見出し画像

126番 麻子仁丸(ましにんがん)

便秘に使う漢方と言えば、これまでにも大黄牡丹皮湯(33)、潤腸湯(51)、桃核承気湯(61)、防風通聖散(62)、調胃承気湯(74)、大黄甘草湯(84)、通導散(105)、三黄瀉心湯(113)などなどをとりあげました。
組成を西洋薬との対比で捉えると、センノシドなどの大腸刺激性下剤は大黄(←そのまんまだ…)、酸化マグネシウムなどの塩類下剤は芒硝、ラクツロースなどの糖類下剤は膠飴、ガスモチン®などの5−HT4受容体アゴニストは山椒、ポリフル®など膨張性下剤は麻子仁。
そう、今回取り上げる麻子仁丸や潤腸湯はざっくり言えばポリフル®っぽい位置づけになりますかねぇ〜

使用目標(証)

本方は、体力中等度あるいはやや低下した人の習慣性便秘を目標に広く用いられ、高齢者や病後の体力低下時の弛緩性便秘に頻用される。

組成

大黄(だいおう)
枳実(きじつ);胃腸の熱を瀉す。
杏仁(きょうにん);大腸を潤す。
厚朴(こうぼく);胃の気を巡らす。
芍薬(しゃくやく);補血剤
麻子仁(ましにん);クワ科の麻の種子。

勝手にポイント

高齢者、虚証の習慣性便秘に使う。
潤腸湯は皮膚乾燥の強い場合に。大承気湯は実証の便秘に。

参考文献
「つまずきから学ぶ漢方薬 構造主義と番号順の漢方学習」 岩田健太郎 著 / 西本隆 監修
「漢方製剤 活用の手引き 証の把握の処方鑑別のために」 長谷川弥人 大塚恭男 山田光胤 菊谷豊彦
漢方スクエア 絵でわかる漢方処方解説 麻子仁丸
漢方スクエア 方剤解説 麻子仁丸