チャヴリン

絵マツモトコウヘイ 話ひらいけんいち

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最近の記事

彼らの顔

月、おじさん、ライオン この3者は完全に 生命の終わりに近づいている。 そんな頃にある旅人によって撮られた 1枚だ。 ---- この3者は常に近くで お互いの存在を認識してた。 月が最初に この世に生まれ ずっと後におじさんが生まれた。 それを月は見届けた。 そのまた後に ライオンが生まれた。 それを月とおじさんが 見届けた。 そしてライオンは周りを キョロキョロしたとき、 おじさんの存在を知り 夜空を見上げた時に 月を知った。 どうして旅人がこの 写

    • オレはフーテンのトラマンよぉ。

      トラマンは人間で いうところの高校生になる頃 とある田舎街を出たもんよ。 トラマンは トラである母が 産声を上げたばかりのトラマンを 人間の民家の前に 「どうかこの子を」という 置き手紙と共に置き去りに されたのよ。 トラマンはこの 民家に住む人間の男と 虎の女の子供だった。 人間の男が 虎と浮気をして 産まれた子だった。 だけど 産まれてきたトラマンに 罪はない。と 人間の男の本妻は 優しい笑顔で 目に涙を浮かべ トラマンを抱き抱えた。 そしてソッと オリに

      • オレはエディーマーフィー

        オレはエディーマフィー 今全力でカーチェイス中だ。 Sサイズのコンビニコーヒーカップに Mサイズのコーヒーを注いでいたら そのイカサマが見つかってしまった。 こんな事で車に乗って 逃げるオレもオレだが、 追いかけてくる店員もイカれてやがる。 もう30分ほど 奴はオレを追いかけてくる。 コンビニの会社名が書かれた車で 乱暴な運転でオレを追いかけてくる。 この令和時代にとんでもない 会社が残ってたもんだ。 バキューン バキューン!! おい!聴いたか? 今の

        • メイくまーとは、戦うな

          あいつは、メイくまー なんだよコイツ。 こえーよ。 倒しても倒しても 何度も起き上がってきやがる。 もっと怖いのは こいつは一回も攻撃してこない事だ。 軽快なフットワークで ずっとステップを踏み続ける。 なのにジャブすらしてこない。 こえーよ。 それにオレのパンチも 一切避けようとしない。 全部くらい、マットに沈む。 なのにだ。 バネのように起き上がり。 例の如く、また軽快に ステップを踏み続ける。 何だこれは。 何者なんだこいつは。 そして

          オレはライオン、、、キング

          顔だけライオンで 体だけ人間になってた。 今朝の事だ。 どういう事だこれ? とりあえず群れのパニックを 避けるために 置き手紙ならぬ、 置きトムソンガゼルをしてきた。 狩りたてのやつだ。 2、3日は食いつないでくれ。 あ、そうそう。 話は戻るね。 どういう事だこれ? えぇ?? 顔が人間 体がライオンよりましか。 バランス的にだいぶキツイな。 顔が人間って事は 味覚も人間だから、 トムソンガゼルとか バッファローとか 火が通ってないと 食えたもんじゃないだ

          オレはライオン、、、キング

          オレは、ジャッキーチェン

          オレはジャッキーチェン お酒大好き もーあいにー 今日も千鳥足で 家に帰る えへえへ あへあへ オレは自分の 口から吹いた泡を見た。 まるでシャボン玉のように 飛んでいく あぁあれに乗って 上から香港を見てみたい 酒も回って 気持ちがいい夜だなぁ 良民难做 见世间饥困贫穷 强人无道 风沙满天 迷城强盗 哪裏找公正巨人 除奸共抗暴 挽你手走过崎岖的道路无尽数 抱你高空驾御云雾 (哈!哈!哈!哈!) だけど、オレは 家に辿り着いた時、 あまりにも驚

          オレは、ジャッキーチェン

          オレは、ジョーカー

          オレはジョーカー 普段オレは何をしているか? オレはジョーカー名乗っているだけ あってだな。 物事の裏っかわに沸き出てだな、 表面までクレイジーにして しまうのさ。 オレはお母さんの お腹の中にいる時から 過保護な環境に飽き飽きしていた。 だからどんな風にお腹から出たら クソ医者が驚くか考えていた。 母の お腹の中の仕組み退屈だったから オレがプロデュースしていた。 心臓の脈打つリズムも もっと他人に威圧感を与えるように オレが仕込んでやった。 どうやったら

          オレは、ジョーカー

          オレ達はドーナッツ

          オレたちはドーナッツ オレたちは同じタイミングで 全てを失った。 家族、職場、時代の狭間から 追放されて行き場が なくなった。 そんなオレたちが 治安の枯れ果てたある 街で出会い、 なけなしの金を出し合い 杯を交わした。 人間は追い込まれると それまで培い、信じてきた 思考を疑い、嘆く。 オレ達は奇想天外な行動なしに これからこの社会で生きて行く事など もう無理だった。 酒もまわっていたオレたちが 辿りついたのは、ファンタジーとも とれる思想だった。 酒を飲ん

          オレ達はドーナッツ

          オレはS•J

          オレは、S・J オレは、偶然潜りこんだ大学の授業で タイポグラフィーの美しさに感銘を受け 後にそれがコンピュータ会社を 作る美意識として役に立った。 人生とは何がどう結びつき どんな結果を生むのかがわからない。 今までやってきた点と点を 結べば線になる、 いわゆるドットコネクティングだ。 経営者やインフルエンサーに なればみんなすぐに言いたがる言葉だ。 私のやってきた事には 大きな影響力があると自負している。 私服を固定すれば みんなも私服を固定化した。

          オレがSTAR WARS!?

          友達のSTAR WARSマニアに 連れられ映画館に最新作を 観に来た。 STAR WARS オレはこの手のSF系に疎くて 実際に上映を観るまで 小学校の時に家で兄貴がやっていた スターフォックスだと 思っていた。 きつねのやつとか カエルのやつの話だと思ってた。 上映するやいなや これは普通のSF系映画とは 重みが違う事がすぐにわかった。 周りの客の真剣さ、 上映後の歓談が半端では ないのだ。 確かに作品もあっという間に 感じるほど面白く サブスクリプション

          オレがSTAR WARS!?

          オレはバズ

          オレはバズ オレは火薬が好きだ。 合成着色料の多いお菓子を食い過ぎて 頭がイカれちまったのかもしれない。 だけど、 暴力的な理由で爆発が好きな わけじゃないんだ。 オレはそんなに狂っちゃいねえ。 やべえのは オレにタランチュラや 火薬を買い与えている マカリスター家かもな。 オレは花火が好きなんだ。 たかり屋のおじさんが リビングでテレビを見ていた時に 日本の花火がやっていたんだ。 綺麗だったなぁ。 オレは胸を打たれたよ。 オレは花火を観て爆発の魅力に

          オレはバズ

          ボクは、ケビン・マカリスター

          ボクは、ケビン・マカリスター かつてのオレは 1人家に残され、 運悪く泥棒が2人もやってきた もんだから追い払うのに 必死だった。 子供だったという事もあり 未熟だった。 当時は本当に前日のリハーサルや 作戦作りが大変だった。 だけど、 泥棒のハリーとマーブを 退治して逮捕に追いやった後も、 実は彼らの仲間が毎年のように ボクのクリスマスにやってきた。 家に来ては 旅行先のホテルにまで 毎年毎年戦争さ。 だけど、ボクは 少しずつ大人に近づいていく クリスマ

          ボクは、ケビン・マカリスター

          非道化2

          オレはピエロ オレはサーカスの チケットもぎりがきっかけで この業界に入った。 チケットもぎりが時給800円スタート それから15年で 今時給1850円だ。 このサーカスに 15年いる間、周りは全員辞めてった。 というこ事で 一番古いのがオレだ。 だから 今ピエロをやる人も 辞めて新しい人が入るまで 誰もいないので オレがピエロをやっている。 チケットもぎりの モチベーションでダラダラ 15年もここにいたら 気づいたらピエロになっていた。 途中で就職するタイ

          オレは、狼だ。

          オレは狼 オレは今、ある男にジッと 見つけられている。 これはチャンスだ。 さぁ男よ。 オレを飼え。 オレを連れて帰れ。 オレはまだ生まれて2年ぐらい 十分人間の生活にも順応できるだろう。 お前の価値観と衝突する事もない。 さぁこっちへ来るんだ。 さぁオレよ、邪念をすてるんだ。 どっちでもいい感じを出すんだ。 さぁオレよ、 今は連れて帰られたいという欲望を 捨てろ。 相手にこの邪念が 伝われば終わりだ。 オレの希少性を示すんだ。 オレを飼えばブラ

          オレは、狼だ。

          オレは、Mr.H

          オレは、Mr. H 以前のオレは 地味で平日はスーツ 休日はショッピングモールのダサい地味な 紳士服だった。 だけど、 ある友人のバースデーパーティーで 悪友のサマンサ騙され 1人だけこの格好をして 出席させられた事があった。 オレが会場に 現れた時、 会場の友人達はオレを蔑み笑い スマホを向け撮影を 始めた。 ピロンと スマホ動画撮影の開始音が鳴る。 その瞬間オレの隠された 変態性が大爆発した。 オレはこの衣装を 纏ったとんでもないモンスター Mr. Hに変

          オレは、Mr.H

          オレは、ドラコ・マルフォイ

          オレはマルフォイ。 思えば、 昔は性格がめちゃくちゃ 悪かった。 子分や、見下せるやつが いないと気持ちが 落ち着かなかった。 悪口もだいぶ言っていた。 とくに ハリーポッターの 悪口は言いすぎて、 口が一周回転するほど歪んだ。 父上の闇の魔術で その口は元に戻った。 それ以来オレは ハリーポッターの悪口を 言っていないし、 書き込んでもいない。 むしろオレは今 ハリーポッターが大好きだ。 結局あいつには 勝てないと知った。 清々しい気持ちすらする。

          オレは、ドラコ・マルフォイ