受験生が最後に手に入れるもの
久しぶりの投稿となります。
今年度は特に6年生の教え子が多かったため、記事を投稿することなく指導に集中していました。
先程の授業をもって今年度の受験対策も無事に終了し、あとは結果を待つのみとなります。
と言いたいところですが、ここから受験した学校の合否を踏まえて受験終盤の動き方を話し合うことも多いため、指導している子全ての進路が決まるまでは気を抜くことはできません。
合格不合格、果たしてどの学校に行くことになるのか、そのことで頭がいっぱいになっている親御さんも数多くいらっしゃるはずです。
追い込みのこの時期だからこそ、受験を意識し始めた頃のこと、4年生の頃、5年生の頃、そして半年前とはいえ、もはや遠い記憶かもしれない6年生の夏休みくらいまでのお子さんの姿を思い起こしてみましょう。
それぞれの時期にそれぞれの思い出があることと思います。
その姿を頭に浮かべながら、今のお子さんの頑張っている姿を見てあげてください。必ずや大きな成長を遂げているはずです。
もちろん自然と成長する部分もありますが、受験に挑んだからこそ、ここまで頑張ってきたからこそ身につけたものがたくさんあります。
その成長した姿を見て安心するような気持ちがあって良いはずです。
「どこの学校に行くことになっても頑張ってくれるだろう」と。
様々なことを犠牲にして頑張ってきた本人、実際に中学に通う本人にとっては、一つひとつの結果に一喜一憂するのは仕方のないところです。この先の人生の流れなど予想もつかないわけですし。
一方、周りの大人はサポートはしてきたものの実際に受験勉強をしてきたわけでもなく、合格した中学に通うわけでもなく、ましてや人生が中学受験だけで決まらないことをよく知っておられることでしょう。
お子さんの成長を認識し、この結果で全てが決まるわけではないとわかっていたら、おおらかな気持ちで本番を迎えることができるはずです。
そしてその余裕がお子さんの戦いにも良い影響を与えるはず。
親御さんが結果を恐れていたり、悪い結果に落ち込んでいたら、お子さんはますます力を出しきれなくなってしまいます。
うまくいっていない時ほど明るく目の前のことと向き合う。そのような姿勢を見せることが、親御さんからお子さんへの教えになるかもしれません。
お子さんが受験生として最後に何かを学ぶのは、塾の先生や家庭教師の先生からではなく、親御さんからということになるわけです。
お子さんは親御さんの姿を見ているはずです。どんな結果でも前向きに受け止め、お子さんの頑張りを労ってあげてください。
そして悪い結果でも落ち着いて、前に広がった道の良さ、進学することになった学校の良さを見つけてあげてください。
なかなか良い道に見えなくても、「あなたならこの道を良い道にできるよ」と自信を持たせてあげてください。
お子さんが受験の最後に手に入れるもので最もありがたいのは、合格ではなく親御さんからの信頼だと思っています。
「あなたなら大丈夫」
心からのそのような言葉をかけてもらうことが、お子さんにとっては何よりのご褒美になると思います。
そのご褒美をもらったお子さんは、自信を持って次のステージに進むことになるでしょう。
そんなプロセスがあると、中学受験は理想的な終わりを迎えます。
長い間同じ目標を持って歩んできた親子も、お互いを信頼することで「親離れ」「子離れ」を果たし、それぞれの新たな生活がスタートしていきます。
昨年度も先行き不透明な受験となりましたが、今年度はさらに輪をかけて難しい状況と言えます。
ここまで頑張ってきた受験生、伴走されてきた親御さんもゴールまであと少しです。
そしてあと少しだからこそ細心の注意を払って、これまでに身につけたことを全て発揮できるように心がけてほしいと思います。
少し早いですが、この受験に携わった全ての方々、本当にお疲れさまでした。皆様にとって素晴らしい受験となることを切に願っております。
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