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107番 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

薬の味って気になります?! 
お子さんに薬を出す場合、「味」問題は結構重要です。クラリスロマイシンを処方するときは予め、「これは苦いですよ。」と伝えます。それでも飲めないお子さんもいるので、親御さんから先に「この薬(=クラリスロマイシン)以外の薬にしてください。」といわれることも…
ただ、大人から味問題をいわれるとちょっとちょっとと思ってしまう。本音では「大人なんだから我慢して飲みなさい。」と言いたいところですが、実はこちら側が味を知らないからってのも、否定的な意見をもってしまう原因かもしれないです。
今回取り上げる牛車腎気丸には附子が入っているので、独特の匂いと辛味があります。これも予め伝えるべき事項ですね。

使用目標(証)

本方は、中高年を中心に高齢者の泌尿器・生殖器・副腎の機能低下に伴う排尿障害、陰萎、腰部・下半身の脱力感、しびれ、痛みなどを目標とし、なかでも尿量減少、夜間尿、浮腫、腰・下肢痛などが顕著なものに用いる。腹部は、臍下部正中で腹壁の緊張低下もしくは知覚鈍麻(小腹不仁)を多く認め、まれに腹直筋の緊張(小腹拘急)がみられることもある。一般に、全身倦怠感、手足ことに足底のほてり、四肢冷感、口渇、腰痛、下肢痛、排尿障害(頻尿、多尿とくに夜間多尿、排尿困難、排尿痛)、浮腫、耳鳴り、皮膚枯燥などを伴う。

組成

地黄(じおう)
山茱萸(さんしゅゆ)
山薬(さんやく)
茯苓(ぶくりょう)
沢瀉(たくしゃ)
牡丹皮(ぼたんぴ)
桂皮(けいひ)
附子(ぶし)
牛膝(ごしつ);ヒユ科の植物の根。駆瘀血剤。
車前子(しゃぜんし);利水剤

勝手にポイント

八味地黄丸+牛膝・車前子=牛車腎気丸
腎虚で浮腫があり、からだの節々が痛いときに使う。

参考資料
「つまずきから学ぶ漢方薬 構造主義と番号順の漢方学習」 岩田健太郎 著 / 西本隆 監修
「漢方製剤 活用の手引き 証の把握の処方鑑別のために」 長谷川弥人 大塚恭男 山田光胤 菊谷豊彦
漢方スクエア 絵でわかる漢方処方解説 牛車腎気丸
漢方スクエア 方剤解説 牛車腎気丸