣れしている子、とても人懐こい子、まだシャイでなかなか顔を見せてくれない子と様々ですが、保護団体さん、ボランティアさん、飼い主さんともお話しする中で「次に暮らすなら猫だな」と漠然と考えるように。犬よりも関係性が多様な感じがしたのも魅力的でした。犬は人にべったりで、ネガティブな言い方をするとテンションが高くてウザい一面も。でも猫は自立しているように感じたのです。

そんな僕が猫をより身近に感じるきっかけをくれたのは1頭の黒猫でした。
ある朝、知人から着信が入りました。普段はメールやSNSでやり取りする人なので、おそらくご家族と間違えて(忘れ物したよ!とか)僕にかけているんだろうと思いメールで返信したところ、1枚の写真が送られてきました。ちょうど千葉にある専門学校へ向かう電車の中だったので通話もできずメールでのやり取りが続いたのですが、植え込みの前に黒い塊が写っており『ミャーミャー鳴いています』と。

自分では歩けないほどの本当に小さな子猫です。きっと母猫が運んでいる最中に何かあり、その場に置いて去ったのだろうと思い「近くに母猫がいるはずなので、探してみて貰えますか?」と。少し経って、ご近所を見て回ったけれど猫はいませんとの返信。
この子を放置したら生き延びられないと判断し「これから動物病院へ連れていって貰えますか?」と依頼。その方のご家族が猫アレルギーなので預かることは難しいとのことで、夕方までには預かり先を僕が探しますので、それまでの間お願いします!と伝え、ちょうど僕が作った紙面『目の前に子猫が現れた時にどうする?』のリンクを送りました。
その方が愛犬のかかりつけ動物病院へ連れて行ってくださり、体重は90g、生後1〜2日であることが分かりました。

急いで預かってくれそうなボランティアさんたちに連絡しました。子猫がまだ少ない時期だったこともあり、大変なら受け入れますよとのお返事をいただき一安心。その時にふと考えたのです。普段からフォスターや動物ボランティアになりましょう!と呼びかけ、講座を開催し、講師のお話を聞いている身として、今回は自分が実践するべきなのでは?と。直近、泊まりの遠出もなかったので自分がミルクボランティアをしてみよう!と決心しました。
SOSを出した皆さんからも『何か分からない事があったら、いつでも良いので連絡してね』と言っていただけたので、「僕が預かります」と保護してくださった方に連絡しました。

しかし我が家には何も猫に関する物資がありません。取り急ぎ買い揃える必要があるのは粉ミルク、哺乳瓶、猫のキャリーケージかなと考え、途中にあるペットショップで買い求めました。そして当分髪が切れなくなるかもと考えカットして貰いました。
電車の中でも必要になるであろうカイロやウェットティッシュ、ティッシュペーパーなどを通販サイトでポチポチ。
引き取った後に当面のかかりつけ医になってもらう動物病院へ連れて行かなくてはならないけれど、離乳前の子猫を診てくださる獣医師さんが自宅の近くにいるのだろうな?とベテランボランティアさんに相談。当時住んでいた新宿区ならこの病院と教えて貰い「生後間もない子猫を連れて行くので診てください」と連絡。

電話に出た受付の方からは『飼ってくださるんですか?』と聞かれたので「責任を持って預かり、飼い主さんを見つけます」と答えました。『連れて帰ってくださいね』と繰り返し言われたのを覚えています。きっと、子猫を見つけたので後はお願いします!と動物病院へ置いて帰る人が多いのでしょう。取材先でもよく聞く話でもありました。

そんなこんなで連れて行く動物病院も決まり、子猫を受け取りました。本当に小さな身体で、頑張って鳴いています。お母さんに自分の居場所を知らせているのかなと思うと切なくもありましたが、放置しては生き延びられません。
幸いにもベテランボランティアさんから教えられた動物病院は自宅から徒歩10分くらいの場所でした。診察して貰い、特に低体温でもないけれど母親からの初乳を飲んでいない可能性もあるので母体移行免疫が無いかも知れないので、元気に育つかどうかは頑張り次第ですね、と。

こうなったら、講座でいつも聞いていたことの実践あるのみです。とにかく保温と哺乳を心がける。ベッドで寝ると熟睡してしまうのでソファーで寝る。排泄の介助と授乳のために2時間おきにアラームをかける。
鳴き声がすると「眠れないのかな?」と思い、静かになると「息をしている?」と心配に。初日はとても2時間も寝ていられず。
ミルクをあげるたびに体重を測るのですが増えていると嬉しい一方、次に飲ませるまで生きていてくれるだろうか?と。自分のミスで死なせてしまうかもしれないと思い、SNSには預かって1ヶ月経つまで載せられませんでした。

お陰様でよく飲み、よく出し、よく寝てくれる子で、途中目ヤニが出たので動物病院へ連れて行き目薬を出して貰った以外は順調に育ってくれました。
当時は今のようにテレワークが出来る環境でも無かったので、預かった翌日から子猫を連れて、ミルクの道具を一式持ち、取材先や業務委託を受けている事務所への移動する日々が始まりました。行く先々で可愛がって貰い、とても人懐こくて、移動に慣れた猫に育ちました。
そんなこんなで約3ヶ月、ほぼ常に一緒に過ごした後、少し大きくなった黒猫さんは知人のところへ貰われて行きました。その後の話を聞くと、中年の男性が好きな猫に育ったそうです。やっぱり刷り込みってあるんですかね…

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