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教養が身につく「蓄える勉強」5選 (今だからこそ、おうちでできるちょっと変わった勉強の提案 その2)

今回ご提案する勉強は、今だからできるというよりは、比較的時間に余裕のある今スタートして、今後継続していくと良いのではないかという勉強の提案です。

今回に限らず、基本的に私が提案する勉強法は、ちょっとした時間にできるものばかりです。今のような非常時でなくても続けられます。

「蓄える勉強」もしていこう

勉強の系統的には溜める系。蓄える系と言っても良いでしょう。蓄える系の勉強は日々の少しずつの積み重ねが次第に大きな成果につながっていきます。

これまで指導してきた生徒達だけでなく、一般的にも学生のやる勉強というのは、「解く勉強」の割合が多すぎるような気がしてならないのです。

「解く勉強」は言い換えると問題を消費するだけの勉強です。大量に消費することによって、何の工夫をしなくとも力がついてくるというメリットがあります。

しかしそのことが多くの人を勉強から遠ざけてしまっているのも事実だと思います。

勉強はたくさんやったもん勝ち。たくさん問題を解いた人が成績が良くなる。要するに好きなことを我慢して、机に向かう時間を多く作った人だけが勝負に勝てる。そんな風に思ってしまっている人が数多くいるのではないかと思います。

それは大きな誤解です。たくさん問題を解いた人の成績が良くなることにそれほど異論はありませんが、机に向かっている時間以外に、「学び」につながる何かをしているかどうかが肝心なのです。

日常に「学び」は無限に転がっています。大事なのはそれに気づくこと。そして、忘れないように書き留めて整理しておくことです。このひと手間で差がついていきます


前置きが長くなりましたが、今回はそんな「学び」ができるようにするための具体的方法を5つ紹介します。基本的には書き留めてどんどんそれを蓄えていくことになります。自分だけのオリジナル教材を作っていくわけです。

初めは手応えが無いかもしれませんが、リストアップしたものが溜まっていくことにつれて、そのこと自体に充実感や楽しみを覚える人もいることでしょう。そしてそれを日々眺めて、教養を深めていっていただければと思います。

そうやって積み重ねていった教養は、後になって必ず何かの科目を理解するのに役立ち、学力アップにつながります。またそれだけでなく人とのコミュニケーションの土台となったり、世の中を理解する助けとなることも期待できます。


①【出会ったカタカナ語リスト作り】(学生全般向け)

本でもテレビでもネットでも街の中でも、とりあえず見かけたカタカナ語が何語の言葉なのか、日本語でどんな意味なのかを調べてノートに書いておく。

よりレベルの高い学びをしてみたい人は語源なんかも書き留めておくと良いでしょう。言葉同士の意外なつながりを発見できるかもしれません。

②【英単語リスト作り】(中高生向け)

カタカナ語と同様、見かけた英単語をまとめておく。特に中高生は英語の得点力に直結するので、どこで見かけた単語なのかもメモしておくと記憶を引き出しやすくなるでしょう。

ルーズリーフを26枚用意して、アルファベット別にまとめると整理しやすくなるはずです。

中高生向けとしておきましたが、興味があるなら小学生がやっても構いません。英単語力は中学高校時代の悩みの種の1つになりますので。

③【好きなことに関する漢字ノート作り】(学生全般向け)

自分が興味のあることについての本やネットの記事などを読み、出てきた漢字を含んだ言葉をノートに書いていく。特にまだ読めない、まだ書けない漢字を含んだ言葉を優先して書きましょう。

勉強として与えられた漢字を覚えるのではなく、興味があることの漢字を探して整理してみるという作業であれば、漢字練習の意識も変わることと思います。

興味があることを通して、知っている漢字や書ける漢字が増えていけば、学校で新たに習った漢字を見たときに、「あの漢字に似てるな」とか「あの漢字のパーツと同じだ」みたいな感覚が生まれてきて、覚えが良くなります。

④【都道府県ファイル作り】(小中学生向け)

ニュースで出てきたこと、本で見かけたこと、スーパーで買った食材に書いてある生産地、興味のある人の出身地、などなどやはり見かけたものと関連する都道府県についてまとめていきます。

これも英単語リストと同じように、47枚ルーズリーフを用意して、都道府県別にリストアップしていくと良いでしょう。

自分が知っていることが予備知識としてあると、何かを新たに教わったときに頭の中で結びつきやすくなります。

例えば自分の好きな芸能人が〇〇県出身だとして、そこでこんな作物が採れるということを学んだときに、その芸能人と作物が頭の中でリンクするようになるわけです。そのようなリンクをたくさん持っている人は記憶力、暗記力が高くなります。

⑤【世界の国ファイル作り】(学生全般向け)

これも都道府県ファイルと同じような作業ですが、世界の国全てを扱うことにはならないと思いますので、何かしらの情報で出会った国から、国ごとにルーズリーフを用意してその情報を書いておき、ひとまず国名の50音順にでも並べ直してファイルに整理しておけば良いでしょう。

ある国の名前を聞いて連想できるものが何も無いと、学年や科目を問わず、国際的な話題について行くのが難しくなります。


勉強メニューの紹介は以上です。興味のあること、力をつけてみたいなと思うものから始めてみましょう。家族で協力しながらやっても良いかと思います。

リストアップして整理するというのも立派な勉強です。そしてそれを何度も眺め、ふとした時に思い出すようにする。時にはそれが漢字で書けるか試したみたり。

ここに挙げた以外にも、目的に応じて、また興味に合わせて色々と書き溜めることができる練習メニューは生まれてくることでしょう。

たくさんの知識を身の回りのものから蓄え、何度も見直す。その習慣は大人になっても役立つはずです。

そのような作業自体を長く続けていくに越したことはないのですが、その作業を絶対に続けていきましょうなどと言うつもりはありません

このような勉強の先に

この作業の目的は、何かの科目のレベルアップのために予備知識として役に立たせることだけでなく、日常に勉強に役立つものが転がっていることを意識できるようにすることなのです。

そのような習慣がついてくると、それがやがて問題意識の高さにつながっていくことと思います。与えられた問題を解くだけという思考回路ではなく、自分から世の中にある「問題」を見つけていく。もちろんその「問題」というのは理系的、文系的、あらゆる方向の問題です。

「当たり前に受け止めてしまっていることだけど、何でなのかなあ?」「何でもっとこうしたりしないのかなあ?」というように、いわゆる「常識を疑え」という発想にもつながってきます。

顕在的であれ、潜在的であれ、世の中の問題を見つけられる人が1人でも多くなることがより良い世の中を作っていくはずです。

問題というものは見つかって初めて、その解決策や改善策を考え出すことが始められます。世の中にはまだそれが十分でない問題、まだ問題として認識すらされていない事象が数え切れないほどあることでしょう。

現在誰かを困らせていること、将来誰かを困らせるかもしれないことの中に、問題として認識されておらず、その対策が考え出されていないことが山ほどあるわけです。「誰か」というのは人類単位のことも含んでいます。


大層な話になってきましたが、ちょっとした作業を始めるだけで、可能性は無限に広がる。そんなことをお伝えしたいだけです。

軽い気持ちで踏み出した一歩が、個人としての成長につながることはもちろん、多くの人の助けとなるところまで昇華していくことを願いつつ。

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